10のまとまりを作るサクランボ計算に挑戦(ひき算編)
[2016年01月30日(Sat)]
〇10のまとまりを作るサクランボ計算に挑戦(ひき算編)
以前「10のまとまりを作るサクランボ計算に挑戦」のところで、サクランボ計算についてお話をしました。一年生にとって、サクランボ計算はとても難しく、「論理的な思考力」を育てるという目的は理解できるものの、そのためには教え方の工夫が必要な単元のひとつです。そして、この「サクランボ計算」はひき算でも扱われています。
ひき算の難しさは、前回の「ひき算が苦手なときは」でも触れたように、数字を逆に唱えていかなければならないことなどに大きな原因があります。その上に「サクランボ計算」を扱うわけですから、あきらめてしまう子どもが出てくるのもわかります。
したがって、数字を逆に唱えることが難しいなど、サクランボ計算どころかブロックなどの具体物を使う方法から脱出できない場合は、思い切って復習から始めたほうが結果的には良いと思います。
ここでは、繰下がりのないひき算はスムーズにできていることを前提に、「サクランボ計算」でのつまずきやすいポイントとその対応についてお話ししたいと思います。
つまずきやすいポイントの前に、実は教科書によってサクランボの書き方が微妙に違うことについてお話しましょう。
下の図は、A教科書とB教科書の「サクランボ計算」の途中までを書いたものです。同じ「13−8」なのですが、「13」を「10」のまとまりと「あといくつ」になるかを考え分解するときに、よく見ると分解した数(サクランボの実)のところが違っていますね。
気がついたと思いますが、A教科書では「10」を左側に「3」を右側に書いてあります。いっぽうB教科書では逆に「3」を左側に「10」を右側に書いてあります。
ちなみに、どちらでもその後の計算方法は同じです。上記のように「13」を「10」のまとまりと「あといくつ(3)」になるかを考えて分解しました。そして「10」のまとまりから「8」を引きます。「10−8」は「2」になりますね。この「2」と「あといくつ」で求めた「3」を合わせて、答えが「5」となるわけです。
では、なぜ同じことなのに左右が異なる教科書があるのでしょうか。それはそれぞれの教科書が何をポイントにおいているかによる違いです。
A教科書は、「13」の数を10進法の仕組みにしたがって表すことにポイントにおいたため、「10」とあと「3」という流れで書いてあります。
そしてB教科書では、「13」を分解したあとに「10−8」の計算をすることにポイントをおいたため、「10−8」をわかりやすくするために「3」を先に書き「10」を「8」に近い右側に書いてあるのです。
このように、教科書によって成り立ちを重視するか、わかりやすさを重視するかで書き方が違ってくることもあります。どちらかが正しいというわけではありません。またこのように成り立ちとわかりやすさの両立が難しい場合もあるわけです。
つまずきやすいポイントとその対応についてお話するはずが、前置きが長くなってしまいました。ただ、この前置きを読んでつまずきやすいポイントに気がついたと思います。
つまずく場合の多くは、分解したあとにどの数字をひき算するのかがわからなくなってしまうことにあります。
実は先生も黒板で説明するときに困っている場面をよく目にします。成り立ちを重視して「13」を分解した場合、「10」と「8」の位置が離れたところにあるため、「10」と「8」を引くことの説明の時に、そのまま式に表すことができないからです。
下の写真は、実際の授業で「12−9」を使って先生が黒板に書いたものです。「10」と「9」の位置が離れていて「10−9」と書けないため、分解した「10」と「9」を囲ってひき算することを示していますね。
勉強が苦手な子どもには、分解した数のうち10を右に書き(もうひとつの数字を左に書くことで)、「10−8」が見ただけでわかるようするほうが良いと思います。下の写真は、この方法で授業をしている黒板です。
小学校一年生の子どもにとって見てわかりやすいですし、先生にとっても説明がしやすくなりますね。
まずは、この10を右に書き、もうひとつの数を左に書く分解だけの練習だけをすることが効果的です。左側に「3」を右側に「10」を書くのと同じように、いろいろな数字を使って(次のひき算がしやすいよう)練習します。
分解がスムーズにできたら、いよいよサクランボ計算を答えをだす最後のところまでやってみましょう。あとは繰り返し練習するだけになります。
