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虹の夢

生き難さを抱えている人たちの幸せな未来を願っている「お節介おばさん」の徒然日記です。

自閉症/発達障害のある方など生き難さを抱えスペシャル・ニーズを持つ方々の「未来を創りたい」…そんな大きな夢を叶えるために、「楽しく・嬉しく・明るい」情報発信をしていきます。

2020年度「放課後等デイサービス 評価アンケート」の結果を2021.2.19の記事に掲載しています。
併せてご覧ください。


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「公文式」を導入している理由 [2014年10月30日(Thu)]
私たちは「就労移行」でも「放課後等デイサービス」でも「公文式」を導入しています。
それはなぜ?

取材をしていただきました。
http://www.kumongroup.com/kumonnow/topics/059.html?ID=kumonnow
Posted by 伊藤 あづさ at 19:58 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
「協働」の一歩 [2014年10月29日(Wed)]
半年振りに大阪から中山先生にお越しいただけました。
今日も穏やかな笑顔で導いてくださいました。
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せっかくなのでスタッフだけではなく、お母さんたちにもお声をかけをさせていただきました。
「協働」を共有し、共に歩むために。
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午後からは中高生プログラムのコンサルデーション。
アイディアが出たら「まずやってみる」!
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そしてやってみて不都合があれば修正。
スタッフの再構造化を丁寧に観てくださいました。
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一つ一つの構造の持つ意味が、どれだけこどもたちにとって「解りやすい」か。
スタッフの眼差しも真剣です。
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長く導いてくださるコンサルタントの存在は本当に有難く「感謝」の一日でした。
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Posted by 伊藤 あづさ at 22:26 | 今日の学び合い | この記事のURL | コメント(0)
「楽」になるということ [2014年10月27日(Mon)]
東田直樹さんの紡いだ言葉からの抜粋です。
「自閉症」の特性は決して軽くないと言われている方が発する想い。
大切に受け取りました。


☆自閉症という障害は、どこから来たのだろうと考えることがあります。自閉症は、人類が生み出したものではないでしょうか。何かのバランスがくずれているために、僕たちのような人間が必要だから、生まれた来たような気がします。治らない障害というものは、時代が僕らに何かを望んでいることがあって、僕らををこの世に誕生させたに違いない。


☆僕は、どんな人も自己肯定感を持っていると思う。自己肯定感が高い人ほど、前向きに生きていけるのではないか。どれくらい楽に生きられるかも、自己肯定感に左右されると感じる。ここでいう『楽』とは、自分を追いつめないという意味です。

☆言葉や態度や表情で、表現することができない人が存在することを、どうすればわかってもらえるのか悩みます。誰にもわかってもらえない人の心を救えるのは、やはり人だと思います。
話せない人に対しては、気持ちを推測するしかないのはわかります。しかし、見かけの言動だけで、話せない人の気持ちまで、すべてわかったように、決めつけないでほしい。本当の気持ちは、その人にしかわからないはずです。思ってもいないことを、まるで本人の意見のように断定されると、それに対して弁解もできない人は、ただ、従うしかない。話せない人の心の中を想像して言う言葉は、あくまでも言っている人の意見だということを、忘れないで欲しいです。

☆僕の場合は、思ったことがあっても、繰り返しそのことを考えます。何度も考えているうちに、どこかで出口のような答えが、見つかることがあります。僕にとって、考えるということは、息をするのと同じくらい日常的なことです。考えている間は、自分が障害者であることを忘れています。思考は限りなく自由で、無限の可能性を僕に感じさせてくれます。

☆僕の心が躍るのは、空気が澄んでいる景色を見たときです。自分が風景にとけ込むような感覚に陥るからです。体だけがバラバラになって、空や木や大地に吸い込まれていくような感じがします。自分の命が永遠であるかのような錯覚に襲われます。そういう瞬間は、幸せの絶頂のような気分です。きっと太古の人間も同じように感じていたのでしょう。

