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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


埼玉県教育長関根郁夫先生を表敬訪問 [2013年08月31日(Sat)]
8月30日、脳科学者・加藤俊徳先生、元川口市学校教育部
長南勇先生と3人で、埼玉県教育長関根郁夫先生を表敬訪問
した。左から桑原・関根・加藤・南
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表敬訪問は、のっけから浦和高校の実践からはじまった。こ
れはなんですか?興味しんしんの加藤博士。
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生徒に贈った葉書のメッセージカード、ファイルに閉じられ
た折々の文面、生徒を思う熱愛がビンビン伝わってきた。
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引き込まれる加藤博士、博士の目つきを見て欲しい。探し求
める目・追い求める目、真剣勝負の目である。最も優れた教
師である関根先生と最先端を歩む脳科学者加藤博士、火花が
散る。東大合格46名の浦高生の脳の中で何が起こったのか。
実践と脳科学の対話・検証であった。
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関根教育長が話す一言一言が脳科学がぴたり一致している。
当然のこととはいえ感動的でした。
1時間半、汲めどもども尽きない「脳科学と教育」の対話、
加藤先生は、「2万人の脳を見てきた。脳は分った。今や
実践の段階に入った。賽は現場に投げられた。」という。
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関根教育長発のメッセージ「自助・共助・公助」、関根
教育行政の第一弾である。読売新聞「関根・新教育長に
聞く」で記事化された。反応が大きい。インパクトが強
い。秘書がすぐデザインし名刺化したという。来客への
対応、身のこなし、感性、優れた秘書であった。さすが
県である。
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奥さまへどうぞ。加藤先生から関根先生に著書2冊が送
られた。美しい奥様が益々美しくなりますように。脳が
動く・細胞が動く・全脳が働く・表情がよくなる・美し
くなる。いいですね。
DSCN9988.JPG

汲めどもつきない教育の話、1時間半にも及んだ「教育
と脳科学」、6時になった。お礼を言って県庁を去った。
7時02分、加藤先生は仙台行きの新幹線に乗った。
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先生の旅は続く。関根教育長の旅も続く。我々の旅も続く。
脳科学教育学のすすめ [2013年08月31日(Sat)]
明日から9月、いよいよ2学期の開始です。ご健闘を心より
祈ります。私の願いは、脳科学の知見が現場で活かされるこ
とです。現場が「燃える研究者集団」になることです。お上
からの指示命令によってではなく、自校の子どもたちに責任
を持つこと。子どもの幸せに向かって燃える愛・熱愛の研究
者集団になることです。
どなたか「脳科学の知見を生かした教育」を引き継いで下さ
い。一歩踏み出して下さい。下記は川口・芝中央小が研究を
開始する際の基調講演メモです。本研究によって芝中央小は
「日本とフィンランド教育プ ロジェクト」に発展しました。
現今の研究は、根幹を忘れ、細部にこだわり、隘路に迷い込
んでいます。細かすぎます。ダイナミックな教育活動を展開
して下さい。知・徳・体のフレームを広げて下さい。グロー
バル化の時代です。世界に通用する教育、世界に貢献する教
育を生み出して下さい。結果的に「学力テスト」は必ず好成
績になります。やった学校は100%成績UP、証明済みです。
脳が全開する実践を生み出して下さい。
      
