• もっと見る

脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


5月の活動報告 [2012年05月31日(Thu)]
 5月は忙しかった。
5日:連休を利用して長野から4人の孫が遊びに来た。3階の屋根
裏部屋、子どもにとっては秘密の基地であった。楽しくってたまら
ないようであった。

 8日:川口市南保育所に遊びに行った。本当に楽しかった。午
前中があっという間に過ぎた。元気に遊ぶ子どもたちの姿は、脳
科学研究の最高の臨床研究である。
IMG_7744-2.JPG

 9日:カトリック横浜山手教会みこころ幼稚園保護者講演会「脳科
学に学ぶ子育て」であった。1862年創立、日本最初の教会、脳科
学もまだ黎明期、鎖国化である。主任司祭・園長は飯野雅彦神父
IMG_7946-4.JPG

 9日:日テレ「スッキリ!“褒めの効用徹底解明”」に出演した。私
の持ち分は「強化学習」であった。
IMG_4015-3.JPG

 9日:撮影前デレクターA450枚を使ってミニ学習会を持った。「ど
こからでも質問して下さい。」「いい番組をつくってください。」
IMG_6229.JPG

 12日:「脳の学校」OECデモンストレーションである。脳測定は、
最早血流量ではない。酸素消費量である。より正確に脳活動を測定で
きる時代になってきた。被験者はお医者さん、まず自分からである。
IMG_8226-5.JPG

 13日:退職校長会総会 栗原会長が県会長になり、浅香正男先生が
川口市会長に就任した。名前の如く筋の通った正義の先生、男丈夫で
ある。
IMG_8334-6.JPG

 14日:川口工業高校定時制1年で講演「我が青春と脳科学」であっ
 た。後日アンケートと感想メモ文が届いた。
@ ためになりましたか。 ◎15人、○19人、△5人、×3人 
A 脳科学に興味を持ちましたか。◎13人、○11人、△12人、×7人
 △×の生徒からのメモでもほとんどが肯定的であった。
 ・ とてもいいけいけんになった。ありがとう。
 ・ 脳はとても大切なものだと思いました。
 ・ やったようになる。学んだ分だけ賢くなる。脳はネットワーク
   ・・・心に残った。
 ・ Thank You 
 ・ とくにない。でもご協力ありがとうございました。
 *矛盾の中にある高校生にすこしでもお役にたてて良かった。
IMG_8485-7.JPG

 19日:川口スキップシテーで、映画「切支丹悲話を追って」と講演
:歴史悲話「埼玉キリシタン物語」を聞いた。講師は元中央大学教授
 清水紘一氏であった。  
IMG_9027-8.JPGIMG_9517-9.JPG

 25日:六本木スカイタワービル49で「理研・中国科学院30周年
記念講演会」に参加した。日中最高の科学者達であった。挨拶は理
研から野依理事長、中国科学院から白春礼院長であった。記念講演
は日本5人、中国5人、通訳なし・全て英語、いずれも最先端研究の
報告であった。中国科学院の30年は想像を絶する発展である。
 日本の科学者にたいする感謝と尊敬は心を打った。
IMG_9632-12.JPG

 26日:川口市立原町小学校の運動会を見学した。素晴らしい運動
会であった。次の予定があったので10時で帰った。学校はいい。子
どもたちはやっぱりいい。すこしでもお役にたちたい。
IMG_9889-11.JPG

 27日:TOSS埼玉親学セミナーで講演した。場所は熊谷さくらメ
イト、演題は「脳科学の知見を生かした学校づくり」であった。
IMG_0038-1.JPG

 27日:「教育は愛 愛こそ教育」である。教育の出発であり、教
育の終点である。ここを離れていかなる教育も意味をなさない。子ど
ものため・祖国のため・人類のためにこの身を燃やし尽くしたい。
IMG_0044-1.JPG

 29日:川口工業高校職員研修会で講演をした。全日制・定時制合同
研修会であった。演題は「学校が変わる 子どもが変わる脳科学ー脳
科学の知見を生かした指導」であった。約80分、経験と研究の全て
を賭けて話した。願いは子どもの幸せである。
IMG_0311-10.JPG
授業研究のために「脳科学の知見を生かすC」 [2012年05月28日(Mon)]
1 記憶力を高める:
  漢字・日記・作文など、書くことを繰り返すと、脳の多くの部分
 を一度に使う習慣がつき、記憶を引っ張り出す回路が鍛えられて、
 記憶を取り戻す力そのものもアップします。ウオーミングアップ活
 動で計算12%、音読36%向上の結果も出ています。

2 生きる:
  脳はアバウトのものです。人生もアバウトです。授業もアバウト
 の部分をもちます。アバウトの部分で自分独自の回路を作ります。

3 記 憶:
  側頭連合野の働きです。入力情報を統合し、記憶回路にしまいこ
 みます。記憶のコツは五感を総動員することです。手を使って書く
 ことです。記憶し、想起することで回路は回っていきます。 

4 社会性の発達:
  生理的欲求と社会的欲求がベースです。太い2本の幹です。根幹
 です。ここから全てが生まれます。食欲、運動欲、睡眠欲と合わせ
 て、親子関係欲求・兄弟関係欲求、友達関係欲求が必須です。
  縦割りの仲良し遠足・仲良し遊び・仲良し給食・仲良し清掃は重
 要です。大事なのはやり方・方法です。何事も過度はダメ、弊害が
 出ます。

