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2013年06月03日

【新著連載】Q20.周りが消極的です

Q20.周りが消極的です

→A.笑われても動いていれば理解者は必ず現れる

 総じて、日本の会社組織は保守的です。特に、企業規模が大きいほど、業績が安定しているほど、現状に安住する社員が増えてきます。いざ「前向きなリスク」をとろうとしても、組織のルールは厳しく、がんじがらめです。上司も、出世に響くような減点を恐れて、ハイリスクハイリターンの斬新な提案など快く思わないでしょう。
 しかし嘆いてばかりいてもしかたありません。「新しいことは誰もやりたがらない」のが普通だと心得て、「理解者ゼロからのスタート」が当たり前だと考えると気楽です。

●斬新な提案ほど、周りの反応も消極的になる

 私の人生のスタートは、当時ファミコンゲームソフトを企画開発していたイマジニアというベンチャー企業でした。第一次のブームが去る中で、神蔵孝之社長は、株式評論家の松本亨先生と出会い「株式必勝学というゲーム」を作ろうということになりました。この新企画は、社内でも「社長の気まぐれ」と冷ややかに受け止められていました。だからこそ、昼は営業をしている私が、夜には、たった4人の株式開発ゲームに加われたのです。
 そして、ある程度ゲームが出来たところで、営業に出かけるのですが「子供が株式ゲームなんてやりっこない」と、ほとんどの人が相手にもしてくれません。10人に話せば8人か9人に笑われるか無視されるのです。しかしマスコミが賛否両論で取り上げてくれたこともあり、株式ゲームに見事にヒットして品切れ状態になりました。嘲笑したお店からも「商品を回してくれ」と懇願されたのです。
 このように、たとえベンチャー企業の創業者であっても、斬新な提案であればあるほど、周りの反応は消極的になるものです。ですから、心配せずとも、有意義な新提案であれば、同僚や上司の理解がなくとも、経営者や次世代のリーダーは、そして見る目のあるお客樣やマスコミは注目してくれるものなのです。

●社外の頭脳や勇気を借りて組織の壁を突破

 また、組織の壁を突破するには、社外の頭脳や勇気を借りることも重要です。社内では誰もが尻込みしたリスキーなプロジェクトも、社外の異業種勉強会の師匠や仲間たちの眼には、チャンスに満ちたものに見えるかもしれません(逆に、社内では評価された提案も、社外の達人に見せるとリスクだらけだったりします)。異業種の先輩経営者も、同じように組織の抵抗にあったはずです。リスクを突破した先輩たちから、社内の説得法も含めた実践的な助言や提案をいただけるでしょう。
 例えば、ゲーム会社の後、転職した日興證券では、ファイナンシャルプランナーを育てて、新しい営業スタイルを創造する仕事を担当しました。バブル全盛期ですから、社内も社外も「株を買えば儲かる」と浮かれていた時代です。当然、聴く耳を持たない人ばかりで、落ち込むばかりでした。しかし、社外のファイナンシャルプランナー養成講座で知り合った講師や他の金融機関の受講生と交流して世界が変わりました。これからは間違いなくファイナンシャルプランナーが重要になると確信できたのです。
 また、今の時代は、インターネットのコミュニティを有効活用すれば、お客様と直接つながることができます。興味のあるジャンルで仲間を作り、新しいアイディアについてさりげなく話して感触をつかむことができるのです。さらにオフ会などのイベントに参加して、お客様と直接話して、自分のアイディアの正しさを検証しましょう。

●社内のオピニオンリーダーとキーパーソンを探す

 こうして社外で知恵と知恵を手に入れたら、再び社内の説得に取りかかりましょう。
 ここで大切なのは、オピニオンリーダーとキーパーソン探しです。大組織でも、実は、重要な戦略を立案し意思決定をする人は、ごく限られた一部の人です。戦略家=オピニオンリーダーは、社長室、経営企画などの企画セクションで、部長というより次長、課長クラスにいる場合が多いです。キーパーソンは、関係部署の部長クラスということが多いでしょう。誰がオピニオンリーダー、キーパーソンかは、上司や同僚はもちろん、社歴の長い女子社員に聞いてみれば、さほど苦労せずともわかります。
 重要人物が判ったら、いきなりプレゼンをするより、ご意見うかがいにでかけましょう。まずは自分自身を気に入ってもらうのです。企画を通すより、尊敬する先輩に助言をいただいて参加してもらうことが大切です。自分の提案ではなく、キーパーソンたちの意見を集約した提案にすることで、理解者を増やしながら前に進みましょう。

A.笑われても動いていれば理解者は必ず現れる
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