     ―脳科学の原理と教育への架橋―
               桑原 清四郎

1 脳の仕組みと機能・働き
(1)脳の仕組み
 @ 脳幹
 A 大脳辺縁系(扁桃体・海馬・側座核)
 B 大脳新皮質
 C 前頭前野
(2)神経伝達物質
 @ ドーバミン
 A セロトニン
 B ノルアドレナリン
(3)機能・働き    
 @「新しい脳」が発達している人間
  ・進化の最先端
  ・爬虫類脳から哺乳類脳、霊長類・ヒト脳など全部含ん
   で人間
  ・シナプス発火・結合・増強(LTD) 
  ・長期増強の3つの特徴
  ・特異性(興奮したものだけ強化する)
  ・協同性(全部刺激)
  ・連合性(組み合わせ)
 A 脳の役割は「知・情・意」   
  ・知・・・中心溝から後半、脳全体の約60% 後頭葉
   15%、頭頂葉20%、側頭葉25%
  ・情・・・脳幹の最前部、古い脳で大脳辺縁系と呼ぶ。
   脳全体の5%、情動の中枢
  ・意・・・前頭葉 脳全体の35%、促進と抑制のバラ
   ンス、意思の中枢
 B 高度な働きをする連合野
  ・全ての体験知識は感覚や知覚の組み合わせで起こる。
  ・純然たる感覚野・運動野・視覚野は少なく大半は連動
   野
 C 明らかになった大脳の役割分担
  ・大脳皮質は機能ごとに分類
  ・全身地図 ・脳地図 ・音地図 
 D 円柱状(コラム)にまとまっている機能
  ・更に細分化して機能ごとに分類
  ・円柱コラム構造、直径1ミリ以内 0.8ミリ程度が多い。
  ・6層構造 入力は4層、出力(運動)はX層とV層
   皮質間連絡はV層、古皮質と原皮質では6層を形成し
   ない。発生過程でも6層をとることはない。
 E 脳の働きは脳波でわかる。
  ・脳はニューロンの集合体  
  ・活動は電気現象を伴う。光トポ、血流、脳波、MRI、
   fMRI、PET
  ・α波とβ波が重なると痴呆状態を示す 
  ・α波・・・落ち着き 出来上がった神経回路の日常的
        な活動状況を示す。
  ・β波・・・活動中・興奮 
  ・θ波・・・眠気 樹状突起の細かい枝がどんどん伸び、
        つなぎ変えている状況を示す。
  ・δ波・・・深い眠り 遺伝子プログラムに従って神経
        回路がどんどん発現する状況。
 F 画像情報は前頭前野(PQ)に行かない。
  ・ワニ脳回路にとどまる。動物脳や哺乳類脳の回路にい
   かない。
 G 人間、特に子どもの教育は、「脳全体を育てる」こと
   が重要、前頭前野に偏っては不十分です。
2 脳科学の知見を教育に生かす原理
(1)脳はスポンジ、どんどん吸収する。
(2)脳は二進法法、やるかやらないか、暑いか寒いか、
  「生ぬるい」は脳が混乱
(3)脳は思った方向、願った方向に伸びる。脳は刺激で発
   育する。刺激がないと育たない。
(4)脳はネットワークである。シナプスが人格をつくって
   いる。
(5)シナプスは発火し、結合し、増強する。
(6)授業をするに当たって子どもに言っていること。
   @がばっつと喰らいつくこと。
   A脳みそ絞りをすること。頭が痛くなるほど・・・
   Bどんどん書くこと、どんどん発表すること。
3 脳科学と教育の架橋ー実践のヒントー
(1)脳は開放系である。
(2)経験の束がその人である。「君の人格は君のニューロ
   ンである。」
(3)情動が大事、「知・情・意」でななく、「情・意・知」
   の順である。
  ・脳幹(生きている)価値系回路が重要
  ・大脳辺縁系ー情動の中枢ー(たくましく生きる)
  ・大脳新皮質ー知性の中枢ー(かしこく生きる)
  ・前頭前野ー人間性の中枢ー(人間らしく生きる)
   を一体としてとらえることが大事である。
(4)愛され可愛がられないと育たない。
   ー『愛は脳を活性化するー松本元博士ー』
  ・側座核は愛情・安心・意欲、扁桃体は快・不快・自己
   防衛
  ・虐待と脳の萎縮・発達障害と脳(残存能力を生かす)
(5)ニュロン・樹状突起は使えば伸びる。使わないと衰え
   る。
(6)教育の目的は情動のコントロ−ルである。前頭前野の
   開発とも言える。
  ・我慢中枢・思いめぐらし中枢・人間関係中枢などがあ
   る。
  ・扁桃体や視床下部からの本能や情動を前頭前野を使っ
   てコントロールする。
  ・教育の要締は意志を鍛えること。
(7)脳は進化の所産、最高傑作である。
  ・ヒト脳に生命38億の歴史が込められている。
  ・脳・体・遺伝子が三位一体で今の自己を創っている。
   脳細胞から自己の総体へ
  ・シナプスが人格をつくる。
(8)実践の優劣は、活動が脳の機能と順行していること。
  ・脳に順行するとうまくいくし、逆行すると脳が混乱を
   起こし人間がダメになる。
(9)回答は脳に隠されている。探り当てるのがプロの仕事
  ・脳は自動回答発見機・成功が成功の元、小さな成功を
   繋げていこう。
  ・what回路・How To回路・Why回路
(10)指導要領は脳の中にある。
  ・指導要領は日本の教師が生み出した最高の財産
  ・いずれにしろ子どもに合わないのは成功しない。
(11)教職の専門性とは、脳の回路を探り当てることである。
4  研究との関わり
(1)研究主題
   「子どもが意欲的に学習し、自ら学力を高める教育課
    程の研究」
     ―脳科学と教育の関連を重視した指導の工夫―
(2)授業の基本は
 @ 課題のイメージ化ー大脳新皮質ー 
 A アレゴリズム(解法の手順・方法)の明確化
   ー海馬・扁桃体・側頭葉ー
 B トレニングによる習熟化ー小脳・大脳基底核・脳幹ー
   の3つである。
(3)「意欲と感動」を生むために
 @「教育は愛」愛されなければ、安心が生まれない。安心
   がなければ意欲はわかない。
 A 扁桃体は、好き嫌いを支配し、側座核は安心と意欲を
   うむ。安心のない所に教育は生まれない。
 B 意欲が高まると意欲満々の「やる気」がでる。 
 C「やる気」は脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質の3つが連
   携して強力に起こる。脳幹が出発である。
 D「やる気」の妙薬は成功体験・「ヤッター体験」である。
   感動は成功体験から生まれる。
 E 小さな成功体験を積み重ねることが大事。成功が成功
   を生む。
 F 脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質を一体のものとして捉
   え鍛え、育むこと。
 G やる気を起こさせる7箇条
  ・褒める。
  ・目的意識や目標を強く持つ。
  ・対象などを好きになる。
  ・快感を味わう。
  ・集中力を高める。
  ・適度な運動を心がける。
  ・十分な休息をとる。(質のよい眠りや休息) 