★東田直樹さん★
Posted by 伊藤 あづさ at 09:32 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
みんな笑顔! [2014年10月25日(Sat)]
今日のクッキングは、ツナマヨコーンパン作りです。
ホットケーキミックスを使ったほんのり甘いパンです。
ツナとコーンをマヨネーズであえて、生地の上にのせて焼き上げます。
ホットケーキの粉は膨らんでくれますが、扱い方が難しい。
しかし、ホットケーキの課題を終えた子どもたちの手つきはとても上手でした。
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左手でボウルを回しながら、右手でお玉を持ちまわしかきまぜていく。
とても複雑な動きですが、自信満々に取り組む子どもたちの姿にスタッフも笑顔に。
生地をカップにいれて、チーズをのせて、オーブンにいれます。
オーブンの窓から少しずつ生地が膨らんでいきます。
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子どもたちはニコニコ笑顔でその様子をみています。
完成したパンは・・・
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とても素敵な色に焼きあがりました!
「6個全部食べたい!」という声もあり、大喜びで食べていました。
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今日のプログラムではこんな素敵なことも・・・
「僕の家族は何人だからおみやげに何個持って帰りたい。」
そんな声が沢山きこえてきました。
自分が作ったものを家族に食べてほしい、喜ぶ顔が見たい。
そんな優しさあふれる子どもたちの言葉は、寒さが厳しい今日のこの日を、ほっこりと優しく包み込んでくれました。


フローレン


Posted by 伊藤 あづさ at 16:34 | 今日の「しゃ〜れ」 | この記事のURL | コメント(0)
奥平綾子さんとの交流会 [2014年10月23日(Thu)]
11月3日の午後、奥平綾子さんとの交流会をSchaleで行います。
この日午前中、東北文化学園大学の「ひろば」でご講演に来仙。
午後にハルネットの方々との交流会をしたいので…とのご相談をいただき、SchaleのCafeを使っていただくことにしました。
もちろん、ハルネットの会員の方だけではなくどなたでもOKにしていただきました。
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今日までの申込みでチラシは作られていますが、まだお申し込みをいただけます。
文化の日に「自閉症の文化」と向き合ってみるのも素敵かな?
Schaleの美味しいお菓子やパンとお茶を召し上がっていただきながら、日頃疑問に思っていることなどを奥平さんとのおしゃべりで、糸口を見つけてみてはいかがでしょう?

お待ちしています。
Posted by 伊藤 あづさ at 19:58 | セミナー案内 | この記事のURL | コメント(0)
再挑戦 [2014年10月22日(Wed)]
2012年12月。
私たちのこどもの「未来を創る」ことへの決意をプレゼンテーションさせていただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=Oa1XkNkHzMo&feature=youtu.be

そして今年はこの福祉の業界の方々だけが挑む「さぽ☆どり」に挑戦します。
もう3週間ほどになりました。
日々の業務に追われ、進捗状況は5%くらいでしょうか。
でも、必ずやり遂げます。
新たな夢と、そこから広がる感動と共感を力に、私たちのミッションを叶えるために。

以下、実行委員長からのお誘いにお目通しください。


知的・発達障がい者福祉サポーターズ ドリームプラン・プレゼンテーション2014
(さぽ☆どり2014)へのおさそい!

実行委員長 阿部美樹雄

 福祉とは幸せや豊かさを意味する言葉です!
 そのためには、私たちはあらゆる場面において福祉の水準を上げる取り組み(ソーシャルアクション)と、私たちとのかかわりの中でご利用者が、幸せ・豊かさを感じていただけるようなあり方を身に着けなければなりません。
 福祉的就労についても、生産性を上げるだけという意味ではなく、支援を請けながら仕事を通じて幸せになるということ、介護(care)という意味はそもそも、関心を持つ、気配りをするなど身体的なことだけでなく、「心」のあり方が前提となっている概念です。

 そのような支援者になるための人材育成はどのようにするのか?
 人が安定感を持って他者に好意的にかかわれるとしたら、その人を愛し、必要とし、ありのままの存在を承認し、感謝することなどが大切になります。
 さらには「してやっている」という感覚を育成者が持たないようにしなければなりません。「してくれなかいからできないのだ」という感覚をすぐに持ってしまいます。
 私たちが求めているのは、ゆるやかな感性を持った自立型の人材なのです。

