日本のCSRを向上させたいCSR担当部署や「CSR報告書(*)」の発行状況、CSRで取り組むべき項目について、
企業が自社の取り組みを入力して公開できるシステムが「CSR情報データベース」です。企業や団体の規模に限らず、CANPAN CSRプラスにユーザー登録してIDとパスワードを取得すれば、データを変更・入力して情報を公開することができます。
「CSR情報データベース」サービスのスタートにあたり、CANPANでは2006年6月1日現在の東証1部上場企業・約1,700社を対象にCSRに関する情報の公開状況を調査しました(外国株は除く)。2006年6月中旬〜8月中旬に2005年版のCSR報告書を収集し、報告書が入手できた企業について、48項目に及ぶCSR情報の公開状況(報告書への記述の有無)と、その内容をコメントとしてまとめました。
データベースでは、CSRへの取り組みを評価して優劣をつけることや、できていない企業を指摘することを目的とせず、できている事例を業界や企業の規模を越えて共有することでコミュニケーションを促し、もって日本全体としてCSRの質が向上し量が拡大することを目的としています。
*「CSR報告書」は、「CSRレポート」「サステナビリティレポート」「社会・環境レポート」など、企業によって呼び方が異なりますが、CANPANで一般名詞として使用する場合は「CSR報告書」として表記します。なお社会的側面でのレポートが含まれない「環境報告書」のみを発行している企業の場合も今回の調査対象とし、把握できた情報をデータベースに掲載しています。
CSR情報についてデータベースでは「企業基本情報」と「CSR情報」の2つを掲載しています。
「企業基本情報」は企業名や本店所在地、売上高など、企業のインターフェイスにあたる部分と、CSR担当部署の有無や部署名、CSR報告書の名称など、CSRに関する基本的な情報について掲載する部分とで構成しています。検索時に必要と思われる情報を中心に構成しているのが「企業基本情報」といえます。
「CSR情報」は、CSRを近江商人の「三方良し」に置き換えて、
「世間良し」「売り手良し」「買い手良し」の3つの視点で、それぞれ4つの中項目ごとに4つの開示すべき情報の項目を設計。合計48の項目について、情報公開の有無と内容についての短いコメントを掲載できるようになっています。
CANPAN CSRプラスでは、コミュニケーションを促すことデータベース提供の主な目的としていますが、企業ごとに取り組み状況を一覧して項目ごとの濃淡を比較したり、項目ごとに他社の取り組み状況と比較したりすることで、
企業ごとに足りない点を容易に発見できるよう、情報の開示の有無を点数化しました。48の項目について、それぞれ情報の掲載があれば「1」、確認できない場合は「0」で表示できるようになっています。
参加するデータベースCSR情報データベースは、CANPAN CSRプラスが調査対象としていない企業でもCANPANへユーザー登録を行うことで、データベースにCSR情報を入力し、公開することができる、
参加型のデータベースとなっています。企業の規模にかかわらず、同じ項目で情報公開を行うことで、東証一部上場企業と同じ土俵で自社の取り組みを比較することができます。
取引先のCSR情報についても把握することが求められる「CSR調達」の理念が広まりつつありますが、
中小企業にとっては大企業のようにCSR担当を置いて取り組みを進めることが難しいのが現状です。ここで提供している48の項目は、世界的な標準として過不足のないものですから、各項目に沿って自社の取り組みを調査し、情報を公開すれば、
CSR担当者を置いたり、外部のコンサルタントに依頼したりすることなく、自社のCSRの現状を広く公開することができます。成長するデータベース2006年10月2日のプレオープン段階では、東証一部上場企業のみを対象にCSR報告書から情報を調査し、
48項目のCSR情報が掲載できたのは約400社分に留まりましたが、2006年度調査ではさらに多くの企業を調査します。また東証一部上場以外の企業にも、順次調査対象を拡大していく予定です。
2008年の発行が予定されているCSRの国際基準「ISO26000」シリーズでは、社会的責任(SR)は企業だけでなく、公益法人や自治体、組合、NPOなど、あらゆる組織が追うべきものとしてとらえられているようです。環境や品質管理のISOが企業から他の組織にも拡大したように、CSRも大きな企業だけが行うものという発想から、あらゆる組織にとって不可欠なものとなる時代がそう遠くなくやってくると推測されます。CANPAN CARプラスでも社会情勢の変化を追いながら、今後は
企業以外でも公益の視点から重要な影響力を持つ組織にも調査の対象を拡げます。また現在48ある項目の内容や数も、社会の流れや時々のトピックに対応して変更・拡大していく予定です。現在は情報公開の有無のみで評点をつけていますが、法的に求められている数値を達成しているか、項目を公開しているか、という視点から、点数を現在の「0」、「1」に「2」や「3」を加えていくことを検討しています。
随時更新ができるウェブの特性を活かし、常に成長し続けるデータベースを目指しています。======================================================================================
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