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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


「脳の学校セミナーC」吉野先生 [2013年01月28日(Mon)]
*やぶ用のため2週間も発信できず、申し訳ありせんでした。
3番手は吉野加容子先生、脳の学校チーフリサーチャー、慶應
義塾大学SFC研究所上席所員。脳の学習と発達(成長)のメカ
ニズムについて研究中。脳の活性化を計測するNIRSの解析法
や、発達障害の原因ともなる海馬回旋遅滞のMRI研究も行って
いる。また子どもの学習支援やカウンセリング等を実践。専門
領域は、脳科学、子どもや成人の発達障害、臨床発達心理士。

隠岐の島出身、子どもと教育に関心を持ち研究するうちに加藤
先生と出会い「脳科学を生かした教育」に打ち込むようになっ
た。今回の演題は≪脳と発達≫ 酸素と血流で見る“脳が伸びる
脳の使い方”~脳は“波”の理解で深まる~であった。
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脳の成長は、遺伝などの素質より日々の実践「脳の上手な使
い方」の方が大切です。脳の使い方の上手・下手で脳の発達
は大きく違ってきます。遺伝や環境の善し悪しはあります。
発達障害もあります。にもかかわらずやり方が良ければ必
ず+の成長曲線を描きます。吉野先生はその実証者です。研
究成果を踏まえ、話された講演の筋は次の通りでした。
 @ 深刻な社会人の発達障害を疑ったら、まず脳を見る。
 A MRIでみた発達障害の海馬と子どもの言葉の遅れとは?
 B よい咬合もとよい呼吸も、脳の計測でわかる。
 C 1.5秒でみえる理解する力ベクトル法NIRS脳計測とは?
 D “うまくいかない脳サイクル”にハマらないための教育法
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脳の発達は脳の配線である。配線の有無、回路の効率性であ
る。幼児の脳と小児の脳は大きく違う。真っ白だった脳に白
質(軸索の束)が木の枝が育つように大きく育ってくる。成
人の脳は更に太く大きくなっている。今までは見えなかった
脳の成長がこのように可視化される時代になった。成長には
旬と順序がある。しかも脳の局在(脳番地)によって一人ひ
とり、発達の様相が違ってくるのだ。
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脳の成長の法則:経験が脳の低酸素を生み出し、細胞が酸素
を消費する。枝が成長し、ネットワークが育つ。枝ぶりがあ
るから酸素を使いやすい。酸素を使うから枝ぶりが育つ。
結果的に、枝ぶりはその人の習慣を形態化する。
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海馬回旋遅滞が発達障害と大きくかかわっている。扁桃体異
常はコミュニケーション障害をおこす。海馬異常は認知・学
習障害をおこす。扁桃体と海馬の両方が異常になると障害も
両方が起こる。加藤博士が発見し、吉野研究員が実証研究を
進めている。貴重な仕事である。
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まだ社会に知られていない海馬回旋遅滞症。大人の発達障害
の原因の1つ。勉強はできても社会適応が困難。本人も悩み、
親も悩む。一般の病院では原因がわからない。病名も認知さ
れない。診断さえされない。混乱が混乱を生む。困ったこと
だ。吉野先生によると、次のような相談が多く、共通して海
馬回旋遅滞があると言う。
 @ キレる。支配的な言動が強い。
 A 几帳面すぎる。
 B 不器用で散らかす。
 C KY・人を怒らせる。
 D ミスが多い。
 E 時間管理が苦手である。
 F 金銭管理が苦手である。
 G パニックになる。劣等感にとらわれる。
 H うつ気味である。 
 I 引きこもる。依存症と言われる。
 J 感情や注意が散漫である。
 K 建前が苦手である。
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近隣の病院・医院でうまくいかない場合は「脳の学校」に問い
合わせてみたらどうだろうか。
http://www.nonogakko.com/company/kato.html
「脳の学校セミナー報告D」加藤先生 [2013年01月07日(Mon)]
「脳の学校セミナーD」加藤先生
本セミナーの主催者加藤博士はヒト光脳機能計測法の第一発見
者である。1991年、まだ若い医師・医療者・研究者であった。

近赤外線を脳に散乱・拡散させ、光機能画像法(NIRS-magin
g)を実験的に証明した。論文はMRIの祖Professor Paul C. L
auterbur (2003, Nobel Laureate in Medicine)(米国)の目
にとまり、指導を受けることとなった。博士は2003年ノーベル
医学生理学賞を受賞者した。