*読者の皆さんへ
  質問は 次へどうぞ
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 A メール:tarougorou@coral.plala.or.jp、
 B 048−255−8938
全国の先生方へ「テンポのよい授業づくり」を! [2013年08月31日(Sat)]
いよいよ2学期が始まります。子どもを活かし・先生を活か
し、個人を活かし・集団を活かす。そんな実践です。参考に
して下さい。学力テストの結果が発表されました。点数は大
事、順番も大事、どうして良くなったか・良くなっているか
知ることはもっと大事です。先生方の健闘を祈ります。
  
      テンポのよい授業づくりの工夫
                  桑原 泰樹
(1) 言葉を削る。
   教師の言葉は多すぎる。言葉を10分の1に削れ!指
   示や説明の言葉を短くする。発問・指示を明文化し、
   削りに削って、そのシナリオで模擬授業をしてみる経
   験が必要不可欠。
(2) 説明しない。
   説明しない方が子どもに分かりやすい。説明があれば
   あるほど、長ければ長いほどついて来られない子が増
   える。説明なしでも授業は成立可能。向山型算数では
   『説明しない』がキーフレーズ。指示と発問だけで授
   業を組み立てる。
(3) 遅い子を待たない。
   遅い子を待っていると、いつまで経ってもそのペース
   が変化しない。「待たない」からこそ、全体のスピー
   ドが早くなる。 走りながら遅い子に追いつかせる感じ
   である。
(4) ほめて行動をてきぱきさせる。
   教師のペースについてきている子をほめる。
   全体がよい行動に導かれる。それがリズムを生む。よ
   い雰囲気も醸し出す。集団全体がやる気に満ちていく
   のである。このことは、テンポのよさにもつながって
   いる。現に、テンポのよい授業は、ほめ言葉がたくさ
   んちりばめられている。
 
