今朝の新聞に、函館本線の存続を求める住民の会
主催の「本線存続の意義と重要性を考える」と題した
講演の夕べ開催案内チラシが入っていた。
四半世紀以上前に、新幹線の着工スキームが、国会
で決まる前に、このような運動が、列車の利用向上運動
と抱き合わせで、行われていれば、賛同したかもしれな
いが、町内の通る新幹線トンネル工事が決定し、まもな
工事が始まり、札幌まで開通した暁には、並行在来線と
して、JR北海道から経営分離されることが確定している
のに・・・その真意は、理解しがたい。
北海道新幹線が開通してから、経済波及効果を受ける
のは、札幌とその周辺地域、そして、函館、大沼、倶知安
ニセコとその周辺であると思われる。
札幌については、ビジネス、教育・文化、医療、スポー
ツ、ショッピング、観光、レクと、東北以北最大の都市であ
り、交流経済圏は、北関東まで含む飛躍的な拡大が想定され
る。
函館・大沼は、どちらかと言うと、観光レクレーション
の場として、交流圏の拡大が著しく、宿泊キャパの不足か
ら、ホテル・コンドミニアムの建設が急ピッチで進められて
いる。
倶知安・ニセコは、アジアの国際リゾート地の一つとして
外資によるホテル・コンドミニアムが乱立気味で、開発計画
のコンセプトに統一感を欠き、バブル期の越後湯沢温泉スキ
ー場周辺、山梨の清里の開発を想起させる。
いずれも、筆者は直に訪れて滞在したが、現在は、廃墟の
感もある。
高いレベルの環境や景観規制のもとで、整備しなければ、
アスペン等、グレードの高い国際リゾート地には、対抗でき
ない。
その点が、気になるが、まあ、観光面に及ぼす新幹線効果
は、大きいと言わざるを得ないが、その分野だけでは限界が
ある。
北斗市の駅前を例に出すまでもなく、他の駅は、淡い期待
を持たず通過駅と考えた方が良い。
長万部駅等は、最たるものだと思うが、そもそも、駅ができ
るまで、町が持つか否かが問われている。
私鉄であるJR北海道は、新幹線も在来線も維持できる経営
計画は、持ち合わせてはいない。
新幹線が開業してからも、青函トンネルの巨額の改修費用
負担も必要だし、在来の黒字路線以外は、縮小・削減しての長
期経営計画を立てているはずだ。
JRの経営責任を求められる立場だったら、貴方ならどうす
る。費用対効果を考えたら、小学生でも解る算数問題だ。
そこで、残された町の今後の対応は、ただ二つ。
札幌圏から見て、週末通勤圏の候補地として、暮してみても良い
なあと思われる、自然豊かで美しい街並み、村並の田舎づくりになっている
かどうかだ。この点は、真狩、ルスツ、ニセコ等羊蹄山麓には、学ぶべき
事が多い。
現在は、町の観光誘導案内看板等や歓迎交流施設が朽ちている。
廃屋も増え、景観のブラッシュアップが停滞気味なようだ。
訪れる立場に立つと、見えるものがあるのだが・・残念だ・
わざわざ、長万部で下車して、本町を訪れるたくなるような本物
の魅力、それを再確認して、こつこつとブラッシュアップする。
北限のブナの里として、生物多様性の質に、極めて稀有で良質なもの
が、たくさんあるのだから、それを活用して、ツアーだったり、グルメ
だったり、慣行農法と区別した農法を試みたり、再生エネや、仮想通貨
じゃないけれどエコマネーを発行して、色々、やってみることも楽しい
と思う。
福祉と医療の連携は、喫緊の課題で、人材の育成も、重要であるが
福祉施設と関係職員は、人口構成から、サービス供給過剰となる時代
まで、15年はかからないだろう。
地域社会、経済が大きく依存しているが故に、今からポスト福
祉施設を考えておくことは、、リスク回避となる。
その方策を考え、新しい雇用・経済対策の創出に、真剣に取り組む必
要があるが、それは、民で無く、官の重要な役割なのだ。
函館本線の存続問題・・カビが生えているし、断捨離問題だけれど、
民だけに任せると、反対運動のための運動になってしまうことも多い。
もう、そろそろ、未来を見据えた本質的なテーマに、移ろうではな
いですか。
2018年10月11日
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近いうちにお邪魔しますね。手ぶらで・・・いろんな思いをサカナに、酒は互いに飲まないので、お茶でもすすりながら、って・・・まるで、老人ですな〜(笑)