 プレゼンターは一人でプレゼンを作るわけではありません!
支援者は、プレゼンターの話をしっかり聴いて、その話の中に社会的価値を見つけ共有し共に喜び、苦手な点については、自分ができることを申し出ます。信頼し、励まし、安心できるようにそばにいるようにします。アドバイスはしません。音楽やPCの専門家など多くの支援者が必要ですが、それも基本的にはプレゼンターが探します。
あるプレゼンターが、「こんなにほめられた経験はなかった!」という話をしていました。私たちは、他者から無条件に応援される経験は大人になると極めて少ないのです。
他者に支えられながらも、道は自ら決め困難を乗り越えてきた経験(成長のサイクル)は生涯の財産となります。
課題は一人で実現することは困難で、みんなでで一緒に叶えることがもっともたやすいのです。違いは助け合うためにあるからです。

私たちは、夢に懸命に挑戦する姿に心を奪われます!
応援したくなります。自分ができることを探し出します。
効果的に成果を出す組織には、相互支援のシステムが構築されています。
そしてリーダーは、見本となり信頼される人間関係を作ることが大切であることを知ります。相互支援によりもっとも大切な勇気を共有できる信頼できる仲間がいれば、喜びは倍増し悲しみは半減することを知ります。

ドリプラの仕組みは人を成長させる最高の機会です!
福祉の世界で管理職を育成することの難しさがよく話題になります。
ビジネス界での成果・売り上げはお客様が上げるものといわれています。そのために、コーチングやさまざまなマネージメントの手法など心理学から学びます。
ドリプラは心理学、脳科学等の要素を取り入れた根拠のある手法です。
福祉の仕事は、ご利用者が幸せだと感じていただけるようなかかわりを身に着けるということです。
私たちの最大の経営資源は職員です。
職員がいつでも応援しあえる仲間の作り方を体験し、過去の自らのあり方を克服することに挑戦し、人間として成長し、勇気を持って未来を創り上げていこうとする姿勢を身に着ける体験がドリプラなのです。
その集大成が、11月15日のプレゼンテーションなのです。
多くの人たちとともにこの仕事の魅力を分かちあいたいと思っています。

知的・発達障がい者福祉サポーターズ
ドリームプラン・プレゼンテーション2014

2014年11月15日(土)13:00〜17:00
文京学院大学 仁愛ホール(東京メトロ南北線「東大前」駅(2番出口))
参加費:1,000円(税込) ※「学生」無料!(要事前申込)
Posted by 伊藤 あづさ at 23:44 | 今日の感慨 | この記事のURL | コメント(0)
日本一! [2014年10月21日(Tue)]
火曜日が製パンのトレーニングの日。

今日は初挑戦の「シナモンロール」。
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お互いの手元を気遣いながら成功を喜び合い
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そして…

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Buono!Buono!(*^_^*)
笑顔が広がります。
この笑顔を世界中の人たちに届けられるようになったら素敵!

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アメリカでシナモンロールを食べ尽くして来たまみちゃんから、「日本一!」と最上級のお褒めをいただきました。

口から広がる幸福

その届け手として喜んでいただけるヒトとしての価値。

うん!
「夢」じゃ終わらないね。


Posted by 伊藤 あづさ at 15:27 | 今日のSchale | この記事のURL | コメント(0)
凄く納得したお話 [2014年10月20日(Mon)]
鰍jaienの鈴木慶太さんのブログがとても面白い。

今日も凄く納得できたので共有させていただきます。
(以下「煉瓦の壁を越えるために」から引用)

一手目で王手を掛けたがる発達障害の特徴について

一足飛びをしたがるのは人の性かもしれないが、発達障害の傾向のある人と接していると、より強く感じる。

たとえば、就活をする前に、まず生活リズムを整えてとか、まず面接練習を受けてとか、まず与えられた作業をこなせるようになってからとか、そういうスモールステップをしたほうが良いよ、というアドバイスが通用せず、すぐに”上がり”、”完成”を狙うような言動をする人に出くわす。かなり説得力あるよなというアドバイスをしても頑ななまま。将棋でいうとすぐに一手目から王手を掛けに来る感じである。もちろんそんなに世の中は甘くないので、やっぱり浅い段階から王手をかけまくっても負けまくってしまい、かえって傷つきが多くなるような人に多数あってきた。

