元日本小児科学会会長・理事 西田勝さま [2008年12月20日(Sat)]
元日本小児科学会会長・理事
西田勝さま 私が小児科医になりたての頃、1959年ですが、先輩の先生に白血病と診断して、一年以上も命があれば、その診断は間違っていると教えられました。さらに大正時代の教科書をみると、子どもの白血病は診断してから1ヶ月の寿命である、診断がつけばすぐに退院させなさいと書いてありました。 ところが1960年代になると、北米の論文に小児の急性リンパ性白血病は治療すれば完全治癒の可能性がある。親はもちろん、医師も看護師も、希望と情熱を燃やして治療に専念しなさいと報告されていました。 私もその論文を読んで感激し、論文にしたがって治療しました。 当時にしては強いくすりを使っての治療なので(今ではきつい治療だったとだれも考えませんが)、周囲の反対もあり、こわごわしたものでした。治療の結果はすばらしいもので、今までかならず死ぬといわれた白血病が完全に治癒しました(といっても50%ていどでしたが)。ただ当時の治療では、急性リンパ性以外の白血病には効果がなかったことや、再発例もだめでした。その後白血病の治療は進歩し、完全治癒率は非常に進歩しました。 むかしヨーロッパの子ども病院を見学に行きました。緑の多い敷地の広さにびっくりしました。 ところどころに建物があり、冷たい病院のイメージでなく、のどかな田園風景でした。親たち専用の宿泊施設もあり、そこから仕事にでかける人もいるとのことでした。希望すれば病院にとまることもできるし、家庭の家族環境によっては希望すれば親は自宅にいて、時々病院にいくだけでもよいと説明されました。 子ども病院の病棟や病室はカラフルで、明るく、子ども達が住むお部屋の雰囲気にみちあふれていました。日本でもむかしと異なり、長期入院の子ども達の心のケアに気を配るようになり、治療の進歩とあいまって闘病の環境がととのってきました。しかし私のこころにはヨーロッパの子ども病院でみた、豊な田園風景のなかにあるこころ和む病院の建物と部屋、さらには希望すれば、親が身近にいることができる環境が懐かしく思いだされます。 頑張れ チャイケモ! 西田勝 【プロフィール】 1934年生まれ。大阪府立母子保健総合医療センター病院長をへて、重症心身障害児施設枚方療育園医療管理者に就任。 元日本小児科学会会長・理事 重症心身障害児施設 枚方療育園 http://www.hirakataryoiku-med.or.jp/hiratop.html 西田さま 心のこもった応援メッセージをありがとうございました。 応援メッセージを読んで 今すぐ寄付する |