 脳科学の知見が生かされている。始めから終わりまで脳の
 働きに順行している。成功しないはずがない。是非全国の
 教師が追試をしてみて欲しい。
脳の適応能力は終生なくならない 48 [2013年08月31日(Sat)]
脳の適応能力は減弱しても終生なくなることはないことが
分った。「学ぶ人・活動する人はいつまでも若い」その通
り!!経験的に分っている。経験的事実に科学的根拠を与
える。共有化の基盤になる。根拠なく彷徨う教育に根拠を
あたえる「脳科学教育学」を出発させたい。

1 プルキンエ細胞は、NMDA型グルタミン酸受容体を持
 たない例外的なニューロンである。その代わり、もっ
 ぱら興奮の伝達機能だけを行うAMPA型グルタミン酸受
 容体(注3)だけを持ち、P/Q型カルシウムチャネルとい
 う別の分子を使ってカルシウムイオンを流入させるとい
 う。二段階の戦略をとる珍しいニューロンである。
2 ある一部の登上線維のみに神経トレーサーを取込ませて
 標識する一方、全ての登上線維をある分子マーカーを利
 用して標識する。赤い神経トレーサーを取込んだ登上線
 維は緑の分子マーカーとも重なって黄色の融合色となっ
 て光り、神経トレーサーを取込まない登上線維はそのま
 ま緑に光る。
3 プルキンエ細胞が黄色か緑どちらか一方の登上線維だけ
 で支配されていたら単一支配であり、両方の色の登上線
 維が混在していたら多重支配と判別できる。
4 驚いたことに、観察したほとんど全てのプルキンエ細胞
 に、複数の登上線維による多重支配が見つかった。これ
 に対して、P/Q型カルシウムチャネルを持つ通常のマウ
 スでは、ほとんど全てのプルキンエ細胞できれいな単一
 支配パターンが確認された。
5 これらの所見に基づき、P/Q型カルシウムチャネルは、
 主要な1本の登上線維の支配を強化し他の余剰な登上線
 維を排除する、まさに登上線維の刈込みに関わる中心的
 な分子であると結論した。
6 「三つ子の魂百まで」の本質は、グルタミン酸の働きに
 よる年少期のシナプス刈込みであるといえる。
7 強い回路をより優勢にさせ、弱いものを除去もしくは抑
 圧するという過酷な競争原理が働いている。しかも、その
 競争は年少期に起こりやすく、その重要性は「小さな子に
 は旅をさせよ」とか、子供に習わせるべき「読み書きそろ
 ばん」として古くより認識されてきた。
8 大人になっても脳の適応能力や可塑性は失われない。現在
 の脳科学は、「加齢に伴い脳の適応能力は減弱しても終生
 なくなることはない」ことをも、次第に明らかにしている。
登上線維の刈込みと円滑な運動機能 47 [2013年08月31日(Sat)]
     登上線維の刈込みと円滑な運動機能

1 バレル形成におけるシナプス刈込みをもっともよく研究
 されてきたのが小脳プルキンエ細胞に投射する登上線維
 の刈込みである。
2 プルキンエ細胞は立派な樹状突起を持つことで有名なニ
 ューロンである。
3 この樹状突起に、登上線維と平行線維という2種類の入
 力線維がシナプスを形成し、運動制御のための情報処理
 を行っている。
4 プルキンエ細胞あたり、10万本の平行線維がシナプス
 を形成し、これから実行する運動情報と実行後に生じた
 感覚情報(筋の収縮度・関節の屈曲度)をプルキンエ細胞
 に伝える。
5 一方、登上線維は、運動の修正に必要な誤差信号を伝え
 る。1本とはいえ、つたのように樹状突起に巻きついて数
 百ものシナプスを形成して大量のグルタミン酸を放出する
 ため、登上線維の活動は支配するプルキンエ細胞に対して
 強い興奮作用を及ぼす。
6 登上線維の役割は、しばしば「教師的」と表現される。
7 それは、運動の計画と結果の間に誤差が生じると、その原
 因となった不正な平行線維シナプスを抑圧することで、よ
 り目的に沿った運動へと軌道修正させるからである。余計
 な筋収縮はボールをリングからはずす。ピアノを上手に演
 奏させない。
8 練習や訓練を繰り返すことで、登上線維による抑圧作用が
 不必要な筋活動を減少させ、楽器演奏やスポーツの技能が
 向上する。めいめい勝手に活動すれば、正しい活動を行う
 平行線維シナプスまで抑圧され、歩行・姿勢・眼球運動な
 どに重篤な運動障害が起こってしまう。
直径4ミリの「脳」作製 46   [2013年08月31日(Sat)]
直径4ミリの「脳」が作製された。