5 大脳皮質に占める割合は?:
 「大人の大脳皮質は、前頭葉(運動・思考)約40%、後頭葉(視
 覚野)17%。頭頂葉(感覚野・空間)21%、側頭葉(情動・記
 憶)21%です。ニューロンは100億です。子どもの場合は前頭葉
 の運動部分、後頭葉の視覚部分、頭頂葉の感覚部分から発達します
 。前頭連合野は遅れます。
  小脳・脳幹・辺縁系のニューロンは1000億です。脳は占める
 領域が多いほど、ニューロン数が多いほど大事です。新皮質だけ育
 てようと思ってもバランスを書くのです。無理なのです。

6 教師の覚悟:
  覚悟がつかないとダメ、腰がふらついたらだめ、指導はできない
 。効果も上がらない。「馬鹿クラス」などと口走る教師がいるそう
 ですがます。とんでもないことです。子どもの不幸は絶対許さない
 !できない・分からない子を放置しない・見捨てない。この決心が
 子どもを生かし、学校を生き返らせます。

7 自発性:
  どのニューロンも自発性を持っています。自発性がニューロン発
 達の原理です。子どもも自発的に活動するのです。しないのは、抑
 制されすぎているからです。抑制を外してやれば自ずから動き出し
 ます。脱抑制が大事です。睡眠不足・朝食ぬき・ストレスは強いマ
 イナスの抑制をかけます。
  教育の場では、禁止・禁止、ダメ・ダメは有効ではありません。
 逃げ道をつくり「赤とまれ!ただし、右折OK」で導きます。

8 心の病は脳の病い:
  全ての病気や障害は「心と体と脳」の問題として考えられていま
 す。特に心の病は脳の病いとして捉えられるようになっています。
 お医者さんの中には、患者さんの訴えに「気のせいですよ。どこも
 悪くありません」という人がいます。「痛い・苦しい・何か変だ」
 というのが症状なのです。何かがあるのです。原因を探り当てるの
 がお医者さんの責務です。教師も同じです。

9 個 性:
  全ての病気や障害は「心と体と脳」の問題として考えられていま
 す。特に心の病は脳の病いとして捉えられるようになっています。
 個性も高次機能もニューロンの配線とシナプス・伝達物質の増減に
 依拠します。遺伝・環境・本人のチョイスによります。一人として
 同じ人間はいません。

10 強化学習:
  ドーバミンが出ると嬉しくなるのです。褒められるとドーバミン
 が出るのです。気分が良くなるのです。回路が回り出します。前か
 らの回路が強められ、太くなります。回りのニューロンに伝染・伝
 播します。どんどん学習が進みます。

11 小さな一歩・大きな躍進:
  小さくとも大きくとも成功体験が大事です。小さな成功体験を一
 つ一つ繋げていくことです。必ず大きな躍進に繋がります。成功が
 成功の元です。失敗は子どもにとって意味がありません。

12 精読・多読:
  教科書の精読は大事です。精読は新皮質の働き、多読は脳幹・大
 脳辺縁系系の働きです。国語でも教科書だけでは実力はつかないは
 ずです。1学年・2学年下のすらすら読める本をどんどん読ませる
 のが大事です。英語でも精読だけでは実力がつきません。暗記・暗
 唱で覚えたら、すらすら読める本を大量に読むことです。精読・多
 読で実力がつきます。精読で神経をすり減らしたら、多読に進めま
 せん。多読しないとものになりません。
  ICUや獨協が英語教育成功の見本です。上智大学も成功していま
 す。
 
13 脳の栄養失調:
  エネルギー源のブドウ糖、髄鞘のもとコルステロール、セロトニ
 ンの材料トリプトファンは特に重要です。具体的には「ま・ご・た
 ・ち・わ・や・さ・し・い」「豆類・ごま類・卵類・乳製品・わか
 め類・野菜類・魚類・しいたけ類・いも類」です。
14 脳の活性化:
  「脳の学校」の加藤博士は、先端研究を踏まえ、脳の活性化には
 「糖・酸素・経験」が必須といっています。脳の配線は「経験」の
 結果なのです。良い経験が最も良い脳の栄養なのです。悪い経験は
 脳を悪くするのでしょう。

15 親子の会話:
  親と子のかかわりが子どもの脳(心)の90%を決定します。脳
 細胞はいやしや愛情で増加するのです。愛情が安心を生み、安心が
 意欲を生みます。意欲が活動の源です。芝中央小ノートで強調して
 いるのはそのためです。

16 いい加減!:
  「いい加減」には2種類あります。相手に少し心配かけるのは良
 い「いい加減」です。心痛をかけるのは悪い「いい加減」です。子
 どもは親に少しは心配をかけても仕方ないのです。

17 一歩一歩方式:
  教育のほとんどは一歩一歩の活動です。しかし、脳の動きは2段
 跳び、3段跳びもあるのです。授業でも上手に生かせば効果がでる
 はずです。説明過多は混乱を生みます。

18 50m走が向上:
  運動神経のバロメーターは50m走です。なかなか向上しません。
 遺伝の影響も強いのです。しかし、切れ味の良い運動を増やすこと
 で可能性がでてきます。本校では1・3・4・5年でかなりの向上
 が見られました。

19 寸劇の効果:
  伝達の効果はイメージ化に比例します。講義5%、お話15%、
 見せる20%、寸劇60%くらいでしょう。先生方がやる寸劇の効
 果は絶大です。