以前は、(発達障害の特質として)客観視が苦手だから、自分がすぐに王手がかけられる立場にあると勘違いしている(例えば就活でいうと就職間近だと本当に信じていて、周囲から見ると無謀なチャレンジを繰り返す)のではないかと思っていた。自分が99段目にいるからあとは100歩目を踏み出せばよいという感じである。実際そういう人も多い。

だが、初手で王手をかけるのは無謀だと自分でもわかっていながら、つまり客観的には難しいと分かっていながら、王手をかけ続ける人も多いということがわかってきた。どうやら、それも発達障害の特性に起因するらしいこともわかってきた。以下のように説明されると思う。

就職するために100のステップが必要だとすると、多くの人はそういうものかと思う。そのうちの一つが自己分析であり、業界研究であり、 面接であり、という感じで理解をしつつあるが、自分で考えられるのはそのぐらいで、残りの90以上は道中でだんだん気づいていくのだろう。その時はその時で対処していくのだろう、と雑に考えられるのである。

つまりステップははじめと最後の部分のいくつかしか見えていない状態で、途中の90ぐらいのステップが見えていなくてもあまり怖さを感じないのである。鈍感といえば鈍感であり、楽観的過ぎるといえば楽観的なのだが、大抵多くの人が通った道という経験則や常識感からなんとかなると思えるのである。

しかし発達障害の人は想像が苦手である。途中の階段が見えないとやはり不安になるのである。レールが最後まで見えていないと気持ちが悪いようなのである。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学というレールは明らかに見えるので安心感があるのだが、残念ながらその先はレールが非常に多岐にわたっていてさらに先が見えにくい世界になる。

特に就活の場では、上述のように、最初と最後のいくつかのステップしか見えないために不安になりやすい。一歩一歩ステップをあがったほうが良いよとアドバイスされても、頭でわかっていてもやはり頑なに王手をかけてしまうのは、途中が透明にしか見えない階段を上るような怖さがあって、それなら最後の100段目が面接でしっかり見える階段なので、一足飛びにその階段に行けばゴールにたどり着けるのではないかと行動をしてしまうようなのである。

現実的に面接を受けまくることは無理なことではない。つまり透明な中間部分を超えていくこともできなくはないが、成功確率は非常に低くなってしまう。それがわかっていて、でも初めから見えない道を行くという途方もない階段が怖く、どのぐらいのエネルギーがかかるか、途中でどんな怪物が出てくるかわからず、ワープしたいのだと思われる。

と、ここまで書いてあまりわかりやすく書けなかったなぁと思ったが、自分の中ではそれなりに大きな発見であるので、まとめてみました。
Posted by 伊藤 あづさ at 23:00 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
二つの学びから [2014年10月16日(Thu)]
今日は東京と新横浜で深い学びの時間をいただきました。

一つ目は、私のメンターのお一人福島正伸先生の講座。
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ちょうど一年前、生死にかかわる大きな病気をなさった福島先生の「復活祭」です。
「生きる」と言うことをお話しくださいました。
・自分で生きる道は自分で決めるしかないこと
・誰かのために命を使うのが、一番命が輝くこと
・命は誰かのために使うもの
命と向き合って来られた福島先生の言葉は重く響きます。

そして「幸せ」や「働く目的」にも言及されました。
・「幸せ」とは
「一生懸命頑張っている姿や存在価値があること」
そして
「人を幸せにする努力そのもの」だと。

「働く目的」とは
人の役に立ち、社会に貢献することで自己の社会的存在価値を創り、感動のある充実した人生を送ること。
・仕事を共にするとは志を共にすること
と。

双方の共通するのが「存在価値」。
愛され、認められることがその人の「今在る」ことを支えるのだとも感じました。
私たちが生き難さを抱える子どもたちや成人の方々と接する上で、いつも大切にしていることの一つです。

