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2019年06月22日

【OB・OGの声】ソルト(第14期TeamA 『はっぴいろ』)

ソルト(塩入美海) twitter:salt_eventer

第14期(2018夏) TeamA 『はっぴいろ』メンバー

自らもバンドでドラムを叩いていたり、ブラビの活動後も音楽イベントを2度主催。
また音楽だけにとどまらず、高校生だけのプロジェクトでワークショップを開催するなど、幅広く活躍している「ソルト」にインタビュー。
ブラビのこと、自分のこと、をお話していただきました。

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2019.6  取材・執筆 のぶさん(BBプログラム事務局)
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 : ソルトは今もイベントを企画したり、かなりアクティブですけど、現役時代から積極的でしたよね。中間プレゼン大会のときに、現役メンバーなのに、手をあげて他チームに鋭いツッコミとかしていましたよね。

しましたね!(笑)覚えています。私あのときから積極的な人間だったのかなぁ…積極的になれてましたか?。


当時は「積極的になろうとしていた、頑張っていた」時期かもしれないです。中学時代は消極的すぎて、自分のことが嫌だったんですよ。

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 : でも、ドラムも中学時代から叩いていたのでは?

あー、それも最初は自分からではなくて…。
バンドでドラムを叩き始めたのは中3からなんですけど、それまでは吹奏楽部で打楽器担当だったんですよ。ドラムだったり、小物楽器だったり。

うちの学校には、有志が参加する「特技紹介」みたいな時間があって、そこでたまたま同級生に「バンド組みたいです、ドラムだけ居ないです!」って人たちがいて。
そのときドラム叩ける人が私くらいしかいなかったんですよ。
だから「叩けるんでしょ、叩いてよ!」って感じで、あっちから来たから、じゃあ、みたいな。

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「居ても居なくてもいい人」と「欠かせない人」


誘われてやってみて思ったんですけど、バンドには「ドラマー」って、必要な存在なんです、居なきゃ成り立たないんですよ。
吹奏楽部で、小物楽器…タンバリンとかって、居なくても曲が成り立っちゃうじゃん、って思っちゃうんですよ。でもバンドのドラムは違う。ドラムめっちゃ大事なんです。

「ほら、このバンドにわたし、欠かせないでしょ!!」っていう感覚になって。

「居ても居なくてもいい存在」になりたくないんです。

昔は、教室の隅っこにいるような人間だったんです。
でもそんな自分が嫌で。
…いつからそう思うようになったのかは、自分でも分からないけど。バンドでドラムを叩いてから気づいたのかもしれない。
「居ても居なくてもいい人」じゃなくて「その場に必要な人になりたい」、って、思ってしまった。

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だから、たぶん、中間プレゼン大会で手を上げたのも、そうなんですよ。
黙って聞いてるだけだったら、私、あのとき、居ても居なくてもいいじゃないですか。
じゃあ、思ったことがあったら、聞いてみたいことがあったら、手を上げたほうが、
ぜったい私がそこにいる意味あるじゃないですか。


 : こうしたい、って思っても、なかなか出来ない人も多いと思うんですよね。それができるソルトは強いなぁ、と思ってしまいますよ

でも私、消極的な人間だったはずなんですよね。
そんな自分がほんとに嫌になってきて。
高校デビューで変わるしかない、変わろう、と思ったんですよ。
でもうちの学校、中高一貫だったんです(笑)、環境あんまり変わらないじゃん!と思って、外にでなくちゃな、と「ボランティアの場」を探し始めたんですよ。

ブラストビートを見つけた時、これだ!と思いました。
ただのボランティアじゃないし、音楽も好きだし、何かをつくる活動だし、もうこれしかないな、って。


 : ブラストビートの活動を振り返って、大変だった事や印象に残ったことは?

「チームの人たちと一緒に動くこと」そのものが大変でしたね。
そもそも一人で何かができると思ってたわけじゃないけど…シゴトの分担とか、連絡とか、あるじゃないですか。うまくチームワークできなかったり。
そんな中で、びとちゃん(はっぴいろチームメイト、)とか、アリス(はっぴいろチームメイト)とかを見て、「頑張ろう」って思ったから。

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■■ 人のためというより、なりたい自分になるために

 : その二人のチームメイトは、ソルトにとってどんな存在だったのですか?