20 右側歩行、コーン活用:
  コーン一つで動きが変わってきます。歩行が滑らかになってきま
 した。混乱が無くなってきました。OKです。右側歩行は考えてや
 るものではありません。古い皮質が無意識のうちにやっているので
 す。考えてやる新皮質の仕事ではありません。
  習慣は第二の天性、無意識にやることは無意識に任せよう。コー
 ン一つでOK 一言「やり直し」効果大です。これも無意識の世界、
 理屈の世界ではありません。

21 何を求めているのか?:
  これがはっきりすれば、答えも式も芋づる式にでてくるはずです。
 条件を確認すれば、足し算か・引き算か、掛け算か・割り算かすぐ
 浮かんできます。答えは質問に正対させます。「合わせると何リッ
 トルですか」「答えは八分の七リットルです」答えでイメージをび
 しっと締めます。単位の間違いなどなくなるはずです。どなたか試
 みて下さいませんか。

22 ケアレスミス:
  昔から現場教員の悩みの種でした。何か方法があるはずです。注
 意力を育てればいいはずです。脳科学的には空間感覚をみがくこと
 から始めたらよいと思う。What回路よりもWhere回路です。
  どこ? どこ? どこに書いてある?どこに書く?どこ・どこで
 追い込んでいくのがいいと思う。思うに毎日の板書うつしはどうだ
 ろうか、同じ場所に・同じ行に・同じ文をかく。分かっているから
 脳も乱れない。混乱もしない。注意力はつく。  

23 想起・連想:
  記憶は脳から「出して使ってなんぼ」です。使わなければものに
 なりません。さびつくだけです。夏―海・雲・サ−フイン、海―魚
 ・船・漁師、サ−フインー波・しぶき・ヨットと連想していきます。
 1個をつなげる「しりとり方式」では効果薄です。1語から3つ以上
 広げてください。

23 記憶回路・情動回路:
  記憶回路と情動回路は連動して働きます。記憶回路だけ回そうと
 しても無理です。ドーバミン活性の情動回路がベースです。記憶回
 路だけ良くしようとしても脳の構造上無理なのです。これらが順調
 に回れば、小学校の勉強なんて簡単なものです。固まったりフリー
 ズしたりしたらもうだめです。

24 一番大事なことは何か:
  ニューロンの伝達速度は違います。ゆっくりの人も早い人もいま
 す。大事なことはニューロンが繋がるかどうかです。繋がればよい
 わけです。ポイントは、五感を生かす+イメージです。イメージが
 浮かべば、足し算か引き算か、掛け算か割り算かも自ずから分かり
 ます。イメージが浮かばない子はあてずっぽうの式を書きます。イ
 メージ力を育てることが最重要課題です。

授業研究のために「脳科学の知見生かすB」 [2012年05月27日(Sun)]
1 脳科学の広がり:
  医学、生命科学、情報科学、人文科学から社会科学まで含む広
 い分野の「総合科学」になっています。心理学や認知科学と結び
 つき、ニューロ倫理学やニューロ経済学、ニューロ政治学まで生
 まれ活況を呈しています。2002年ノーベル経済学賞はカーネ
 マン博士の行動経済学研究でした。

2 ウオーミングアップ:
  全ての活動で大事です。一日の開始、授業の開始、作業の開始
 などです。本番前の予備練習です。何もしないときに比べると脳
 の機能は10〜15%アップします。
  脳の回路を回す予備練習です。課題は誰でもできる簡単なこと
 に絞ります。2・3分でも十分効果があります。百マス、音読な
 どは有効です。
 
3 反社会的行動:
  MO遺伝子の異常が、反社会的行動の原因です。DNAは、「人
 が喜ぶことをする」ように組み立てられています。ところが、栄
 養不足や睡眠不足、不安や不満、いじめや虐待、不適切な指導な
 どのストレスや欲求不満が重なると遺伝子を傷つけ、「人が嫌が
 ることを平気でする」ようになるのです。良く育った人は意地悪
 になりません。

4 人間の原型は「性善説」:
  元来、人間は「性善説」でできているのですが、弱さや遺伝、
 生育環境や意識・無意識の選択によって人が嫌がることをしてか
 えって自分の脳を傷つけてしまいます。
  戦争という人殺し問いう“最大の罪”さえ、合法的にやってしま
 います。「性悪説」が消えないのも分かりますが、蔓延るのはも
 ったいないこと、残念なことです。「原罪」や「悪業」は難しい
 問題です。欠損した脳回路の結果が「性悪説」の根拠です。
  現実の社会は性善説・性悪説を両極にその間を揺れ動いている
 ようです。

5 お手本:
  「一見は百聞にしかず」です。先生が模範を示し、続いてその
 通りやらせます。脳の中で視覚野が占める割合は一番多く、一番
 発達しているのです。それを使わない手はありません。
  体育朝会でも「右回り90度、90度」「さあやってみましょ
 う」「次は左回り90度、90度、90度、90度」「今度は1
 80度回り・・・」お手本を示すと効果が倍増します。

6 目標時間:
  「校庭一周“20秒!”」というだけで、体が反応します。ただ
 「校庭一周」「集まれ」や「集合」だけでは、空間回路だけの指
 導です。時間回路の目標も与えることが大事です。「時間・空間
 」はセットとして大事です。

7 説明する:
  説明は記憶を正確にします。分かっていることと分かっていな
 いこと、あいまいなことが明瞭になります。 文章題などでも、
 答えは瞬時にでます。式も立ちます。しかし、説明は難しいので
 す。脳の高次機能、特に前頭前野の働きだからです。小学校の中
 ・高学年から説明の回路を発達させたいものです。理由は?わけ
 は?と切り返していくことが大事です。