以降、技術開発は飛躍的に進み、脳酸素交換機能画像法へブレ
ークスルーを起こした。日本で生まれた新しい脳活動計測法と
して、世界中で用いられるようになった。次々と重要な発見を
し続ける加藤博士の真価・貢献を知る人はまだ少ない。
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スポーツ少年だった14歳、記録向上を目指し練習に打ち込ん
でいたある時、「脳だ!脳に秘密がある!」と直感、スポー
ツから学問へ進路を変え、脳を知るために医学部を目指した。
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進学した医学部には「脳の研究」はなかった。あったのは病
気の研究、脳の「病巣」医学であった。期待外れであった。
知りたいのは脳がどうなっているのか。どうはたらくのか。
どのように発達するのかであった。病気でない脳をみたい、
研究したいという少年時代の夢は果たされなかったという。

医師となり臨床医としての格闘が始まった。正確な診断・的確
な治療を求め、寝る間もない忙しさだったと言う。研究者とし
て論文にまとめ学会に発表、10000人の脳を診たと言う。

医学の現状、脳の真実を知らない人々の不幸、自分の使命、初
志の実現を目指し、「脳の学校」を設立した。
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「脳は経験して成長する臓器」「その人の経験・体験が全て刻
み込まれている臓器」、「乳児の脳」と「聖人の脳」の写真を
見せながら発達する人間の姿を説明した。可視化が勝負、可視
化できなければ説得力はない。

国民は本当のことを知りたいのである。普通の人だって知りた
い。ましてや原因不明の病気を持つ人、発達障害の子を持つ親
など切実である。「脳の学校」は「人生を診る脳医療の確立」
を目指していると言う。
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脳は使った通りに発達する。使い方でも違いが出てくる。勉強
すれば、誰でも脳は発達する。ただし、やり方が上手だと成績
は良く伸び、やり方が下手だと効果が出にくい。違いが出てく
るのだ。

左側は「成長した枝ぶり」、右側は「未熟な枝ぶり」である。
先生は、良く育った木と枯れた木を示しながら、枝ぶり=神経
線維の配線構造の重要性を解き明かした。
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脳の機能は、運動・視覚・聴覚・理解・発話・記憶・感情・思考の8つの領野分けられる。しかも発達には旬がある。旬を生かした活動が脳教育の原則、運動は(0歳〜10歳)、視覚・聴覚はは10代、発話は20代、記憶は30代、理解は40代、感情・思考は50代が旬だという。
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脳科学教育学の基盤ができる。空周りのない教育の基礎、現場の教師が長く待ち望んできた道が切り拓かれようとしている。有り難い。期待している。現場で実践・検証したい。 

「脳の学校セミナーB」荒井先生 [2013年01月07日(Mon)]
2番手は荒井正明先生、えんどう桔梗こどもクリニック理事長、昭和大学小児科兼任講師、専門は小児科学、抗加齢医学、特に肥満治療、禁煙支援、運動療法に力を入れている。

私たちは健康寿命を長くすることにより自分のしたいことのできる自由で創造的で楽しい時間が増え、介護という家族の負担を減らことができます。物理的加齢をとめることはできませんが、不適切な生活習慣による病的加齢を方向修正することは可能です。脳は高齢になってもなお発達する機能をもっていますが、実際には中年以降に老化が最も進行して機能が障害された臓器がその人の健康寿命を決定します。脳をいつまでも発達させるために、脳以外の臓器の機能を正常に維持することが必要です。そのための食事、運動、防煙、睡眠、メンタルコンディショニングの方法について解説します。

【教育講演のトピックス】
 @超高齢化社会と医療経済の状況
 A子どもの食習慣と運動習慣が大人の生活習慣病を生む
 B疾患の危険因子と病態の悪循環を断つ方法
 C病的老化を予防する生活習慣
 Dこれから求められる健康な生き方とは?








【現 職】医療法人社団えんどう桔梗こどもクリニック理事長(医師、医学博士)
     昭和大学小児科兼任講師
【経 歴】昭和55年昭和大学医学部卒、同大学小児科勤務
     昭和61年昭和大学付属豊洲病院勤務
     平成8年えんどう桔梗こども クリニック開業
【専 門】小児科学
     抗加齢医学:肥満治療、禁煙支援、運動療法

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明けましておめでとうございます。 [2013年01月01日(Tue)]
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
       平成25年 元旦
        桑原 清四郎

 6:00 まだ暗かった。西の空に月が浮かんでいた。
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 6:40 ラジオ体操が終わった。野本会長が新年のあいさつをした。
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 6:45 終わると酒で乾杯をした。
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今年も元気でいこうぜ!80歳といっても若い!
ガッツポーズで気合を入れる。
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大急ぎで土手を登った。大勢の人が日の出を待っていた。
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しかし、濃い雲が邪魔をしていた。太陽が上がってきたのにス
ッキリ見えない。残念!しかたがない。周囲を見回すとほとんど
人がいなくなっていた。私もとぼとぼと家に帰った。
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元旦、神社の人出はどうだっただろうか。
お寺はどうだっただろうか。
教会はどうだっただろうか。
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