なんていうか、私にとって どうこう じゃなくて、はっぴいろ にとっての?です。
アリスも、びとちゃんも、8人のチームの中で欠かせない存在…というか、「その場に必要な人」だったんですよ。
それに気づいた時に、私 はっぴいろ にとって「居ても居なくてもいい人」になってる!と思って。このままじゃダメだと思った、出来ることをやらなきゃって思って。

私は…これ言っちゃうと、ちょっとダメかもしれないですけど。
チームで仕事してた最後のほうは、「いいライブを作りたい」じゃなくて「二人みたいな存在になりたい」って思って動いてたんですよ。

そんな動機で参加してて大丈夫でしたかね…?

 : 何のために頑張るか、は人それぞれでいいと思ってます。…ブラストビートでは、それぞれがどんな動機で参加するかを大切にしているし、何を学び、何を持って帰るか、についても、指導や統一はしていないんですよね。

それがすごくいい。これからもブラビはそうあってほしいと思う。
考え方とか強制されたくないです。それぞれに頑張ってるのがいい。それでも頑張れるはずだし。

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 : ブラビをやってよかったと思うことや、ブラビで得たもの、などはありますか?

ブラビやってなかったら、たぶん、中学時代とおんなじで、消極的な人間です。
たぶん塾にも行き続けてて、今より勉強いっぱいしてるかもしれないけど…。

わたしブラビで変われましたよ。いい「一歩目」になった、と思ってます。イベント企画を今でもやっているのは、絶対ブラストビートのおかげ、はあります。


「はっぴいろ」のライブのとき…お客さんに「良かったよ」って言われたのが嬉しかったな、ってのはあるんです。
でも、その嬉しい気持ち、そのときの私自身の気持ち?が、自分にとっての本心かどうかも分からないんですよね。
外向けっていうか、ただの綺麗事かもしれない。
その気持ちが今の自分の原動力にどのくらいなっているのかも分からない。
もっと他のこと、ちゃんと自分の存在価値を出せたのかとか。そういうほうに気がいってたし。

なんか最近、いろいろ考えちゃうんですよね…。
でも今の自分は好きです。
昔より積極的になれてるから。

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◆インタビュアーmemo

ソルトは「タイミングを活かしている」んだなぁ、と思いました。
ドラムを探している人がいて、それを手伝ったから、気づけたことがあった。
変わりたいと思ったときにブラビを見つけて、そこでお手本や憧れになるチームメイトに出会えたから、頑張れた。
これからも、いいタイミングで、自分にとっていいことを選んでいくんだろうな、と思います。

のぶさん(山本修裕 / 社会人メンター・プログラム事務局)







2013年12月18日

わたしとブラストビート(高校2年生の振り返り)

プログラムが終わってから1か月ちょっと後、
参加した高校2年生に、
「感想を書いてみて」とお願いしたら、届いたのが、この文章です。

2013年夏に活動、10月にライブを開催した、
「Lucia」と名付けたチームのメンバー。
高校生5名、大学生1名で立ち上げ、
「オープンかつアットホームなイベントを提供する」という理念で活動しました。

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わたしとブラストビート  
             川上裕子
Luciaのイベントが終わって早一か月が経ちました。
ここでプログラムを経験して感じたことを振り返ってみようと思います。

わたしがブラストビートに参加しようと思ったのは、
起業に興味があるわけでも、社会貢献に興味があるわけでもなく、
学校生活がつまらなかったからです。
中学生の頃から吹奏楽部で音楽には興味があったのですが、
高校生になって、何のために吹奏楽をやっているのかを考えるようになりました。
考えても自分の納得する答えは見いだせず、もやもやした気持ちでいました。
そんな風に授業と部活だけのつまらない毎日を過ごしていたときに知ったのが
ブラストビートでした。

いちばん心惹かれたのは「音楽」というキーワードです。
説明会のときにブラストビートは音楽イベントを企画して開催する
プログラムであると知りました。
今まではずっと企画の上で演奏する立場しか経験したことがなかったので、
今までに経験したことのない初めてのことでした。
お金の運び方、企画づくりの流れ、3か月半一緒に走ってゆく仲間、
何も知らないままキックオフの日を迎え、Luciaは始まりました。
メンバー・メンターさん含め、11人編成だったのですが、
ほとんどが初対面でとても緊張しました。