8 ヤッタ!達成感:
  注意力の乏しい子でも、答えがあってヤッタ!と叫んだ時、報
 酬系から快感を生み出す神経経伝達物質が出ます。ドーバミンが
 大脳皮質全体を駆け巡り、達成感を湧き起こしていきます。
  「成功が成功の元」です。「失敗は成功の元」は子供には通じ
 ません。短期の報酬予測にしか反応しないからです。将来を見通
 して今苦労できるのは大人です。子どもは“今”に生きるのです。

9 習熟のクラスわけ:
  クラスわけは先生がします。日常の学習態度やプレテストで実
 態がよくわかるからです。授業を進めながら子どもの変容に合わ
 せて微調整します。子どもの意欲の流れを見極めながら、時機を
 見て替えていくのです。
  機械的はダメ、固定化はもっとダメ。子ども気持ちは大事にし
 ないと効果が上がりません。

10 自分を知る:
  脳の高次機能なので難しいのです。大人でも難しい。子どもは
 なおさらです。小学生時代、特に10歳くらいまでは先生に言わ
 れたことをやる段階です。子どもが自分を知るには、できた作品
 を見せあったり、比べあったり、可視化してあげてはじめてでき
 ることです。前頭連合野は未熟なのです。無理をしてはいけませ
 ん。髄消化がまだまだなのですから。

11 ずばり聞くのが大事:
  文章題では、ずばり求めていることは何ですかと聞く。課題が
 わかると前頭連動野が解決に向かって働き出します。ずばりは辺
 縁系の働き、理由やわけは大脳新皮質の役割です。「ずばり」を
 活かしながらわけを探っていくのが順序です。

12 時間感覚:
  低・中学年の「時刻・時間」は「すっきり教えて習熟させる」
 のがコツ。9:30から10:00まで30分、10:00から
 11:00まで1時間、だからかかった時間は1時間30分。
  時間感覚は時計遺伝子の発現です。生活の中で時間・時刻に関
 心を持たせること、体験学習が基盤になります。

13 問題を読む:
  算数はイメージが勝負です。出発です。「問題文を読みなさい
 」とただ指示しただけでは、読んでいない子が2・3割も出てし
 まいます。読むことはイメージすることです。課題をくっきり掴
 むには脳をフルに使ってイメージすることです。視覚・聴覚を十
 分使い、口の中で呟きながら、しっかり書けばほとんど95%は
 OKです。答えも式も浮かんできます。

14 脳の配分:
  脳領野の配分は生存にとっての重要性に比例するのです。重要
 な所ほど広い場所を占めています。軸策も太くなっています。配
 線は緻密になっています。太いほど・多いほど大事なのです。
  しかも脳全体は脳幹・辺縁系・大脳皮質と3層の立体構造にな
 っており、木に例えれば、幹・枝・葉の順に影響力が強いのです
 。脳幹が一番、二番は辺縁系、3番目が大脳新皮質です。脳幹と
 辺縁系で90%も占めており、大脳新皮質は「すいかの皮」のよ
 うに脳表面を覆っているに過ぎません。
  「早寝・早起き・朝ごはん」「テレビ・ゲームは時間を決めて
 ほどほどに」「外遊び」「仲良し遠足」「ピン・ピタ・グー」「
 もくもく掃除」などはみな脳幹や辺縁系を鍛えるためです。ここ
 がよく発達すれば、必然的に勉強はよくできるようになります。

15 左利き:
  左利きは脳にとって有り難いことです。両手を自由自在に使い
 右脳左脳をフルに使うからです。特に左手は右脳を活性化し、イ
 メージを豊かにします。
  東大生の25%は左利きです。日本人の平均は5%です。

16 相手意識:
  相手のことを思い浮かべながら手で書く作業は前頭前野の多く
 の部分を働かせます。漠然と書くだけでは脳は活性化せず、イメ
 ージ豊かな作品はできません。脳を全面展開させ、相手によく伝
 わる作文を生み出したいものです。

17 漢字の覚え方:
  覚える段階では、お手本をよく見て、「強く・しっかり・丁寧
 に」書くことが基本です。覚えるまでは何回でも継続して練習す
 ることです。覚えたら少し早めに書くほうが脳の働きを活発にし
 ます。単漢字よりも熟語、しかも生活に密着した熟語のほうが脳
 を活性化させます。
  脳は放射状に広がります。語彙数も放射状に広がります。脳に
 とって難しい漢字、易しい漢字などという区別はありません。習
 っていようがいまいがどんどん覚えます。フラッシュカードも効
 果的です。

18 右手に鉛筆、左手に定規:
  「右手に鉛筆、左手に定規」これが算数授業の鉄則です。左手
 をどんどん使うことです。

19 忘れる:
  昨日覚えたばかりの算数の通分を今日は「忘れている」という
 ことが多くあります。脳の機能から考えると、「忘れる」のでは
 なく「思い出せなくなる」のです。
  一度つながった回路がなくなることはありません。回線が細す
 ぎて電気が通りにくいか、帰宅後にやったテレビやゲームの情報
 が多すぎて通分の情報が埋もれこんで出てこないことが考えられ
 ます。すぐに思い出せるためには、
  @ 復習をして回路を太くする。
  A 脳にとって不要・有害な刺激を入れない。
  B ぐっすり寝る。
 
20 睡眠:
  睡眠はとりわけ重要です。入力情報を寝ている間に分類・整理し、
 叱るべき記憶ポケットに入れます。それだけではありません。睡眠
 は一日分の脳配線の混乱・混線をリセットしてくれます。熟睡しな
 ければ一日が終わりません。新しい一日の出発もできません。