1 iPS細胞から直径約4ミリの立体的な脳組織を作るこ
 とに成功した。(オーストリア・英国チーム)ネイチャ
 ー電子版
2 脳組織には大脳皮質に似た構造や髄膜などが含まれてお
 り、複雑な人間の脳の一部を形作った画期的な成果。脳
 の成長が滞る小頭症の患者のiPS細胞からも脳組織を
 作り、発達異常が起きる ことを確認した。
3 脳が出来上がる仕組みを調べたり、人間の脳に特有な病
 気の仕組みを解明したりすることにつながる」
4 実験用の人間のiPS細胞を神経系の細胞へ変化させ、
 ゼリー状の物質の中に入れて培養。4日後、培養液の入
 った容器に移し、液をかき混ぜながら、さらに培養した。
 すると神経系の細胞への変化を始めてから2カ月で、直
 径約4ミリの脳組織に成長した。
5 この脳組織には、大脳皮質と同じように細胞が層状に重
 なった構造が見られた。
6 記憶をつかさどる海馬の細胞や、目で光を感じる網膜な
 ども含まれていた。
7 ただ各部分の位置や形は本来の脳とは異なり、全体の大
 きさは10カ月間培養を続けても直径約4ミリより大き
 くならなかった。脳組織の中央部では、酸素や栄養が行
 き渡らず細胞が死んでいた。
8 一方、小頭症患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を
 同様に培養したところ、発達に異常がある脳組織ができ、
 症状を再現できた。人間のiPS細胞からはこれまでに、
 腸や腎臓や膵臓の一部、小さな肝臓などの立体的な組織
 が作られている。
がん増殖阻む化合物を特定 45 [2013年08月30日(Fri)]
私の友人・金子健二(東北福祉大教授)は58歳の時、肺
がんで亡くなった。本年2月 義母も肺がんで亡くなった。
肺がんは私にとって天敵である。医学者が肺がんを追いつ
めて下さることは本当に有り難い。

     がん増殖阻む化合物を特定

1肺がんなどのがん細胞に多く、その増殖に必要なタ ンパ
 ク質「MDK」(ミッドカイン)の発現を阻害する化合物
 「iMDK」を特定、マウス実験で効果を確認した。(川
  崎医大・深沢)
2有効な分子標的薬(抗がん剤)がない肺腺が んの一種を
 はじめ、MDKがみられる他のがんやリウマチにも効く薬
 剤の開発につながる可能性がある。
3肺がんの50%以上を占める肺腺がんでは、原因となる遺
 伝子異常の解析と分子標的薬の開発が進展。しかし、アジ
 ア人患者の15%程度、白人の30%程度が持つ遺伝子の
 一つ「KRas」の変異で生じる同がんに効く標的薬は開
 発されていない。
4グループはKRas変異による患者のがん細胞に多く、正
 常な細胞にはほとんどないMDKに着目。共同研究先の米
 シンシナティ大が新薬開発などに向けて保管する化合物4
 万4千種から、MDKの活性を最も抑制する1種を絞り込
 み、iMDKと名付けた。
5マウスの実験では、iMDKを投与しない一群(8匹)は
 10日間でがんの体積が6倍に増大。一方、週に3回投与
 した一群は1・5倍にとどまった。
6MDKは肺のほか、肝、腎、膵臓や食道、胃、前立腺など
 のがん細胞、リウマチなど慢性疾患でも見られる。iMD
 K研究を進め「より効 果の高い分子構造への改変や他の化
 合物と併用した場合などを検証、新たな分子標的薬を創る
 ことが目標である。
加藤医師と吉野研究員の発見@ 44 [2013年08月29日(Thu)]
     加藤医師と吉野研究員の発見

