足す数(右の数)を小さいものから始めてみる
[2015年09月15日(Tue)]
〇足す数(右の数)を小さいものから始めてみる
足し算は引き算に比べて子どもたちの理解が早いことは、多くの大人が体験的に知っています。ただ引き算と「比べて」の話であって、どんな子どもでもスムーズに進めることができるわけではありません。
足し算は小学校に入学して5月が終わるころ本格的に始まります。本格的にと言ったのは、その前の単元でふたつの数をブロックなどの具体物と照らし合わせながら、「合わせていくつ?」または「いくつといくつで10になる?」など日常の言葉で足し算や引き算につながる勉強をしているからです。このブロックなどを使った足し算の「体験」から始め、5月が終わるころ本格的に数字を使った計算になります。
このとき、具体物から数字だけの計算にうまく切り替えることができない子どもたちがいます。詳細は後で触れますが、『ブロック(または指を使うと)できるのに、数字だけだとできない』ときは、足す数(右の数)を小さいものが始めてみたらどうでしょうか。
「3+5」ではなく、「5+3」のように足す数を「1」から「3」までにして練習してみると、ブロックや指を使わなくてもできるようになることが多いようです。
もし足す数を小さくしてできるようであれば、次は足される数(左の数)をいろいろ変えて(足す数は「1」から「3」までにしておくことを忘れずに)、繰り返し練習してみます。
何度も繰り返しているうちに暗算でできるようになったら、ここで始めて足す数を増やしてみます。それも一度に大きな数を使わずに、「1」から「3」までだったものに「4」と「5」を加えてみます。
これもまた暗算できるようになったら「6」と「7」を加えてみます。次の「8」と「9」を加えての練習はそれほど時間はかかりません。ここでは答えが10までの足し算を練習しているわけですから、足す数が「8」と「9」では足される数は「1」と「2」しかないからです。
最初は教える方も時間とエネルギーが必要ですが、途中からスムーズに進めることができますし、子どもも「できる」自信をもちながら勉強続けることができると思います。
そして、できることならこの段階でブロックや指を使わずに暗算でできるところまで目指してほしいと思います。
一年生の計算では、これまで指を使い続けることについて様々な意見がありました。学校での授業の様子を見ていると、二年生でも指を使っている子どもに出会うことがあります。最近はどこの学校でも、指を使う子どもにやめるよう指導していることはほとんどないと思います。ただ、これはどちらかというとやむを得ない措置で、その子どもに指を使わないで計算することを求めても、もはやこの授業の段階では難しいことを先生がわかっているからです。
実は10までの足し算で、暗算できない(指を使って何とか計算できる)という状態のままだと、単元が進んで
「10+6」や「8+2+3」などの計算になると授業についていくことが苦しくなる可能性が高くなります。
もちろん、苦しんでいる子どもを見過ごしてしまう先生ばかりではありません。「指を使ってもいいよ」とか「ゆっくりで大丈夫だからね」と時間に余裕をもたせるなどの配慮が期待できるかもしれません。
でも、次の単元は新しいことを身につけるためにありますから、暗算できる子どもは
「10+6」などを学んでいる一方で、暗算できない子どもは「指を使う練習」と
「10+8」をまとめて学ばなければならないことになります。できない子どものほうが負担が大きいわけです。
同じ時間に学ばなければならないことが増えるから苦しいのです。
そして、なんとか頑張って乗り切れたとしても、次の繰り上がりの足し算では、いよいよどうにもならなくなってしまいます。
もちろん、中には指を使い続け計算のプロセスが複雑になったり数字が大きくなったりしても、自然に指を使わないでできるようになる子どももいます。ただ、それを多くの子どもに求めるよりも、10までの足し算の段階で私たちが丁寧な教え方をすることのほうが確実です。
「指を使っても良い」というのは、あくまでも授業の進行上やむを得ないといことであり、指を使い続けても、いずれ皆(指を使わないで)できるようになるというわけではないのです。