21 考える:
  パソコン作業や一生懸命考えごとをしている時、脳全体が働くの
 ではありません。実際は脳の一部を使っているだけで体全体・脳全
 体を使っているわけではありません。特に前頭前野はたいして働い
 ていません。可能な限り広い領野を使い、活動とともに記憶させる
 のが得策です。思索も行動と一体で進みます。
  京大には「哲学の道」があります。カントは決まった道を、決ま
 った時間に、歩きながら思索してそうです。ましてや子どもです。
 「考える時間」を5分も10分も上げるのはムリ・ムダがあります
 。

22 前頭前野の働き:
  「前頭前野」は「脳の中の脳」といわれ、思考・記憶・創造・コ
 ミュニケーション・自制力などをコントロールしています。トレニ
 ングによって発達します。鍛えれば鍛えるほど、イメージを豊かに
 し、創造力や記憶力を高め、我慢力まで強くなります。私は経験上
 「我慢中枢」「思いめぐらし中枢」「人間関係中枢」と言っていま
 す。有田秀穂先生は、「前頭前野の4つの働き」として、「意欲脳
 」「共感脳」「集中脳」「切替脳」を挙げています。

23 生きる:
  脳はアバウトのものです。人生もアバウトです。授業もアバウト
 の部分をもちます。アバウトの部分で自分の回路を作ります。キッ
 チリきっちり厳密に計画してもうまくいきません。脳はアバウトに
 対応できるようにできています。

24 記 憶:
  側頭連合野の働きです。入力情報を統合し、記憶回路にしまいこ
 みます。記憶のコツは五感を総動員することです。手を使って書く
 ことです。記憶し、想起することで回路は回っていきます。

25 記憶力を高める:
  漢字・日記・作文など、書くことを繰り返すと、脳の多くの部分
 を一度に使う習慣がつき、記憶を引っ張り出す回路が鍛えられて、
 記憶を取り戻す力そのものもアップします。 

26 社会性の発達:
  生理的欲求と社会的欲求がベースです。太い2本の幹です。根幹
 です。ここから全てが生まれます。食欲、運動欲、睡眠欲と合わせ
 て、親子関係欲・兄弟関係欲、友達関係欲が必須です。縦割りの仲
 良し遠足・仲良し遊び・仲良し給食・仲良し清掃は重要です。
  大人の大脳皮質は、前頭葉(運動・思考)41%or30%、後頭
 葉(視覚野)17%。頭頂葉(感覚野・空間)21%、側頭葉(情
 動・記憶)21%です。子どもの場合は前頭葉の運動部分、後頭葉
 の視覚部分、頭頂葉の感覚部分から発達します。

27 自発性:
  ニューロンは万遍なく自発性を持っています。自発性が原理です
 。子どもも自発的に活動するのです。しないのは、抑制されすぎて
 いるからです。抑制を外してやれば自ずから動き出します。脱抑制
 です。睡眠不足・朝食ぬき・ストレスなどが抑制をかけます。禁止
 ・禁止、ダメ・ダメも抑制をかけます。
  「赤とまれ!ただし、右折OK」と走る方向を示してやるのです。

28 個 性:
  だれでももって生まれた個性があります。得手・不得手、得意・
 不得意があるのです。でも、誰でも自分の個性を伸ばすことができ
 るのです。そのコツは褒めることです。その場ですぐに褒めるので
 す。親や教師は褒めるアスリートになって欲しいです。他人と比べ
 るのは個性を知るためだけです。育む方法発見が大事です。

29 奇跡の強化学習:
  ドーバミンが出ると嬉しくなるのです。褒められるとドーバミン
 が出るのです。気分が良くなるのです。回路が回り出します。前か
 らの回路が強められ、太くなります。回りのニューロンに伝染・伝
 播します。どんどん学習が進みます。

30 小さな一歩・大きな躍進:
  小さくとも大きくとも成功体験が大事です。小さな成功体験を一
 つ一つ繋げていくことです。必ず大きな躍進に繋がります。成功が
 成功の元です。失敗は子どもにとって意味がありません。

31 精読・多読:
  教科書の精読は大事です。精読は新皮質の働き、多読は脳幹・大
 脳辺縁系系の働きです。国語でも教科書だけでは実力はつかないは
 ずです。1学年・2学年下のすらすら読める本をどんどん読ませる
 のが大事です。英語でも精読だけでは実力がつきません。
  暗記・暗唱で覚えたら、すらすら読める本を大量に読むことです
 。精読・多読で実力がつきます。精読で神経をすり減らしたら、多
 読に進めません。多読しないとものになりません。
  ICUや獨協が英語教育成功の見本です。上智大学も成果を挙げて
 います。学問が実践に活かされています。日本語教育でも成功して
 います。

「脳科学と教育」実践報告集 [2012年05月23日(Wed)]
実践報告集「脳科学の知見を生かす」を掲載します。
 これは平成17年、当時の森教頭が日々の実践メモをまとめ職員に
配布したものです。貴重な資料です。
IMG_7411.JPG

