地域CSRセミナー開催報告(北海道) [2007年08月24日(Fri)]
8月20日(月)に「地域のCSRセミナー(北海道)」が、札幌市ボランティア研修センターにおいて開催されました。
第1部 企業向けCSRセミナー 企業向けCSRセミナーでは、「CSRの動向と地域企業に求められるもの」と題した基調講演と地域企業のCSRの取り組み事例発表3社、CANPAN CSRプラスの紹介がありました。 ================================================================================== 基調講演:「次のステージに進むためのCSR」 ダイバーシティ研究所 代表 田村太郎氏 2006年度からCANPAN CSRプラスで公開されている東証一部上場企業のCSR報告書情報開示度調査の結果ら「地球にやさしいが、従業員・社会面の遅れがある」という傾向(詳細レポートはこちらから)が見られます。 最も情報が多く開示されているのは環境マネジメントシステムに関する情報で、内容も詳細に伝えられています。 しかし、例えばセクシャルハラスメントの防止に関する情報や女性管理職割合に関する情報は、簡単にしか伝えられておらず、公開されている情報の密度に差があります。 これからの日本企業には、従業員配慮や社会課題への取組みなど、情報開示の浅い分野への取り組み改善が日本企業に求められます。 一方で、大企業のCSRが進むと取引先へのCSR監査を求める大手メーカーが増えることが予想され、またISO26000は企業や自治体、労働組合、NPOなどにも社会的責任が問われる時代が来ることを鑑みると、中小企業が次のステージに進むためにはCSRへの取組みが大きなポイントとなってきます。 中小企業が専門部署を置いて、CSRを推進すると言うことは、あまり現実的でなく、地域の行政機関やNPO/NGOと連携して地域ぐるみ、業界ぐるみでCSRを推進し「地域全体で見ればCSRを推進できている」という状態が現実的ではないでしょうか。 基調講演の後半では、ISO26000の概要に触れました。ISO26000については、第3部の報告をご覧ください。 ================================================================================== 企業の事例発表では次のような3つの事例発表がありました。 事例発表の詳細は、9月14日(金)から始まる『第1回 CSRプラス大賞』投票画面から見ることができます。もうしばらくお待ちください。 ■ 株式会社 アレフ http://www.aleph-inc.co.jp/ 恵庭エコプロジェクトエコチームリーダー 佐々木隆浩氏 事業活動や家庭で発生する食用油の廃油を再燃量化に学校や行政・NPOとともに取り組んでいます。 ■ 株式会社 富士メガネ http://www.fujimegane.co.jp/ 社長室秘書課マネージャー 鈴木裕子氏 海外の難民を保護する活動を、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のコーポレートパートナーとして24年間続けています。 ■ 道栄紙業株式会社 http://www.corelex.co.jp/dohei/ 環境管理室 堀川晴代氏 地域とともに「ごみ減量」に取り組み、地域に愛されるトイレットペーパーを送り出しています。 事例発表企業は、『第1回 CSRプラス大賞』(投票期間9月14日〜9月30日、11月9日大賞発表)にエントリーします。エントリー企業は、9月14日(金)に発表されます。 みなさまの『第1回 CSRプラス大賞』へのご参加をお待ちしております。 第2部 交流会 約1時間の参加者同士の交流会では、名刺交換や参加者間での活発な意見交換が行われました。企業セミナーの参加者、NPO/NGOセミナーへの参加者、新たな出会いや発見がありました。 第3部 NPO/NGOセミナー 2009年11月発効予定のISO26000についての説明と、地域のNPOの取り組み事例発表2団体がありました。 ================================================================================== 基調講演:「NPOと企業とのコミュニケーションで進めるCSR」 ダイバーシティ研究所 代表 田村太郎氏 2009年11月にISO26000が発効される予定ですが、企業とNPOとが一緒にISO26000について勉強をする機会は、あまりもたれていません。 2007年11月には、おおよその内容・文言が確定されます。日本の企業はISO14001などに見られるようにISOに高い関心を寄せていますが、NPOの関心はそれほど高いものではありません。 けれども、NPOの活動内容は、ISO26000の中心的課題(環境、人権、労働慣行、組織統治、消費者課題、公正な商習慣、コミュニティの参画・社会開発)のいずれかにかかわりが深いものではないでしょうか。 残念ながら国際会議に参加している各国のうち、日本だけがNPO/NGOからのエキスパートを送り込めていないのが現状です。 ISO26000時代には、経済活動の中で「どこの地域に発注すれば安全か?」という視点が入ってくるでしょう。 もし、ある地域の1つの企業がきまりを守っていないことがわかった場合、「あの地域から仕入れるのは危険だからやめておこう。」ということになりかねません。 つまり、「安全に取引が出来る信頼できる地域はどこか?」という地域間競争を生むことになります。地域全体がルールを守っていないと、その地域の経済が落ち込んでしまうことになります。 「社会的責任を全うできる地域を、どうやって作っていくのか?」という検討課題を、地域の企業とNPOがISO26000を一つの共通の道具として活用し、一緒に考えていくことが大切です。 ================================================================================== NPO法人 シーズネットの取り組み シーズネット事務局長 吉田茂郎氏 平均会員年齢78歳、高齢者の仲間作りとシニアの生きがい作りを目指しているNPO法人シーズネットは、北海道経営者協会、北海道社会福祉協議会との協働で、勤労者マルチライフ支援事業に2007年3月まで取り組んできました。 事業の中で、「地域共生プロデューサー養成研修会」を、北海道、栃木、岩手で実施し、多くの企業やNPOが参加しました。 企業の担当者が、NPOを訪問するというフィールドワークを組み入れるなど、企業とNPOがともにCSRを学ぶはじめての研修会となりました。 この事業は3月で終了をしていますが、今後も企業とNPOとがともに活動する“種”が必要ということで「地域共生種の会」を発足しています。 NPO法人 シーズネットのホームページはこちら → http://www.seedsnet.gr.jp ================================================================================== NPO法人 サッポロソウルの取り組み サッポロソウル代表理事 横井朋幸氏 代表理事の横井朋幸氏は、大学4年生のときに有限会社キューベットを設立し、2006年には、有限会社からNPO法人シーズネットに組織変更をし、若者の起業支援を続けてきました。 インターンシップ制度では、起業を目指す若者が3ヶ月から半年の間で、社員同様の深いコミットメントの起業へのインターンシップを行い、仕事だけではなく企業家精神を学ぶことが出来ます。 これまでに40社100人のマッチングを行ってきました。 北海道を変えよう!という若者への支援は、インターンシップを受入れる企業側にとっても刺激となって、地域全体を元気づけています。 NPO法人 サッポロソウルのホームページはこちら → http://www.sapporosoul.jp/ ================================================================================== 他の開催地については、こちらをご覧ください。 |