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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


【病者の祈り】 [2013年10月29日(Tue)]
ニューヨーク・リハビリテーション研究所に掲示されている
「患者の詩」です。

大事を成そうとして
力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと
弱さを授かった

より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた

幸せになろうとして
富を求めたのに
賢明であるようにと
貧困を授かった

世の人々の賞賛を得ようとして
権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに
あらゆるものを喜べるようにと
生命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた

私はあらゆる人々の中で
最も豊かに祝福されたのだ
PISA責任者の提言 117 [2013年10月26日(Sat)]
TEDの講演を聞いた。いつも感心することだが、ここにア
メリカの凄さがある。年会費7,500ドルを支払ってTEDの
会員となり、講演会に参加するのだ。
激動する世界を解説する。現状を最もよく知っている人、
激務の中にある人。当事者を講師とする。最先端の学者・
技術者・研究者である。耳を傾ける人がごまんといる。
Sir Ken Robinson says schools kill creativity(2006)〔
学校は創造性を殺す〕は、13,409,417ビューだったのだ。
世界中で視ているのだ。これではかなわない。日本がんば
れ!日本の教育関係者の皆さん、TEDを見て下さい。

一級の講師、最前線で活躍している聴講者
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結果が公表されると、世界中の政策立案者や教育者・研究
者が動き出す。影響は全世界に及ぶ。
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1960年代は、たしかにアメリカが一番だった。
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しかし今は違う。全世界が追い上げている。後進国、低開
発国などと言う言葉はもうない。研究・技術で勝った国が
勝つ時代になった。
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金をかけたから良いと言うわけではない。生きたお金を生
かして使うことである。指標は、成績の優秀さと機会の平
等さである。全ての人間が生かされること、幸せになるこ
とだ。
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フィンランドは良い見本である。
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フィンランドは脳を生かした教育を積み上げてきた。医師・
医学者と教師が協力した長い歴史がある。私は「脳の原則8
カ条」を発表している。
       
         PISAの報告と分析

1 PISA責任者アンドレア・シュライヒャーはデータを元
にTEDでスピーチをした。
2 OECD加盟・15歳、読解力、数学知識、科学知識、問
  題解決力を調査、65の国と地域が参加。
3 成績が優秀なのはアジア、上海、韓国、シンガポール
  で韓国は二世代前は現在のアフガニスタンと同程度の生
  活水準だった。国として課題解決に成功した見本である。
4 各種データから『現在の世界はもはや裕福で教育レベル
  の高い国と貧しくて教育が行き届かない国に区別できな
  い』、後進国と言われてきた国がどんどん追い上げてい
  る。
5 成績の高低と学習機会の平等性との四象限に分けた。日
  本はニ象限、成績は高いが、学習機会は不平等である。
  社会的・経済的影響を受けやすいくにとなっている。
6 教員のサラリーもかなり低い。教員採用・養成も不十分。
  成功した国と正反対の現状にある。
7 「公平性と成績」で成果を出している国の共通点は、
  @ 教師の採用・育成に力を入れている。
  A 共同作業や専門性の向上を図っている。
8 良い学校は『設定する目標は高くても目の前の生徒に教
  えるべき内容は捉え易く』なっている。逆に悪い学校は
  官僚的で『大量の指導すべき事項を教師に押しつけ孤立
  無援で教室に配置』していた。
9 成功している国や学校は『みんなが納得し、今日の消費
  より明日の教育を重んじるように指導者が呼びかけてい
  る』。
10 日本は「今日の消費」を重んじている。経済を拡大し
  再分配を進めないと、更に経済的格差が広がり、教育
  機会の不平等を拡大する。社会を大きく狂わせる。
 「明日の教育」が危うい。教育制度はあきらかに制度疲
  労を起こしている。次々と矛盾が出て最悪の形を露呈
  しつつある。
11 教育を巡って、政治家、専門家、保護者、評論家まで百
  家争鳴で、方向性を定めることすら困難な状況である。
  社会として袋小路に追い詰められている感がする。
脳の原則8カ条 117-2 [2013年10月26日(Sat)]
      脳の原則8カ条
     
