一歩先をゆくアンドラ・プラデーシュ州 [2012年06月06日(Wed)]
6/1〜3の間、出張でアンドラ・プラデーシュ州(ハイデラバード)と、タミルナドゥ州(エロード)へ。
タミルナドゥに向かう前にハイデラバードに立ち寄ったのは、アンドラ・プラデーシュ州の回復者組織SLAP(Society of Leprosy Affected People)が新しく設置した事務所を見ておきたかったから。 (SLAPの事務所がある建物。2階の一区画、3部屋がSLAPの事務所) ハンセン病回復者組織のナショナル・フォーラム。 全国20州に回復者組織があるが、中でもアンドラ・プラデーシュ州の活動の充実度は他を抜きんでている。 数ではインド一多い、州内99ヶ所のハンセン病コロニーの情報は、住人数やコロニーリーダーの連絡先も含めて、きちんとリストにまとめられている。 州よりもうひとまわり下の県単位で県リーダーを選出し、地元主体で問題解決をしようと試みている。 (壁に貼られた活動指針と年間計画。英語が読めないメンバーにもわかるように、テレグ語訳を作成中) AP州の州組織が他と比べて優れている、その要因はいくつかある。 最も精力的な州リーダーであるナルサッパ氏が、州都ハイデラバードの近くに居住していること。 同じく州都に、「当事者主体」の概念を表面的ではなく心から理解し実現しようとする、ハンセン病関係のNGO(LEPRA Society)があること。 コーディネーターとしてある程度のパフォーマンスが見込める州リーダー、支援NGOの体制が揃っていると、自然と外からの支援が集まる。 資金が集まれば、それだけ活動は充実する。 (写真右から、州リーダーのナルサッパ氏、LEPRAスタッフのサティラジュ氏、事務担当のクマール氏、啓発スタッフのラジマ、LEPRAスタッフの…最後の人名前訊き忘れました。) 日本財団の助成金が使われている、ナショナル・フォーラムから各州組織に出される活動補助には、今のところ事務所の運営費は含まれていない。 運営費を出したとしても、例えばSLAPがFCRA(外国からの資金提要許可を受けられるようにするためのインド政府内務省からの許可)取得のための手続きなど、日々の事務をサポートできる人材は、ナショナル・フォーラムの本部にはいない。 全国組織がどうあるべきか、各州組織がどうあるべきか、 ビジョンやそれに向けた具体的な事業計画が明確に打ち出されていない。 その遅々とした本体を横目に、AP州は実質的な実をとりながら、一歩先を歩んでいる。 事務所の運営費と事務スタッフの人件費は、現在LEPRAが支援している。 他からの支援状況を把握し、必要に応じて線を引くことは必要。 でも動き始めているその歩みを止めるべきではない、と感じた。 ここから、何かが変わるかもしれない。 (州リーダーのナルサッパ氏 写真提供:なつさん) ナルサッパ氏に関する記事はこちら(英文) WHO Goodwill Ambassador's Newsletter No.52 pg.4 HUMAN STORY "Non-Stop Activist" http://www.nippon-foundation.or.jp/eng/media/publications/2jcahj000005bps8-att/8f0j6k00000b8pv4.pdf |