1 脳の働きを非侵襲に計測する方法として近赤外分光法
 (NIRS)がある。
2 加藤俊徳医師が1991年に原理を発見し、1993年
 に論文発表した技術、脳血流などの血液動態のダイナ
 ミックな変化を観察する手法として注目されてきた。
3 実際の神経活動と比べて、血液量の変化はゆっくり・
 広範囲で生じるため、いつ、どこで活動したのかを、
 正確に診断することが難しかった。
4 加藤医師は1993年以降、自らこの問題解決に乗りだ
 し、2001年米国において、血流動態の位相に着目する
 ことで脳細胞の酸素消費の時間と場所を特定する方法
 「COE解析法(別名ベクトルNIRS法)」を開発し、
 特許化した。吉野研究員は2003年より、この手法をさ
 らに拡大して、臨床応用する研究に着手してきた。
5 今回、言語理解を司るウェルニッケ野においてヒトが
 単語を聞いたときに、本人の意思に関わらず、自動的
 に微弱な酸素消費が生じることを発見した。
6 この微弱な酸素消費は、長年、脳科学界でも検出が難
 しいとされてきた「Initial dip(イニシャル・ディップ)
 」という生体反応(脳が活動したことを示す微弱反応)
 と酷似しており、今回、脳血流変化では検出できない程
 わずかな酸素消費を頭皮上から検出することに成功した
 ことになる。
7 1秒程度の単語を受動的に聞いている間に、酸素消費が
 生じたかどうかを判定することで、本人が何も意思表示
 をしなくても単語の意味を知っているかどうかが分かり、
 さらに未学習の単語の意味を学習すると、その直後には
 単語を聞くだけで酸素消費が起きたことを確認した。
8 この研究によって、ベクトルNIRS法は、微弱かつ高速
 で生じる酸素消費をこれまでよりも高確率で検出し、言
 語処理などの高次脳機能の検査法として活用できること
 が確認された。
9 脳機能イメージング研究の進展に大きく寄与することが
 期待される。加藤医師と吉野研究員は脳疾患や発達障害
 によって意思表出が難しい人にも適用できる精度の高い
 脳機能診断法の確立に取り組んでいる。
海馬回旋遅滞症A 43 [2013年08月29日(Thu)]
     海馬回旋遅滞症

1 海馬が何らかの情報に触れることで、海馬とつながった
  様々な脳番地が成長していく。
2 海馬自体を鍛えるより、海馬とその周辺の脳番地を積極
  的に伸ばす方が効果が上がる。
3 発達障害には「知的機能:Intelligence(I)」と「コミ
  ュニケーション:Communication(C)」がある。
4 両方が著しく遅れると自閉症を呈する。(ICの遅れ)
5 一方だけならば知的障害(Iのみ)か軽度発達障害(Cの
  み)となる。
6 知的障害とコミュニケーション障害の重複は、大脳皮質
  ではなく、扁桃体から海馬につながる辺縁系に特異な病
  巣があるせいである。海馬とその周辺領域です。
7 大脳皮質の脳番地発達と組み合わさって、様々な症状と
  して表面化する。
8 海馬回旋遅滞症は3つの型にわかれる。
9 脳のMRIを利用して、左右の海馬の回旋角を計測する。
10 海馬回旋遅滞症がどこに起きるかによっても、症状が変
  わってくる。
吉野加容子慶応大学博士論文・抄訳B 42 [2013年08月29日(Thu)]
海馬回旋遅滞症 について吉野加容子は博士論文にまとめ、
慶応大学に提出、学術博士の称号を得た。大學の紀要に
のった抄訳を紹介する。

1 海馬は海馬溝を巻き込みながら胎児期から生後に急速
 に発達する脳の器官である。この海馬回旋のプロセスが
 完了せず、その形状が遺残した海馬回旋遅滞は、てんか
 んや広汎性発達障害との関連が指摘されている。

2 海馬構造を明瞭に描出できる高磁場3テスラMRIを使用
 し、成人の海馬とその周辺の形態特徴を明らかにした。
 従来の海馬回旋角を含む11指標で、海馬回旋が同側海馬
 周囲の形態発達に影響していることが示された。

3 小児だけでなく、成人にも認められた海馬回旋の発達ス
 ペクトラムは、11の定量指標で評価できることが示唆さ
 れた。
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