          脳科学教育研究所長 桑原清四郎

1 脳はオープンマインドである。    
 *脳が閉じれば閉じるほど、人格がゆがんでくる。表情も
  自然でなくなる。秘密が多ければ多いほど公明正大でな
  くなる。
2 脳は全体最適を求めて機能する。   
 *脳は全体で機能する。社会事象も全体で機能する。家長
  は家庭全体を考え、校長は学校全体を考える。市長は市
  民全体を考え、知事は県民全体を考える。当然国会議員
  は国全体を考える。組織の長が全体を忘れたら必ず組織
  はおかしくなる。
3 脳は相互補完で働く。   
 *目的と相互補完を忘れた時、個人も組織も機能すなくな
  る。強い者中心・弱いものいじめ、攻撃・排除が組織を
  破壊する。
4 脳の目的は「幸せ」である。   
 *脳は満足を求めて機能する。個人にとっても社会にとっ
  ても「幸せ」が目的である。当然、政治・祭りごとの目
  的は「国民の幸福度」を一歩でも上げることである。
5 脳は出力に依存する。   
 *脳は入力よりも出力に依存して発達する。入力しても出
  力しなければ回路として完了しない。読書したらメモ・
  感想を書く。一日が終わったら日記を書く。情報が書類
  のように積み重なって想起できなくなる。脳が錆つく。
6 脳はネットワークで機能する。   
 *家庭も学校も会社もネットワークで機能する。ネットワ
  ークが良い会社は業績が上がる。社員は生き生きしてい
  る。活気がある。フットワークもよい。仕事も早い。混
  乱や混線がない。逆の場合は大変、逆の現象が次々に出
  てくる。
7 愛が脳を活性化する。   
 *教育は愛!愛こそ教育、教育・人材育成の大原則である。
  テクニックがどんなに優れていても愛がなければ無に等
  しい。「よくできる」先生が、いつの間にか、子どもが
  嫌いになり距離をおき、子どもから離れていく。愛のあ
  る先生はどの先生も子どもを大事にし、粘り強く技術を
  磨き良い先生になっていく。   
8 脳はウソをつけない。   
 *脳はやったとおりになる。脳の回路を誤魔化すことがで
  きない。痕跡が残る。ヒトは生きた通り死んでいく。ウ
  ソをつけない時代がやって来た。ありがたい。 

 *合脳性が高いほど優れた人間になる。
 *脳の原理に合った行動が優れた人間を生む。合脳性が高
  いほど優れた人間になる。
 *何事も積み上げだ。私の「脳科学ブログ」のPV数は、今
  日現在42万6千であった。カウント方法がPV数に変わっ
  て1年半、その数の多さに驚いている。より真実な情報を、
  事実に即して発信すること。それが私の覚悟である。
海馬の場所細胞の活動 116 [2013年10月25日(Fri)]
NHK“試してガッテン”で場所細胞と記憶の問題を放送し
ていた。科学的発見を現場に生かすこと。これが重要で
ある。現場に生きる科学、科学を生かした現場。この連
携を本ブログはめざしている。
覚えられなくて困っている。記憶力で苦労している人が
多い。記憶が「場所とイメージ」によること。10個・
20個・30個の名前は簡単に覚えられるのだ。これは
子どもにとって、受験生にとって、大人にとって大きな
福音になる。