IMG_7412.JPG

IMG_7413.JPG

IMG_7414.JPG

IMG_7415.JPG

IMG_7416.JPG

IMG_7417.JPG

IMG_7418.JPG

IMG_7419.JPG

IMG_7420.JPG

授業研究のために「脳科学の知見を生かすA」 [2012年05月21日(Mon)]
1 教科がかわる意味:
  小学校では1時間ごとに教科が変わります。その利点は、目先が
 変わる、メリ・ハリがつく、疲れがやむなどです。疲れには、
  @ 筋肉(体力)疲れ 
  A 神経(脳)疲れ 
  B 内臓疲れ
 があります。教科によって脳が使う領域が違うのです。国語→体育
 →理科→算数→音楽 算数→図工→国語→社会→総合と教科を変
 えることで、脳の疲れは軽減され、疲れを感じなくなります。脳が
 使う領域が違うからです。教科の特性を思いっきり生かした学習を
 すべきです。
 学校へ行ったら十二分に運動や勉強をして、夜は「バタン・キュ」
 で寝るのが最高です。

2 説明は最少限に:
  小学校段階では、説明は最少限にすべきです。低学年では基本的
 に説明は不要です。基本的にはアレゴリズム(手順・方法)だけで
 十分です。多すぎると頭でっかちで実践力のない子どもになってし
 まいます。中学年でも少しだけでOKです。時々「理由」や「切り返
 し」を入れていきます。高学年では1時間に1・2回いれていきま
 す。説明回路は未熟ですが、理由がはっきりしないと納得しない子
 もでてきます。その子には、簡単に説明してやります。説明過多は
 子どもの脳が受け入れません。

3 適時性を生かす(髄鞘化):
  発達には適時性があります。ニューロンネットワーク接続の準備
 ができたよということです。準備ができていない領域で何をやって
 も効果がでません。場合によっては無駄なのです。しかも脳には臨
 界期(脳が活発に活動する時期)があるのです。
  何事も適時・適切・適量が重要です。発達の適時性とは脳の髄鞘
 化のことです。脳は各領域ごとに髄鞘化の時期がずれています。感
 覚野・運動野が早く、連合野は遅いのです。時期が来ないとわから
 ないことがあるのです。無理は禁物です。髄鞘化されないと回路が
 回りません。説明中心の抽象思考は土台無理なのです。  
  
4 すぐ修正する:
  間違い回路をつなげてはなりません。すぐに修正することです。
 一旦繋がった回路はすぐ消えることがありません。7×4と4×7
 では答えが同じでも意味合いが違います。4×7? 7の4倍だか
 ら7×4です。脳の中には「間違い」とか「正しい」とかの言葉は
 ありません。スッキリいくと鋭く反応し、グチャグチャすると反応
 が鈍くなるだけです。すぐに修正し、脳をすっきりさせるのです。
  不思議なことに子どもは間違いを直感的に何か「おかしい」と感
 じとるのです。間違いを放置したり訂正・修正しない先生を好きに
 なりません。想起し、発表したことにケチをつける先生は嫌いにな
 ります。

5 なる程!:
  回路が繋がった瞬間に思わず出る言葉です。長い時間の暗中模索
 に対するご褒美の言葉です。尊い言葉です。「なるほどわかった。
 なるほど!わかった。なるほど!わかった。」でつなげたいもので
 す。

6 お節介:
  お節介はダメです。気を散らすからです。伸びようとしているニ
 ューロンを乱すからです。成長円錐(ニューロン成長の先端)は自
 分で自分の目的に向かって進んでいくからです。鉛筆の動きが止ま
 ったとき、わからなくて手を上げた時にしぼるべきです。自力解決
 のエネルギーを削いではいけません。

7 フラッシュカード:
  一旦つながった回路を増強するのに有効です。繰り返し素早くや
 ります。練習問題、定義やまとめなどどうしても定着させなければ
 ならないことに使います。シナプスのLTPは繰り返しによって起こ
 ります。

8 空気:
  きれいな空気は大切な環境です。天候によって、全開・半開・す
 きま開と調整します。真冬でも密閉はいけません。ヒトは遺伝と環
 境によって育ちますが、環境の影響は私たちの予想を超えているの
 です。
 環境からの情報は無意識の世界に入って生き、そのヒトの基盤を作
 っていくのです。

9 あと1分 あと10秒:
  脳は時系列で進みます。指示→受け止め→作業には時(とき)と
 間ま)が必要です。脳の回路には時間差があるのです。簡単な発問
 でも瞬時に指名してはいけません。脳が追いついていきません。最
 短でも1・2秒は待ちたいものです。10秒まてばたいしたもので
 す。
  みんなを見回してから指名すればグーです。脳は「あと10秒」
 「あと1分」といわれると脳はそれに適応しようと動きます。間延
 びはいけません。ゴールなしはダメです。無限は最悪です。
 
11 お説教:
  端的に・短く・スパッということです。目的はニューロンの方向
 を変えることです。グチャグチャと長々しくいうとかえって脳が混
 乱します。気分も悪くなります。説教には高度の技術が必要なので
 す。
 『赤、止まれ!ただし、右方向はよし!』これが原則です。

12 一斉指導:
  全体指導―学年・学級指導―個人指導が基本的な順序です。集団
 全体の方向を明示するのが全体指導で、主に校長・主任の仕事です
 。担任の場合、学級全体の指導やムードが乱れた場合のひきしめで
 殆どは個人的な指導ですみます。

13 やり直し:
  「やり直し」は脳にとって大事な仕事です。教育的にも大事なこ
 とです。すぐ修正し、まちがい回路を定着させないことです。まち
 がい方向にストップをかけることです。一旦できた回路はなくなり
 ません。
  定着したら修正は難しいのです。くせになったら直りません。何
 がまちがいか?本当のところわかりません。ただし、「まちがい」
 のエビデンス(証拠)はあります。
 それは、脳が
  @ 混乱する。
  A 乱れる。
  B すっきりしない。
  C 不快になる
 などです。

