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2013年04月18日

【新著連載】Q01.起業家にとって一番大切なことは?

Q.起業家にとって一番大切なことは?

→A.リスクをとらないリスクを知って、人生を果敢に切り開くこと

 起業家もサラリーマンも、自分が大切だと思う気持ち、安定が欲しい気持ちに、変わりはないでしょう。ただ、リスクとチャンスに対する考え方が違うので、行動に大きな差が生まれてしまうのです。もっとわかりやすく言うならば、「よりはやく動かなければ危険」と考える人と、「下手に動いては危険」と考える人の違いでしょう。

●役員手前の部長が、一番新しいことをやりたがらない

 私は、20代に、バブル華やかなりし大手証券会社で、新規事業を企画運営する仕事をしていました。その会社は飛ぶ鳥も落とす勢いだったにも関わらず、本社には新しいことをよしとしない文化があって、企画を通すのに苦労をしたことがあります。
 そんな時、私が尊敬する経営企画のキーパーソンから驚くべきことを教えていただきました。それは「役員手前の部長が、一番新しいことをやりたがらない」という法則でした。つまり、大企業の部長にとっては、「新規事業などに挑戦して、目覚ましい業績を挙げる」ことより「大きなミスをしでかして、出世に響くようなリスクを徹底して避ける」ことのほうが大切だというのです。
 大企業の部長となれば、多く中小企業よりも大きな組織を率いるリーダーです。それなのに、バブル崩壊と金融改革前夜なのに「寄らば大樹の蔭」で、嵐の過ぎ去るのを何もせずに待とうとする「保身」ぶりに驚きました。

●「何もしないリスク=リスクをとらないリスク」

 一方、グローバルな構造改革とデフレスパイラルの中で生き伸び、勝ち残ろうとする、ベンチャー企業や老舗企業の起業家たちは違いました。時代に合わせて、常に革新を続けなければ、あっという間につぶれてしまうと考えていたのです。「何もしないリスク=リスクをとらないリスク」の恐ろしさを、よく知っていたのです。同時に、うまくライバルに先んじて新規事業が軌道に乗れば「大きな先行者利得」を得られるチャンスも心得ていました。リスクをとって、人よりもはやく上手く動くことで、リスクは小さくなり、チャンスは大きくなることを、数々の失敗といくつかの成功を経て、深く体感し、心の底から確信するに至ったのです。
 事業の成功と失敗が、自分の懐具合や地位と直結する起業家と、一定の給料と身分が保証されたサラリーマンでは、本来リスクの大きさも違います。サラリーマンは会社のお金で賭けをしているのですから、本来なら、もっとリスクをとってもいいはずです。しかし、リスクをとって失敗した人は評価されない減点法に加え、事業の成否で給料などが大きく上下しない報酬体系では、腹の据わった起業家は育ちにくいものです。たとえ学歴などでは負けていても、自分のお金で賭けて儲けも損も自分の才覚次第の起業家は、いくつもの修羅場を経て磨かれて行きます。長い年月のうちには、ストレスに強い胆力、チャンスを見つける直感力に大きな差が出てきてしまうでしょう。

●「新しい仕事」「難しい仕事」「笑われる仕事」で磨かれる

 起業家を目指すみなさんには、とにかく20代30代のうちにリスクのある挑戦をしてもらいたいのです。どれだけ多くのリスクをとれるか、修羅場を味わえるかで、将来の「起業家力」が変わってきます。
 もちろん、最初は小さな挑戦から始めてかまいません。たとえ大企業勤めのルーティンワークであっても、与えられた仕事をこなしつつ、新しいお取引先、新しい方法、新しい商品に取り組む時間を作ればいいのです。
 リスクをとって挑戦することによって、自分のスキルも度胸も人付き合いも変わってくることに気づくはずです。やがて、自信がついてきたら、上司に、そして人事担当者に、「より新しい仕事」「より難しい仕事」をしたいと希望を伝え続けましょう。少しずつ社内起業家にふさわしい仕事に配属されるようになるはずです。新規事業などの難しい仕事に希望して回されるなんてと、まわりは驚き笑うでしょうが、気にする必要はありません。リスクをとって、人に笑われるような仕事を進んで請け負うことで、「起業家力」は磨かれて行くのです。

A.リスクをとらないリスクを知って、人生を果敢に切り開くこと


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