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勉強が苦手な子どもたちのために

勉強が苦手な子どもたちがいます。教えても自分でやるとできなかったり、そもそもちゃんと聞いているのか、わかっているのかもあやしかったりします。

保護者や先生たちが一生懸命になっても、それが叶うとは限りません。そんな現実を受け入れることができず、私たちはついカッとなり、子どもにあたってしまうこともあるでしょう。

そして、子どももきっと辛い思いに苛まれているはずです。

ここでは、勉強の苦手な子どもに何とか寄り添った教え方ができないか。「技術」・「理論」・「心理」など様々な切り口で考えていきたいと思っています。

特定非営利活動法人 CEセンター 理事長 野田弘一


子どもについ怒ってしまう不思議(中) [2015年12月19日(Sat)]
〇子どもについ怒ってしまう不思議(中)

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私たちは、子どもを前にするとその人となりがどうしても出てしまう傾向があります。

人間の赤ちゃんに限らず動物でも、見たとたん「かわいい」と感じて抱きかかえたくなります。これは子どもに対するプラスの感情が思わず出てしまった例です。

逆に不満があるときでも、それが子どもだと遠慮なく感情を表に出してしまいます。子どもは、体格の面でも精神的な面でも未熟であるため、大人はつい許されると無意識に思ってしまうのでしょうね。

私たちは無意識に「許される」と思っているので、その人となりのまま「怒り」の感情を表に出してしまう。前回それを防ぐことは難しいというお話をしました。でも難しいからといって感情のおもむくままでよいわけではありません。

無意識に「許される」と思っていたところで、そもそも子どもは許してはいませんね。

そして、自己モニタリングができないまま、「怒り」をそのまま目の前の子どもにぶつけてしまうこともあります。

お母さんやお父さんが、自己モニタリングできないまま「怒り」を暴力や暴言でぶつけてしまうのが虐待です。「躾のつもりだった」という理由で自身のことを隠しても、子どもの心の傷や命はもとにもどりません。

先生が、自己モニタリングできないまま「怒り」を暴力や暴言でぶつけてしまうのが体罰です。「心を入れかえて欲しかった」という理由で自身のことを隠しても、子どもの心の傷や命はもとにもどりません。

また、勉強が苦手な子どもに注がれる先生の「怒り」の眼差しを、クラスメートが察してしまうことがあります。これが「いじめ」につながる原因のひとつになることも知っておいてください。

さらに最近私がもっとも心配しているのは、園や学校といった組織もまた「怒り」にまかせて子どもの態度や規範意識の問題にしてしまう意見に出会うことです。

特に、知的な遅れはないものの勉強が苦手なことから皆と同じことができない子どもに、管理職や担任が特別支援学級に行くよう薦めている最近の流れは、非常に心配しています。

自己モニタリングができていれば、学校の取組み方や先生の授業方法の問題、さらに掘り下げると教科書にも課題があることに気がつくはずなのに、皆と同じことができない子どもに向かって態度や努力不足を挙げて排除してしまう。

今日この時間にも、管理職や先生の「怒り」を直接ぶつけられ心を傷つけられている子どもと保護者が、全国にたくさんいることも知っておいてください。

このままいくと数年で、知的障害の子どもが通う特別支援学級の数は大幅に増え、そこに通う子どもの半分以上が知的な遅れがない子どもたちになってしまいます。学級数も子どもの数も増えることになりますから、教員の数も増やさなければなりません。

さらにこのような学級が、個々の特性に応じた教育をおこなうことができていれば、そして制度上の矛盾に目をつぶれば、子どもたちにとっては良い環境になることでしょう。

でも、特別支援学級などもまた取組みや技術が充分とは言えない現状ですから、いずれ他に行くように言われる子どもたちが出てきて、新しい排除が生まれることになるでしょう。こうして学級と教員の数を増やすことが繰り返されることになります。

もっとも、今の日本にそれだけの財政的余裕はありませんね。

子どもに勉強を教えているうちに「怒り」がこみ上げてくることはよくあることです。その感情や本質的な問題から目を背けてしまうと、私たちは子どものせいにして片付けてしまうことを繰り返すだけです。

これでは子どもは勉強ができるようになるどころか、精神的に健康な成長が望めなくなりますね。

 学校の先生がどう教えてよいのか困っているわけですから、家でお父さんやお母さんが上手に教えてあげることはもっと難しいはずです。

立場にかかわらず、私たちは自己モニタリングしながら、目の前の子どものために良い方法を探るしかないわけです。


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Posted by ookubo at 12:17 | 心理編 | この記事のURL