笑顔の訳 日本理化学工業見学その1
[2012年10月18日(Thu)]
10月17日、日本理化学工業株式会社さんの工場見学会に参加させていただきました。
全従業員74人のうち知的障害の方が55人(内6割以上は重度)という日本一のチョークメーカーです。以前テレビでその取り組みが紹介されたのを見て、日本にはそういう会社があるのだと感銘を受けました。
昨年の東日本大震災の時には、キットパスというガラス面に描くと水で消す事ができるチョーク(紙にも描けて、クレヨンのような使用感。発色もとてもきれいです。)を支援物資として贈っていただきました。
昨日の見学会では、ブログで発信したいことが盛りたくさんの、深い一日を過ごす事ができました。一晩たっても、頭の中を整理するのが大変です。
今日はタイトルの「笑顔の訳」にお付き合いください。
笑顔は、私たちを迎え入れてくださった大山会長と秘書の真里さんの穏やかな笑顔も素敵だったのですが、働いておられる方の笑顔が本当に印象的でした。
私は、町の匠を紹介するテレビ番組が好きで、最近だとシルシルミシルサンデーをよく見るのですが、日本理化学工業さんの工場もまさに町工場といった雰囲気で、熟練の従業員さんたちが写真に取るのも追いつかない早業でそれぞれの工程をこなしておられました。重度の方も多い知的障害の方たちです。
想像していた通りの会社でした。
立派に戦力になるのだという事が示されていました。
熟練の技に見入る私たちの視線の先には、ちょっとはにかむような雰囲気を漂わせながらも「どうだい。」と手業を披露する職人さんの笑顔がありました。
見学の前と後に大山会長から会社の理念や、これまでの経緯をうかがいました。
大山会長のお話の中には、「安心」という言葉が何度も出てきました。
「生産効率や品質管理の面での対処に一番効果的だったのは、彼らの理解力に合わせて工程を考えることでした。その事が安心につながるんですね。」と。
「彼らが安心できる段取り」ともおっしゃっていました。
まさに、日頃のトレーニングの中で私たちが課題としていることです。
日本理化学工業さんの中にはたくさんの安心できる工夫がありました。
会社ならではの効率と構造化、そこへ安心して働ける環境をつくるという理念。
それが体現されたかたちは、まさにTEACCHプログラムを学んで私たちが目指ものであるとも思いました。
そこには知的障害の従業員の方たちの誇らしげな笑顔がありました。
続きはまた次回。 みき