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(毎週1回のミーティングを基本に、企画を進める)

キックオフから1か月以上経っても
定例ミーティングの雰囲気とLuciaの人たちに慣れなくて、
ずっと自分の意見を言い出せず、
「今日も自分の気持ちを言えなかった」というのが
わたしの毎回の反省でした。

毎回ミーティング後に、
「自分の気持ち、ちゃんと話せた?」
と気にかけてくれるメンターさんや、
もっと意見を出してほしいと言ってくれるメンバーがいて、
徐々に考えを出せるようになりました。
「こんなことを言ったらメンバーと仲悪くなるかな」とか、
「メンターさんに否定されたら嫌だな」とか、
ずっとそんなことを考えて怖がっていたときが本当にもったいなかったと思うし、
本当は何も怖いことではなかったんだと今は思います。

だから、自分の考えはちゃんと自分の外に出さないと後悔することがあるんだ
ということを学びました。

わたしがブラストビートのプログラムに参加して、
ブラストビートに一番想うのは、
「人と出会うことの素晴らしさを教えてくれてありがとう」ということです。

ブラストビートには、お父さんお母さん世代の人や、お兄ちゃんお姉ちゃん世代の人、
同い年の人など本当にたくさんの人であふれています。
普段の学校生活だけでは出会えない人たちとの出会いがたくさんあります。

自分が何かを始めようと思い立ったときに出会った、同志を抱いた仲間や、
それを応援してくれた人たちというのは
きっと今までもこれからもつながっていられるものだと思います。
ブラストビートはそんな、
人と出会いつながっていることの素晴らしさを教えてくれた場所です。
ブラストビートに出会えて本当に良かったです。
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(ライブ当日は、緊張しながらも舞台であいさつ)

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(ライブ終了後、メンバーとメンターで撮影)

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(メンバーや、同期の他のチームの学生たちと)

2013年08月20日

[参加者インタビューvol.2] めぐ(2012年度冬プログラム参加)


いつもより渋谷が慌ただしい。偶然にもこの日は選挙の前日。
とりあえず爆音から遠く離れようと、駅から少し離れたカフェへ向かう。
席につき少し待っていると、終業式を終えたばかりの女子高生がやってきた。

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【語り手】”めぐ”と呼ばれる高校3年生。高校2年生の冬にブラストビートに参加し、13人の高校生で構成された「InfiniTEENS」で社長を務めた。企業理念は『広がる世界、前向きな未来』。2013年4月28日に下北沢にて『Take Action!』をコンセプトにしたライブ「BL∞M」を開催した。キャッチコピーは「自分、満開予報。高校生が企画する、なりたい自分になるための被災地支援ライブ」。107名を動員し112,332円の利益を出し、公益社団法人Civic Force「夢を応援プロジェクト」に寄付を行った。
*「InfiniTEENS」のHP http://infiniteensbloom.wix.com/infiniteens

【聴き手】
ブラストビートでは”かべちゃん”と呼ばれる慶応義塾大学環境情報学部2年生。本名は廣川ともよ。ブラストビートのプログラムには2011年夏に参加し(当時高校3年生)、「ジェットコースター」というチームでイベントを開催した。ブラストビートの魅力に惹かれ、プログラム終了後も学生スタッフとして関わり続けている。2012年度プログラムでは大学生メンターを務め、2013年度からは取材班として活動中。趣味は写真、文章、映像などで、表現することを何よりも好む。
*Blog: http://tomoyo1994.blogspot.jp (@kabetaro)




ー今日はよろしくお願いします
「お願いします!え、めっちゃ緊張する!(笑)」

ー(笑) では最初に、ブラストビートに参加したきっかけを教えてもらえますか?
「えっと実は去年、学校で震災をテーマに活動する有志団体の代表をやってたんです。で、メンバーとチャリティライブを開催したいねって話になったんですけど、ライブのノウハウも知らなかったので全然話が進まなくて…、そんな時に辿り着いたのがブラストビートのHPでした。高校生でもライブ開催までの過程をサポートしてくださるって書いてあってちょうどいいなって思って、メンバーも誘ってみんなで参加することにしたんです。ブラストビートってだいたい個人で応募して、それを事務局が組み合わせてチームを作っていくと思うんですけど、私たちは最初から13人の1チームとして参加したので、ブラストビートの中では特殊なグループだったと思います。」

