小さい苗を間引きます。
それは、肥料には限りあるので、与えても実りが少ない
ものは、経済効率から、間引かれます。
例外もあります。とても、貴重な種で、中々、育てるの
が大変な作物もあり、小さいものでも、高額で引き取つて
もらえる作物もあるのです。
自治体は、一つの生き物として、それぞれ特性を有して
いますが、人口が多い都市には、人、物、情報、資金が集
まり、絶えず、経済成長を志向しながら、生存しています。
平成の大合併で、財政効率の悪い小規模自治体は、激減
しましたが、北海道は、行政面積が大きく、合併によるス
ケールメリットが出ないと言う事などから、5000人未満
の小規模自治体数は、さほど、変化はありませんでした。
ただ、超高齢化社会と改善しない少子化により、自然消
滅すると思われる小規模自治体が多く、地球規模の異常気
象による自然災害の多発や、経済危機等が加わり、近い将
来、間引きが始まるのではないかと危惧しています。
このような時、外的環境変化を無視し、今が幸せであれ
ば良いと、変化にしなやかに対応し、果敢にチャレンジす
男性的本能を諫め、自らを慰めるだけの姿勢、座して死を
待つ姿勢は、女々しさの何物でもありません。
町民の誰もが、幸福を願っています。それ自体、どこの
自治体も、望んでいるものあり、否定されるものではあり
ませんが、間引きがはじまろうとしている時代、小さくて
も、貴重な種で、先駆的な試みを続けている町だから、残
して支援してやろうと、国や道、企業や全国民からサポー
トされるまちづくりを続けなければならないと思うのです。
お宝鑑定団という長寿番組があり、大好きです。
黒松内低地帯に眠っていたお宝を、教えてくれたのは、町
民では無くて、過去、70年に遡って地質や古代化石や、森
林、植物そして生物多様性の分野の著名な先生方です。
鑑定していただいたお宝を、大切に守りつつ、一部活用し
ていく取り組みが、ツーリズムであったり、食の開発だった
りで、その舞台づくりや、活動する人の育成が、町行政の役
割だと思います。
新しいお宝の発掘、そして、再生もあるでしょうが、お宝
を損なわない形の活動、そのすそ野を広げようと思えば、幾
らでもありますが、停滞しているように見えるのです。
福祉・医療は、人間だけの一時のセーフティーネットです。
整っていることにこしたことはありませんが、それをもって
して、お宝にはなりえません。
先進的な医療に取り組むなら別ですが他の都市に、いくら
でも優れたものがあるからで、交流人口の増に結び付かない
のです。
お宝に磨きをかけて、賢明な活用を図っていくこと、その
取り組む姿勢を対外的にアピールして、小さくても、輝いて
いる町だし、間引かないで置こうと、認知してもらうのです。
そう言った意味で観光協会の活動は、意味があると思いま
すが、肝心のお宝を磨く作業、新たなステージの脚本と舞台
を作る人が育って入ません。
福祉や医療施設の更新は、必要です。有事の際の災害弱者
救済、復興、民意安定の役割もあるでしょう。
しかし、それをもってして輝こうというのには、無理があ
ります。
100歩譲って、福祉・医療を核とした日本一幸福な町でも
良いでしょう。
でも、それなら、その施設を利用する人達は、平時、地元
民だけで、経営が成立する構造になっているのでしょうか。
利用負担や医療費が上昇し、年金などの抑制が叫ばれてい
る中で、利用可能な町民がどの程度いるのでしょうか。
団塊の世代がお世話になった以降、利用者が激減し、学
校の閉校のように、閉館を予測しなくても良いのでしょうか。
欧米のように、健康阻害要因の一つとなっている慣行農業
のあり方に、メスを入れる覚悟があるのでしょうか。
大きくなくても良いのです。
高速交通網に編入されることを見込んで、美しくデザインさ
れた極めて質の高い自然の中で、サテライトオフィスや研究機
関の誘致、水や貝化石等お宝の活用を含めた健康ビジネスや
再生エネ等に取り組むのです。
ブナセンターが森林療法に取り組むニュースは、日本の医療
に一石を投じるチャレンジです。そのことをワードに、学会誘
致や国際的フォーラムの誘致開催も期待されます。
また、奇跡の水とのコラボ研究もありかと思います。
先ごろ○○同盟という、自虐的なネーミングで締結した燐町の
首長さんが、○○湿原を再生するという野心を抱いているらし
いという噂を耳にしました。
流石、経営者ですね。バッチリ応援したくなりますし、寿都
の出し風を吹き飛ばすような風を吹かせて欲しいものです。
「井の中の蛙、ぬるま湯で眠って、おぼれ死ぬ」的思考で小
さくならないで、もっと、自信をもって大きく息を吸って、日
本に、世界に、かんたるお宝を活かしましょう。
そうすれば、きっと、間引の嵐に、耐えることができると思い
ます。
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