場所を覚える細胞がある。
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場所細胞は場所を正確に記憶する。
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場所と関連づけて記憶すると、場所を思い浮かべること
で自然に思い出せる。
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この研究を行ったのが理研の利根川進博士のグループで
ある。先生は免疫の研究でノーベル賞を受賞した。以後、
先生は脳科学、特に記憶に焦点を合わせ、研究を進めて
きた。その成果である。
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1 馬の細胞は、場所細胞とよばれ、動物が通過する位
 置に対応して活動する。例えば、場所細胞@はマウ
  スが迷路のスタート付近にいるときに活動する。●
  はマウスがその場所にいた時に細胞@が活動したこ
  とを示す。
2 統合失調症モデルマウスが示す海馬の場所細胞の異
  常な活動 動物が迷路を走り終わって休息している間
  に、海馬の場所細胞は、直前に迷路を走っていたと
  きと同じ順番で活動する。
3 これは、それまでの経験を記憶として定 着させるた
  めに、脳内でビデオ再生するように、場所細胞の活
  動を同じ順番で再現しているのである。ふつうのマ
  ウスでは、休息中に、直前までの海馬の場所細 胞の
  活動の順番がきちんと再現されていたが、統合失調
  症モデルマウスでは、この場所細胞の活動の順番は
  まったく再現されずに、異常に高いレベルでほぼ同
  時に活動していた。
4 下のグラフはそれぞれの場所細胞同士の活動のタイ
  ミングが、お互いにどのくらいずれているかを数値
  で示したものである。通常のマウスでは場所細胞同
  士の距離(縦軸)が離れるほど、タイミング(横軸)
  は大きくずれるグラフになる。ところが、統合失調
  症モデルマウスでは、場所細胞同士の距離に 関わら
  ず、同じタイミング(横軸0点付近)で活動してい
  た。
統合失調症と海馬場所細胞の活動 115 [2013年10月25日(Fri)]
1 統合失調症は、脳がさまざまな情報を統合することがで
 きなくなり引き起こされる精神疾患です。幻覚や妄想が
 あらわれたり、考えがまとまらないなどの症状が特徴で
 す。多数の発症原因があるとされていますが、根本的な
 原因は解明されていないのが現状です。
2 脳は休息時でも、特定の脳内ネットワークで一定の活動
 レベルを保っているといわれます。この、いわばアイド
 リング状態の脳内ネットワークのことを 「デフォルト・
 モード・ネットワーク」と呼びます。
3 近年、統合失調症や自閉症のなどの精神疾患の患者では、
 このネットワークのつながり方に異常があること が指摘
 されています。つまり、デフォルト・モード・ネットワ
 ークが、どのように情報を処理し、他の脳の領域と情報
 のやりとりを行っているのかを探れば、精 神疾患の患者
 の脳で、何が問題になっているかが解明できると考えら
 れています。
4 理研の研究チームは、このネットワークで中心的な役割
 を果たし、記憶にも深 く関わっている脳の領域「海馬」
 に着目しました。複雑な精神疾患の症状の原因を探るた
 めに、統合失調症に似た症状を示す遺伝子改変マウス(
 統合失調症モデ ルマウス)を作製して実験することにし
 ました。
5 研究チームは、統合失調症モデルマウスに迷路テストを
 させ、そのときの海馬の神経細胞の活動を、電気生理学
 的手法を用いて調べました。マウスが迷路 を走るとき、
 海馬の神経細胞はマウスが通過する位置に応じて活動す
 ることが知られています。これを場所細胞といいます。
 通常のマウスでは、迷路を走り終 わって休息している間
 に、直前に迷路を走ったときと同じ順番で海馬の場所細
 胞が活動します。
6 しかし、統合失調症モデルマウスでは、休息中に海馬の
 場所細胞 の活動の順番がまったく再現されず、さらに、
 ほとんど同時に場所細胞が過剰に高いレベルで活動して
 いることが分りました。このことから、海馬での情報が
 デ フォルト・モード・ネットワークの中で正しく処理さ
 れていない可能性が示されました。
7 今回の研究で、幻覚や妄想、思考の混乱などといった統
 合失調症の症状が記憶に関わる脳内ネットワークの機能
 異常と関連していることが分かりました。 この成果によ
 り、現在使われている統合失調症の薬や治療法の新しい
 解釈が可能になり、この疾患の創薬や新しい治療法の開
 発につながると期待されます。
性決定の「鍵」になる酵素発見 114 [2013年10月25日(Fri)]
1 雄になるか雌になるかの決定に重要な役割を果たす酵素
 を、京都大ウイルス研究所の立花誠准教授や理化学研究
 所などのグループがマウスで見つけた。生殖器に関わる
 先天性疾患の原因解明につながる成果といい、米科学誌
 サイエンスで6日発表する。
2 哺乳類の性は、胎児の性染色体の組み合わせで決まり、
 X型とY型だと雄、X型同士だと雌になる。ただし、Y
 染色体にある性決定遺伝子Sryが十分に働かないと、
 Y染色体を持っていても雌として生まれる。
3 グループは、マウスの成体の精巣に多く存在する酵素
 (脱メチル化酵素)Jmjd1aに注目。折り畳まれ
 たSryの「留め金」をはずし、働く状態にする役割
 があることを突き止めた。
4 この酵素ができないマウスで実験すると、Y染色体を
 持って生まれた58匹のうち、33匹は卵巣のある雌
 になり、14匹は生物学的に雌雄の判断ができなかっ
 た。
5 性染色体や生殖器、性ホルモンに関わる疾患(性分化
 疾患)はさまざまあるが、「Y染色体を持つのに女性
 の生殖器を持つなどの生殖器の疾患に、この酵素の異
 常が関係している可能性がある」(立花准教授)とい
 う。
運動に薬と同等の効果 113 [2013年10月23日(Wed)]
運動に薬と同等の効果