以前「10のまとまりを作るサクランボ計算に挑戦」のところで、サクランボ計算についてお話をしました。一年生にとって、サクランボ計算はとても難しく、「論理的な思考力」を育てるという目的は理解できるものの、そのためには教え方の工夫が必要な単元のひとつです。そして、この「サクランボ計算」はひき算でも扱われています。
ひき算の難しさは、前回の「ひき算が苦手なときは」でも触れたように、数字を逆に唱えていかなければならないことなどに大きな原因があります。その上に「サクランボ計算」を扱うわけですから、あきらめてしまう子どもが出てくるのもわかります。
したがって、数字を逆に唱えることが難しいなど、サクランボ計算どころかブロックなどの具体物を使う方法から脱出できない場合は、思い切って復習から始めたほうが結果的には良いと思います。
ここでは、繰下がりのないひき算はスムーズにできていることを前提に、「サクランボ計算」でのつまずきやすいポイントとその対応についてお話ししたいと思います。
つまずきやすいポイントの前に、実は教科書によってサクランボの書き方が微妙に違うことについてお話しましょう。
下の図は、A教科書とB教科書の「サクランボ計算」の途中までを書いたものです。同じ「13−8」なのですが、「13」を「10」のまとまりと「あといくつ」になるかを考え分解するときに、よく見ると分解した数(サクランボの実)のところが違っていますね。
気がついたと思いますが、A教科書では「10」を左側に「3」を右側に書いてあります。いっぽうB教科書では逆に「3」を左側に「10」を右側に書いてあります。
ちなみに、どちらでもその後の計算方法は同じです。上記のように「13」を「10」のまとまりと「あといくつ(3)」になるかを考えて分解しました。そして「10」のまとまりから「8」を引きます。「10−8」は「2」になりますね。この「2」と「あといくつ」で求めた「3」を合わせて、答えが「5」となるわけです。
では、なぜ同じことなのに左右が異なる教科書があるのでしょうか。それはそれぞれの教科書が何をポイントにおいているかによる違いです。
A教科書は、「13」の数を10進法の仕組みにしたがって表すことにポイントにおいたため、「10」とあと「3」という流れで書いてあります。
そしてB教科書では、「13」を分解したあとに「10−8」の計算をすることにポイントをおいたため、「10−8」をわかりやすくするために「3」を先に書き「10」を「8」に近い右側に書いてあるのです。
このように、教科書によって成り立ちを重視するか、わかりやすさを重視するかで書き方が違ってくることもあります。どちらかが正しいというわけではありません。またこのように成り立ちとわかりやすさの両立が難しい場合もあるわけです。
つまずきやすいポイントとその対応についてお話するはずが、前置きが長くなってしまいました。ただ、この前置きを読んでつまずきやすいポイントに気がついたと思います。
つまずく場合の多くは、分解したあとにどの数字をひき算するのかがわからなくなってしまうことにあります。
実は先生も黒板で説明するときに困っている場面をよく目にします。成り立ちを重視して「13」を分解した場合、「10」と「8」の位置が離れたところにあるため、「10」と「8」を引くことの説明の時に、そのまま式に表すことができないからです。
下の写真は、実際の授業で「12−9」を使って先生が黒板に書いたものです。「10」と「9」の位置が離れていて「10−9」と書けないため、分解した「10」と「9」を囲ってひき算することを示していますね。
勉強が苦手な子どもには、分解した数のうち10を右に書き(もうひとつの数字を左に書くことで)、「10−8」が見ただけでわかるようするほうが良いと思います。下の写真は、この方法で授業をしている黒板です。
小学校一年生の子どもにとって見てわかりやすいですし、先生にとっても説明がしやすくなりますね。
まずは、この10を右に書き、もうひとつの数を左に書く分解だけの練習だけをすることが効果的です。左側に「3」を右側に「10」を書くのと同じように、いろいろな数字を使って(次のひき算がしやすいよう)練習します。
分解がスムーズにできたら、いよいよサクランボ計算を答えをだす最後のところまでやってみましょう。あとは繰り返し練習するだけになります。
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