立憲民主党の党首選が始まり、昨日、午後1時から、NHKで四名の立候補者による記者発表が行われた。 夜8時からは、フジテレビ「プライム二ュ―ス」にも、登場した。
今朝の全国紙の見出しや政治コラムでは、候補者の小物扱いや共産党を含む野党共闘路線が否定されず、外交政策で、責任政党要件を満たしていないと、選挙終盤に行った、与党と維新の「あおり宣伝」と同じくくりで、まとめている。
自民党の幹事長である甘利氏や、元幹事長の石原氏が、立憲の新人女性候補に、敗れ、結果として、宏池会の林氏が外務大臣になったこと等から、与党内派閥間で、軋みを生み出していると言われている。
立憲に対する野党統一の見直しを迫るアウェイ―報道が過ぎると、次期参議院選挙へのけん制、布石かと、与党の恐怖感を丸出しているようで、笑ってしまう。
候補者の四名は、マスコミ等の露出度は、圧倒的に少ないわけで、知名度こそ無いが、今回、厳しい記者質問や、キャスターのいじわるな質問に、冷静、沈着に答えていたし、逆に、質問の矛盾をつくところもあり、怯むところが無かった。
また、与党の様に、腐臭感が皆無で、健全そのもの、政権を担った民主党時代についた汚れも感じられず、枝野体制をリセットしていることに成功している。
特に良かったのは、外交では、「日米安保を基軸とする」と 全候補が明確に発信したこと。一人区では、野党統一なくして、与党の牙城を崩せないが、公党間の調整事項を、画一的に、各選挙区に降ろして、選挙を闘うことにせず、選挙区事情を反映した、多様性のある運動を進めて行くということを明言したことだと思う。(これが、一番、与党にはキツイ)
政権交代の前に、与野党伯仲の緊張感の構図が優先されるべきで、リベラルな理念・理想にもたれかかるのではなく、現実の政策成果を積み上げ、土着の党体質に改善することが、信頼を醸成することにつながる。
立憲は、リベラルから保守左派を包含した政党であることを、原点に戻り、強く、発信すべき。その先に、政権交代がある・・・等は、まさに、我が意を得たりだった。
リベラル色の強い野党、特に、共産党は、イデオロギー死守政党ゆえに、中央集権的で、画一的なトップダウンの政治活動を、好む。60年安保をリードした全学連の誇りを捨てきれない党本部幹部の前衛意識なのだろうが、今の日本、特に、物質的に豊かな時代に育った若者には、この党風に対し、忌避感が強いし、敬遠させる方向に作用する。これが、ネガキャンにより、増幅し、結果として、与党の横暴を許している。
伝統とは、古いものに固執するのではなく、草創の心は守りながらも、時代の変化に対応して形を変えて行く勇気をもつことである。
リベラル左派は、社会科学的理論も明確に持っているし、右派台頭による国民主権の抑圧、国家主義、国際紛争を武力で解決する流れを抑止するには、安全ブレーキとして、必要である。
しかし、現実政治を変えられなければ、ブレーキ効果も発揮できないし、国民の安全を守ることはできない。
与党が、権力、資金力を使って、大がかりな情報操作もする。その中で、良い意味での政治的狡猾さを持ち合わせなければ、太刀打ちはできない。
選挙区事情の多様性を受け入れつつ、国政選挙における野党連携を堅持する姿勢は、与党にとって、最も、壊したい、望まないものである。
残念ながら、与党自民党は、世襲議員が多数占める、権力者、富裕者の力を大きくする、新自由主義、グローバル主義的の資本主義政党で、多くの矛盾を抱えていても解決できないでいる。
今回の立憲党首選は、立憲の覚悟、立ち位置も明確になったし、層の厚さ、刷新力も示している。
圧倒的多数の穏健な市民(庶民)が、安心して暮らせる資本主義、民主主義政党としての野党第一党として、政策も、自民党と異なる部分も多い。
政策については、語る時間は、少なかったが、農政、原発、教育、ジェンダー等、グローバルな経済に対して、対局のものも多く、好感が持てた、
北欧の社会民主党的政党として、躍進する可能性を示したことは、喜ばしいことだ。