14 順序・順番:
  何事も「順序通り」が大原則です。学習には教える手順があり、
 手順を見つけるのが教師の仕事です。手順が狂うと混乱が生じます
 。脳内では多数の回路が同時並行ですすみますが、1本1本の回路
 は順序どおり進むのです。1つの目的に合わせて順序正しくホルダ
 ーを開いていくのです。

15 心の傷:
  心に傷がつくのは本当です。脳に傷がつくのです。DNAに傷がつ
 くのです。ストレス、過労、いじめ、悪意ある言葉など多様な原因
 があります。脳が順調に回らなくなるのです。
  そもそも、DNAは1本のひもで、二重らせんを構成しています。
 32億の塩基が1つの狂いもなく順序正しく並んでいるのです。一
 つでも欠損部分や傷があるとストップし、その先進めなくなるので
 す。
  塩基除去修復か、可逆的修復か、傷の修復するしかないのです。
 損傷乗り越え複製と呼んでいるのです。このおかげで私たちは普通
 の生活ができているのです。

16 挙手:
  「指先は ピンと伸ばして 元気良く」です。指先をピンと伸ば
 すと運動ニューロンの軸索が指先まで行き届きます。注意が行き届
 き集中し、注意散漫になりません。頭から指先まで回転します。足
 は「ピン・ピタ・グー」で全身回転になります。「分かっているの
 に手を上げなかったり、「手だらり」はいけません。横着は脳の切
 れ味を悪くします。想起力を弱くします。

17 あと10秒!:
  「あと10秒 脳も急いで 仕事する」です。あと10秒と言わ
 れると脳が自動的に反応します。自然に体が急ぎます。脳は情報が
 入ると、意識しようが意識しまいが必ず反応するのです。ただし、
 バリアー(阻害物)がない場合です。ただし、急がせすぎるとニュ
 ーロンのスピードが追いつきません。混乱します。

18 足ピタができない:
  机・椅子の大きさが合っていないのが一番の原因です。自然に座
 って、自然に両足がつくのがいいのです。机に体を合わせるのでは
 なく、体の大きさに机・椅子を合わせるのです。へそに力を入れ背
 筋伸ばすし、足をピタとつけるのです。これも習慣です。習慣は第
 二の天性といわれる所以です。

19 廊下走り:
  学校にとって永遠の課題です。真っ直ぐ、一本道で、あそこまで
 と目標がある。運動欲求を駆り立てるのです。本能的に走りたくな
 ります。安全面、しつけ面から、社会生活の決まりとしてどう適応
 指導するか。難しい問題ですが、成功させなければなりません。

川口工業高校定時制で講演 [2012年05月15日(Tue)]
5月14日 川口工業高校定時制で講演した。川口工業は昭和12年
創立の伝統校である。定時制は33年設置された。
IMG_8472.JPG
 部活の熱心で各種大会で好成績を残している。
IMG_8474.JPG
「かわぐ地に学び かわぐ地で就く」本校のスローガンである。鋳
物・機械など川口産業の中核は本校出身者によって担われ、発展さ
れてきた。
IMG_8527.JPG
 定時制で講演、演題は「我が故郷・歩みと脳科学ー我が青春と定
 時制ー」であった。高橋直人教頭の紹介から講演は始まった。
IMG_8483.JPG
 「教育は愛 愛こそ教育」、母の愛・母の無償の愛が子どもを育
 てる。
IMG_8485.JPG
 夜も眠ない脳があります。筋肉や意識を支える脳は休みますが、
生命を刻む脳や情報を整理する脳は眠りません。不眠不休で働き続
けます。眠りは脳のリセットです。熟睡することで一日の疲れや混
乱・混線した回路がリセットされ、新たな一日が始められます。
 皆さん、昼間は全力疾走し夜はバタンキューで寝てください。
IMG_8491.JPG
 気合を入れて語りつくした。思いを込めて語りかけた。生徒たち
は真剣に聴いてくれた。


川口工業高校定時制 講演アンケート結果 [2012年05月15日(Tue)]
脳科学の観点からの講演会 アンケート結果

1 実施状況
 @ 日 時 平成24年5月14日(月)18時45分〜
 A 会 場 県立川口工業高校 視聴覚室
 B 対 象 定時制課程 1年次

2 出席状況等
 @ 参加者数 48名
 A アンケート提出数 43枚(89.6%)

3 講演会に参加して、ためになりましたか。
 @ ためになった      15名(34.9%)
 A 少しためになった    19名(44.2%)
 B あまりためにならなかった 5名(11.6%)
 C ためにならなかった    3名( 7.0%)
 D 無回答          1名( 2.6%)

4 脳科学について、興味を持ちましたか ?
 @ 興味を持った      13名(30.2%)
 A 少し持った       11名(25.6%)
 B あまり持たなかった   12名(27.9%)
 C 持たなかった       7名(16.3%)
 D 無回答

5 講演会で印象に残った言葉や感想など
 ◎ 肯定的な意見等
 ・とても良かった。(7) ・楽しかった。(2)
 ・勉強になった。(2)  ・脳科学はすごいと思った。
 ・先生の熱血さが伝わってきた。(2)
 ・すごく熱く語っていて良かった。(2)
 ・脳の仕組みが分かった。(5)
 ・うれしい時の脳は、すごいと思った。
・学習の科学的なシステムがよく分かったです。
 ・誉めることは大事と思いました。(2)
 ・「はい」って言ったら、実力が伸びる。(2)
 ・やればやるほど、実力がつく。(2)
 ・「やったようになる。それが真実」
 ・「学んだ分だけ賢くなる」
 ・「脳はネットワーク」(2)
 ・「オレは嘘をつかない」
 ・「教育は愛、愛こそ教育」
 ・「愛したように、愛される」
 ・「友達や先生は生涯の宝になるにちがいない」
 ・「学力は、イメージが大切」
 ・がんばってください。
 ・ありがとうございました。(5)
 ・先生と直接、話してみたいです。

