第3回全国校区・小地域福祉活動サミットin大津 その3 [2010年01月16日(Sat)]
第3回全国校区・小地域福祉活動サミットin大津
2009年11月18日(水)11:00〜17:30 大津プリンスホテル 大津市社会福祉協議会、NPO全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)他 第3回全国校区・小地域福祉活動サミットin大津の報告のその3です。 午後の科会分科会1−5「地域の元気づくりが地域福祉につながる」の続きです。 山口県岩国市のNPO法人ほっとにしきの後は、鹿児島県鹿屋市串良町にある蜥J集落(通称:やねだん)の公民館館長の豊重哲郎氏による事例報告です。 やねだんは、定額給付金の前に地域住民に配当金を出した集落があったということでフジテレビの「とくダネ」で取り上げられたり、麻生さんの演説でも取り上げられたこともあるそうです。 鹿児島県鹿屋市にある、人口約300人、約100世帯の集落である蜥J(やねだん)の取り組みについて、そこの集落の地区公民館館長でもある豊重氏が熱く語られました。 やねだんは、「行政に頼らない村づくり」ということで、年間4000人もの視察があり、国内だけではなく海外からも視察が来るそうです。 豊重氏の講演は、本当にいろんなヒントがありました。 焼酎の原料用のいもを集落全体で栽培し、「やねだん」ブランドで焼酎をつくり、年間300万円の売り上げ。 13年前、若い人が都会に出ていった時期、自主財源の確保を考えた。休耕地を活用し、地域住民総出でさつまいも作り。そこから焼酎造りをやっている。 また、米ぬか、黒糖で、土着菌で肥料・飼料作り。年間200万円の売り上げ。 その収入で、高齢者宅への警報機の設置や、集落内の子どものための学習塾(講師雇用)などを実施。余ったお金は各世帯に1万円給付。 他にも地域住民が総出でいろいろなことをやる(小学校の門柱づくり、花壇の整備、木の伐採)ことで、行政の補助金には頼らない地域づくり。 住民300名が子どもから老人までそれぞれの役割。 情熱のある人にはかならず人がついてくる。そういった思いでやってきた。 それでも人口流出は続く。 空き家が15軒あり集落のお金で改修して、若手の芸術家を受け入れたり、農業を目指している人の受け入れ。2年間で34名増え、現在の人口は314名。 補助金に頼らない地域おこし、感動の「むら」おこし。 「不」の項目をどうするか? 不満、不平など。 高齢者の体験知恵をどう引き出すか? 高齢者が畑に来てフルネームで呼んで一緒にやる。 子どもを引っ張り出すことが大事。 子どもに教えることで高齢者も元気。 地域づくりは、何を作るのかではなく、2年間は土台作り、人づくり。 いも、焼酎、土着菌、視察、加工品の5つの財源 集落の役職も報酬が出るようにしないと。公民館館長について、年間100万円の報酬を目指す。 あっち向いている人をこちらに向けるには? 高校生が感謝のメッセージを代読 感動を伝える仕組み 手を差し伸べるには高齢者だけでなく、子どもにも手を差し伸べる必要がある。 2年目からボーナス1万円がいらいないといってきた。その代わりに迎賓館の改修に作って芸術家を迎えてほしいという住民も。 ビジネス感覚と地域経営学を共有し、情熱で人を動かす 人間は誰でも社会に貢献できる力を与えられている。 他を向いている人を、どう「和」の中に入れていくのか、そこが大事。 NPO法人ほっとにしきの取り組みも、やねだんの取り組みも、それぞれの方法で地域づくりを実践していて、非常に参考になる内容でした。 印象に残ったのは、地域づくりは一つの手法や内容だけではなく、いろいろなものを実践して、小さな取り組みでも積み重ねていくことによって、それらがあわさって地域づくりのうねりになっていくということでした。 一つ一つの取り組みを見た時は、他の地域でも行われていることのように思えることも、一つの地域で行うことによって「地域づくり」というより大きなパワーになるようです。また、それらの取り組みの中には、地域のニーズにあわせて地域福祉もあります。地域づくり、地域福祉でカテゴリーするわけでなく、地域の必要なものを行っていくというスタンスが、地域の活性化にも、地域福祉の推進にもつながっていくんですね。 続く Workshop人にやさしく 山田泰久(ソーシャル系男子) |