1 運動は薬と同じくらい冠動脈疾患や脳卒中などの予防に
 有効だとする研究結果を英国と米国の共同チームがまと
 め、10月1日付の英医学誌BMJに発表した。
2 チームは、冠動脈疾患と脳卒中、心不全、血糖値が高い
 「前糖尿病状態」に対する薬や運動の効果を調べた30
 5の研究をまとめて分析し、薬と運動で死亡率に違いが
 あるかどうかを比べた。
3 その結果、冠動脈疾患の再発予防と前糖尿病状態の予防
 については、薬と運動の効果に違いはなかった。
4 脳卒中のリハビリ中の人への効果では運動の方が薬より
 も有効との結果が出た。
5 心不全では、利尿剤の方が運動よりも有効だった。
痒みの脳内メカニズム解明 112 [2013年10月23日(Wed)]
 痒みを想像しただけで痒くなる脳内メカニズム解明

1 痒みの画像をみただけで痒みが想像され、痒くなる。他
 人の痒みを見たり、痒みを想像したりすると、痒くなっ
 たり、体を掻いてしまったりする。
2 生理学研究所の望月特任助教、柿木教授は、ハイデルベ
 ルグ大学と共同で、痒みを見たり想像したりすると、島
 皮質と大脳基底核の機能的なつながりが強化され、それ
 が原因で掻きたくなるという現象が起こる可能性を明ら
 かにした。
3 痒みを想像させる写真を見せたときの脳の活動を、fM
 RIを使って調べました。その結果、痒みを想像できる画
 像を見たときには、情動をつかさどる島皮質と運動の制
 御や欲求をつかさどる大脳基底核の活動の間で相関性が
 高まることを明らかにしました。
4 島皮質と大脳基底核の機能的なつながりが強化され、そ
 れが原因で掻きたくなると考えられる。
5 望月助教は、「抑えられないほどの掻きたいという欲求
 の際には、今回発見した島皮質と大脳基底核の機能的な
 つながりが強くなっているものと考えらる。もしこのつ
 ながりを上手にコントロールできれば、アトピー性皮膚
 炎などで問題となっている制御困難な掻破欲求・掻破行
 為を制御する新たな治療法開発につながることが期待さ
 れます」と話している。

睡眠の深さ10分で判定 111 [2013年10月20日(Sun)]
1 理研・徳島大は睡眠の深さなどを約10分で判定できる
 手法を開発し、マウスを使った実験で有効性を実証した。

fig2.jpg

2 理研生命システム研究センター(神戸市)の砂川玄志郎
 は「大量の動物を使った短時間の判定が可能になり、睡
 眠メカニズムの解明に応用が期待できる」と話している。
3 開発した「ファスター法」は、脳波と筋電図のデータを
 特徴ごとにあらかじめ分類したり、分析する脳波の周波
 数帯を大幅に広げたりすることで自動判定できるように
 した。
4 データの目視確認を省略し、時間も短縮した。マウスを
 使った実験では90%以上の確率で睡眠の深さを判定し、
 有効性を裏付けた。
5 睡眠には深い眠りで脳と体が休んだ「ノンレム睡眠」と、
 浅い眠りで脳が活動している「レム睡眠」がある。覚醒
 を加えた睡眠状態の判定は従来、脳波と筋電図を人が目
 視で確認。判定に1〜2時間かかり、間違う可能性も避
 けられなかった。
「自閉症のマウス」遺伝子変異 110 [2013年10月20日(Sun)]
1 遺伝子の異常が発症に関係する可能性がある。
2 「CAPS2」は、神経回路の発達や学習機能の調整に
 関わるタンパク質「BDNF」の分泌を促す役割を持つ。
3 CAPS2欠損マウス:
  @ 初めて見る別のマウスに近寄らない傾向がでる。
  A 不慣れな飼育ケージでは行動量が落ちる。
4 変異マウスの脳細胞を調べたところ、BDNFの分泌量
 が落ちていた。
5 自閉症は:
  @ 主に遺伝的要因により発症する。
  A 関係する遺伝子は100近くある。
6 CAPS2以外の遺伝子に異常がある場合も、BDNF
 の分泌に変化が生じるとみている。
7 自閉症の一部患者にCAPS2の部分的な欠損があるこ
 とは判明していた。
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