・人がやらないことをやるのは自分のため
・きれいごとと理想を貫いて生きる
私らしい生き方を貫けたら幸せです。

二つ目は「よこはま発達クリニック」主催の夜間講座。
ずっとお世話になっている中山先生のが講師の二か月連続講座。
全国から親御さんや実践者の方々がお集まりでした。
「ロングライフサポートに向けた連携モデル」がテーマ。
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学生の頃から30年近く自閉症の方々と接してこられた中山先生の、実践を大切にしてこられたご経験からの講義です。
TEACCHが大切にする「親と専門家(支援者)の協力関係」の在り方を整理して下さいました。
「親と専門家は、お互いの立場と強みの違いを確認し、相互の尊敬によって協力する」
Schaleの中でも大切にしていかなければなりません。

一方で「学校での切実な問題」も明らかにしながらも「10代後半の課題」を整理して示して下さいました。
・とかく「思春期だから」と片づけてしまいがちだけど、それでは本質的な問題解決にはならないこと。
・これまで培われてきた人間関係や社会との信頼関係が大きく影響する
というご指摘は、スタッフと共有しながらこどもたちや親御さんとの「長い」お付き合いの基本としたいと思いました。

「頼り人がいるか、いないか」→「どことつながっていけるか」
こどもたちが「良い経験」を積むステージとしてSchaleが役に立てたら幸せです。



Posted by 伊藤 あづさ at 23:02 | 今日の「素敵」 | この記事のURL | コメント(0)
人を信じる力 [2014年10月14日(Tue)]
佐賀新聞からの引用です。

日本の発達障害研究の草分け的存在で、川崎医療福祉大特任教授の佐々木正美さんの講演会が佐賀市で開かれた。佐々木さんは、発達障害の子どもたちの特性を理解し、寄り添うことの大切さを強調。その上で「発達障害児には、どんなに苦労してもできないことがある。『得意な芽』を見つけ、伸ばしてほしい」と語りかけた。講演要旨を紹介する。

■「多様な発達の子どもたち」

 乳児期はどのように育つのがいいのか。私が尊敬している発達心理学者エルク・エリクソンは、おびただしい人間の生き方を多角的に観察し、人格的なものが育つ手順に触れている。

 自分を信じる力、実はそれは「人を信じる力」だ。人を信じることができるようになって、自分を信じることができる。一部の例外を除き、母親を信じることから始まる。お母さんを信じることによって、自分を信じることができる。

 乳児期を終え、幼児期に入ると、自分の感情をコントロールする「自律性」が、より豊かに育っていく。

 大切なことを教える「しつけ」は、ゆっくり繰り返し教え、待っていてあげることが大切。子どもを育てるのが上手な人は「待つ力がある人」だ。単に教えるとか、言うとか、それは誰にでもできる。「教えて待つ」がキーワードだ。

 親でも教育者でも、自分の衝動を自制する力がない人ほど厳しく頑固で、怖い。早くできるようにさせようとする。そうすると子どもの中に、本当の意味での自律性は育たない。第一、教えている人の自律性が弱い。つまり自分が我慢できないから、早くそうさせようとする。

 人の人生の早い時期に立ち合う人たちに最も大切なのは「人を信じる力」を育てることだ。「あなたは私を信じられますか」と自問自答しながら育ててほしい。それが、自分を信じて生きていく力になる。「まだできないの」と決して言わず、できるまで待ってあげてほしい。それが衝動を自制できる子どもを育てることにつながる。

 先だって、長崎県佐世保市で不幸な高校生の殺人事件があった。自分で自分の衝動を律することができない最も不幸な事例だ。悪いということが分かっていながら、自分を律することができない。

 衝動は誰にでもある。自制できるかどうか。これはすべて、人を信じるところから始まる。子どもたちの中に順序よく、育ててあげてほしい。

     ◆    ◆ 

 発達障害とされる子どもは、発達が単純に遅れているのではない。遅れている部分、できない部分もあるが、みんな以上にできる部分もある。発達が凸凹して、バランスよく備わっていない。「自分の殻に閉じこもっている」「しつけがちゃんとされていなくてわがまま」が本質ではない。