足し算は引き算に比べて子どもたちの理解が早いことは、多くの大人が体験的に知っています。ただ引き算と「比べて」の話であって、どんな子どもでもスムーズに進めることができるわけではありません。
足し算は小学校に入学して5月が終わるころ本格的に始まります。本格的にと言ったのは、その前の単元でふたつの数をブロックなどの具体物と照らし合わせながら、「合わせていくつ?」または「いくつといくつで10になる?」など日常の言葉で足し算や引き算につながる勉強をしているからです。このブロックなどを使った足し算の「体験」から始め、5月が終わるころ本格的に数字を使った計算になります。
このとき、具体物から数字だけの計算にうまく切り替えることができない子どもたちがいます。詳細は後で触れますが、『ブロック(または指を使うと)できるのに、数字だけだとできない』ときは、足す数(右の数)を小さいものが始めてみたらどうでしょうか。
「3+5」ではなく、「5+3」のように足す数を「1」から「3」までにして練習してみると、ブロックや指を使わなくてもできるようになることが多いようです。
もし足す数を小さくしてできるようであれば、次は足される数(左の数)をいろいろ変えて(足す数は「1」から「3」までにしておくことを忘れずに)、繰り返し練習してみます。
何度も繰り返しているうちに暗算でできるようになったら、ここで始めて足す数を増やしてみます。それも一度に大きな数を使わずに、「1」から「3」までだったものに「4」と「5」を加えてみます。
これもまた暗算できるようになったら「6」と「7」を加えてみます。次の「8」と「9」を加えての練習はそれほど時間はかかりません。ここでは答えが10までの足し算を練習しているわけですから、足す数が「8」と「9」では足される数は「1」と「2」しかないからです。
最初は教える方も時間とエネルギーが必要ですが、途中からスムーズに進めることができますし、子どもも「できる」自信をもちながら勉強続けることができると思います。
そして、できることならこの段階でブロックや指を使わずに暗算でできるところまで目指してほしいと思います。
一年生の計算では、これまで指を使い続けることについて様々な意見がありました。学校での授業の様子を見ていると、二年生でも指を使っている子どもに出会うことがあります。最近はどこの学校でも、指を使う子どもにやめるよう指導していることはほとんどないと思います。ただ、これはどちらかというとやむを得ない措置で、その子どもに指を使わないで計算することを求めても、もはやこの授業の段階では難しいことを先生がわかっているからです。
実は10までの足し算で、暗算できない(指を使って何とか計算できる)という状態のままだと、単元が進んで
「10+6」や「8+2+3」などの計算になると授業についていくことが苦しくなる可能性が高くなります。
もちろん、苦しんでいる子どもを見過ごしてしまう先生ばかりではありません。「指を使ってもいいよ」とか「ゆっくりで大丈夫だからね」と時間に余裕をもたせるなどの配慮が期待できるかもしれません。
でも、次の単元は新しいことを身につけるためにありますから、暗算できる子どもは
「10+6」などを学んでいる一方で、暗算できない子どもは「指を使う練習」と
「10+8」をまとめて学ばなければならないことになります。できない子どものほうが負担が大きいわけです。
同じ時間に学ばなければならないことが増えるから苦しいのです。
そして、なんとか頑張って乗り切れたとしても、次の繰り上がりの足し算では、いよいよどうにもならなくなってしまいます。
もちろん、中には指を使い続け計算のプロセスが複雑になったり数字が大きくなったりしても、自然に指を使わないでできるようになる子どももいます。ただ、それを多くの子どもに求めるよりも、10までの足し算の段階で私たちが丁寧な教え方をすることのほうが確実です。
「指を使っても良い」というのは、あくまでも授業の進行上やむを得ないといことであり、指を使い続けても、いずれ皆(指を使わないで)できるようになるというわけではないのです。
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