 ◎ 肯定的でない意見等
 ・言いたいことや言っていることはすごく分かるけど、
  愛されていない子はダメになると決めつけるのは良
  くないと思う。愛されていなくても、頑張れる子は
  頑張ると思う。
 ・講演会で、ゲームはダメだとおっしゃっていました
  が、自分はフライトシュミレータという航空機を操
  縦するゲームのアドオン(追加の機体)などを作っ
  ています。本やインターネットの資料を見て、必死
  に「ここはこうかな」などと考えてそれを3Dモデ
  リングで作ったりしています。こういう「ものごと
  を考え」、「自分の足で資料をとる」といったゲー
  ムはむしろ良いものなのではないでしょうか。
 ・よく分からなかった。(2)
 ・特になし。(3)
・眠かった。
 ◎ その他
 ・お母さんは、ぼくが3才のときに、白血病で亡くな
  りました。
荒川土手の花・庭の花 [2012年05月06日(Sun)]
・荒川土手の花
a href="/brains/img/IMG_7472-1.JPG" target="_blank">IMG_7472-1.JPG
・妻が大事に育てている庭の花
IMG_7489-1.JPG

IMG_7490-1.JPG

IMG_7493-1.JPG

IMG_7492-1.JPG

IMG_7287.JPG

IMG_7294.JPG
武州・川口 子どもの日「ベーゴマ大会」 [2012年05月05日(Sat)]
 5月5日、川口西公園で「武州川口・子どもの日『ベーゴマ大会』
」が開かれた。
IMG_7422-1.JPG
 ベーゴマは鋳物の街・川口で生まれ、川口で育ち、全国にまで広
がった遊びである。戦後の何もない時代、子どもたちはベーゴマに
夢中になった。
IMG_7379-2.JPG
 バブルの頃になると生活も贅沢を極め子どもの遊びも変わった。
ベーゴマをする子も見えなくなった。日三鋳造の社長辻井俊一郎氏
は、「ベーゴマ生産を中止する」と発表した。
 すると全国から“ベーゴマをなくさないでください」の声が多数寄
せられた。切々と「辞めないでください。私たちが応援します」と
書かれていた。手紙とともにおこずかいまで入っていた。辻井社長
は子どもたちの声に突き動かされ継続を宣言、ベーゴマ製造の継続
・保存・普及に尽くすようになった。運動を起こしている。
   http://www.beigoma.com/ 
 3才にもならない子どもに丁寧に教える辻井社長。
IMG_7383.JPG
 ひものまき方を説明する普及会の専門員、真剣に聞く若い世代
IMG_7394-4.JPG
 ブーン、ガチ・カチ・カチーン。ぶつかり合い、はじきう。圧倒
的な重量感である。汗が滲む。ベーゴマは脳幹、ファミコンは新皮
質である。面白さの質が違う。ベーゴマ頑張れ!ベーゴマがんばれ! 
IMG_7417-5.JPG
 老年・壮年から青年・子どもたちへ ベーゴマが引き継がれてほ
しい。
IMG_7426-6.JPG
 
進化生物学者 ジョージ・プライス [2012年05月02日(Wed)]
 ジョージ・プライスの生涯「親切な進化生物学者」を読んだ。衝撃であった。
熾烈な生存競争と淘汰のもとで、なぜ他者を利する行動が生じたのか? その謎を追い求めた末にホームレスとして死んだ進化生物学者ジョージ・プライスの驚愕の伝記である。
 第T部は、メイナード・スミス、フィッシャーら巨星たちが織りなす波乱の科学史をたどっている。あらゆる生きものを貫く原理は「利他・愛他行動」だという。50年近くたってようやく先端脳科学によって証明されつつある。
 野たれ死にした天才の生涯は悲惨である。大学者であったというに、、、。誰かが顕彰しなければならない。学問の真実に生涯をかけたプライスを!!!
IMG_0515.JPG
 若くして天才的な数学者として有名であった。進化生物学の哲人ビル・ハミルトンとプライスの交流の記録も胸を打つ。 
IMG_0519.JPG
 数少ない友人、孤独に苛まされることもあったであろう。理解者・共感者・慰安者がほしい。一人でもいれば何とか持ちこたえらであろうが・・・。自死とはあまりにもむごい!
IMG_0522.JPG
 プライスが導いた淘汰の方程式は、利他行動の理論に待望の普遍的定式を与え、「多層レベル淘汰」という大きなダイナミクスをも見渡すものであったという。数式の意味を理解できる人は世界中でも2・3人しかいなかったという。
IMG_0528.JPG
 利他・愛他の行動を徹底しその挙句野たれ死にしたプライス、葬儀にきたのは浮浪者数人と数人の友人の学者だけであった。誰にも見守られず放置されるジョージ・プライスの墓。 
IMG_0527.JPG  

プロフィール

日本財団脳研さんの画像
日本財団脳研
プロフィール
ブログ
カテゴリ
https://blog.canpan.info/brains/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/brains/index2_0.xml
ブックマーク
月別アーカイブ
最新トラックバック
情報肥満 (07/16)