 目で見て理解すること、見たままを記憶することは得意だ。だからトランプの神経衰弱のほか、まだ習ってもいない文字を書けるようになったり、読めるようになったりする。逆に、見えないものに想像力を働かせることが苦手で、例えば鬼の気持ちを応用して遊ぶ鬼ごっこや隠れんぼはできない。

 関心や興味が、狭いところに強く向かい、一度に一つのことしか関心を向けることができない。複数のことを同時に認識したり、実行したりすることが、程度はまちまちだが、苦手だ。

 多くの人は何か行動しようとするとき、周囲にいる人や関係がある人が、喜ぶか、迷惑と感じるか、といったことを考える。そういうところがとても弱く、臨機応変に活動・行動することができない。「暗黙の了解」ということはほとんど通じず、話すことは上手でも、相手の話を聞くことは下手だ。比喩(ひゆ)や冗談は通じにくい、もしくは通じない。

 学校の先生たちは何でも努力すればできるようになると思っているかもしれないが、それは生まれつき駆けっこが遅い子どもに「何メートルを何秒以内で走れ」と言っているようなもの。努力しなくてもできることがある一方、どんなに努力してもできるようにならないところがある。発達障害の子どもは駆けっこほど単純ではないが、そうした個人差を分かってほしい。

 発達障害の子どもにとって、「苦手なことがちゃんとできるように」というのは大変なことで、過酷なことだ。できることをもっとできるように努力すればよく、得意な芽を見つけて伸ばすことに時間を割いてほしい。

 また、できることを社会的に発揮するのが下手な子どももいる。だから、優れているところを社会的に発揮できるように導いてくれる人をその子たちは待っている。

 できることが、もっとよくできるように−。50年近く当事者や家族にかかわる仕事をして、また、特性のある子どもを育ててきた経験から、そうした方向は間違っていない、と言える。そうすることで、わがままになることはないし、好きなことばかりして嫌なことをしない子になることもない。子どもたちは素直で真面目だから。

     ◆    ◆ 

 発達障害の子どもたちが一番つらいのは、「無理解なのに熱心な人」だ。熱心な無理解者が私を一番苦しめる、と彼らは言う。その子たちのことがよく分からなければ、担当から外れた方がいい。もしくは、外れなくてもいいが、無理をさせないでほしい。

 熱心に教育してくれるよりも「熱心に私を理解してほしい」と思っている。子どもたちが自分のことを本当に分かってくれている人に出会う機会は少ない。

 ほとんどのことは周りの大人が決めているだろうが、例えば特別支援学級に行きたいか通常学級に行きたいか、さらには行くか行かないかも含めて考えを聞いてみてほしい。

 「この子はどう考えるか」と、心の耳を開いてほしい。「お父さん(先生)は分かってくれようとしている」と思わせるように聞くことが大事。彼らは普通の子どもたちよりはるかに自分の思いを話せず、我慢して生きている。よほど上手に聞かないと、この子たちは言いづらい。

 また就学前から、「いつかこの子は働く」ということを念頭に置いていてほしい。一般就労や福祉就労などいろいろな場所があるが、「職場で生き生きできること」が本当に幸福なことだ。日々働くことが人間にとって幸福の源泉。働くことと余暇は表裏の関係にあり、生き生き余暇を楽しむことが、充実して働くことにもつながっていく。自分には何ができるか。これを考え実感し、「大きくなったらこうなりたい」。そう思える日々は幸せだ。どうぞそうなるよう、ゆっくり、お育ていただきたい。

■ズーム

 発達障害 対人関係がうまく築けず、特定の物事にこだわりがある自閉症やアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)、読み書きや計算が極端に苦手な学習障害(学習症、LD)などの総称。周囲から理解されにくく、子どもだけでなく、大人になって就職してから本人や周囲が気付くことも少なくない。

 佐賀県教育委員会によると、2013年度、県内小学生の4.41%に発達障害の特性、傾向があり、調査開始時の05年度の2.17%から増えている。県教委は「絶対数の増加ではなく、子どもの学びや生活を支える大人が、発達障害の特性を知る機会が増えたことで顕在化してきている」と分析する
Posted by 伊藤 あづさ at 14:16 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
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