ーそうだったんですね。通常ブラストビートでは8〜10人で1つのチームを組みますが、13人だから大変なことってありましたか?
「仕事の分担は大変でした。13人だと人数が多い分結構仕事がやっぱり分散されてしまうんです。だから1人1人に責任感の違いが出てきてしまったりして、それと一緒にモチベーションの差も出てきてしまってました。モチベーションを保てた人が積極的に仕事をこなしてくれて、保てなかった人がちょっと遅れてしまうってこともあって…、仕事量の差は結構ありましたね。」

ーモチベーションが保てた人と保てなかった人の違いは何だったのでしょう?
「メンバーのうち6人は高校2年生、他7人はみんな下の学年だったんですけど、後輩たちが”先輩だから先輩がやってくれるかな、自分は先輩の指示を待てば良いや”っていう考えになってきてしまったんです。先輩後輩の関係を壊そうって言ってたんですけど結局壊せなくて…。たぶん自主性がなくなってきたからモチベーションが下がってしまったんだと思います。でも13人で最後までやりたいという想いがあったので、リーダーとしてみんながダレてきたりテンションが低くなってきた時に、『最後までみんなでやりたいじゃん!』っていう声がけをするように心がけてました。」

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ライブ終了後、お客さんとInfiniTEENSのメンバーで撮った集合写真


ーそもそもどうして社長をやろうと思ったんですか?
「実は校内の有志団体でなかなかリーダーシップを発揮してみんなをまとめられなかったっていう悔いが残ってて…。自分でいいチームをつくりたい、あとみんなの良さを引き出したいっていう想いがあって社長に立候補しました。」

ー社長に立候補した時、どんな社長になりたいか考えたりしていましたか?
「実は社長を決める時に、みんなで『どういう人に社長になってほしいか』を模造紙に書き出したんです。たとえば責任感が在る人、まわりを明るくしてくれる人、逃げない人、とか。そういうのがたくさん並べてあるのを見た時、なんだろう…、自分は社長にあってないんじゃないかって思ったんです。なかなか自分の性格と一致するものがなくて、結構ハードルが高いなって。自分は好きな事に対しては情熱があるほうなので、”想い”っていう面では大丈夫かなって思ったんですけど、雰囲気作りとか苦手だし、口下手だし、そういう欠点が結構うかびあがってきちゃったんです。で、どうしようかと思ったんですけど、みんなが『模造紙に書いたものを全部出来る人はいないし、社長が出来ない部分は私たちがフォローして補うから』って言ってくれたから、とりあえず社長になってみんなの力を見て、穴をうめるような存在になりたいって思いました。」

ーすごくいいチームですね。社長に立候補することは、めぐさんにとってある意味挑戦だったんでしょうか?
「なんだろ…、もとからリーダーに向いてる人とか、もとから出来る人っていると思うんですよ。だけど自分はそういう人じゃない。決してリーダーの適正があるわけでもなかったんですけど、挑戦することにしました。でもライブも成功しましたし、挑戦して良かったです。それに、強い想いからかは分からないですけど、なんかこう、『やろう!』っていう気持ちがあれば誰にでもできるっていう勇気をみんなに伝えられたのかなと思います。全然ダメダメだった私みたいな人にもできましたから(笑)」

ー謙虚ですね(笑)3か月の中で、社長としての自覚が芽生えた瞬間ってありましたか?
「ライブが1回延期になった時だと思います。そのときに、やっぱり延期になったのは自分のせいなのかなって責任を感じちゃったんですけど、それと同時に今までの自分は社長としての自覚をもって、『このままじゃやばいよ、本気で頑張ろう!』って言えてなかったことにも気づいたんです。その時にやっぱり自分は社長だからちゃんとしないといけないんだなっていうふうに感じました。」

ー失礼ですが、延期になった理由はなんだったんですか?
「当初は4月の頭にライブを予定してたんですけど、春休みということで海外に行ってるメンバーが多くてなかなか事が進まなかったんです。出演者も全然集まってなくて、このまま突っ走って1週間で頑張って集めるか、冷静にお客さんのことも考えて延期してより良いものを作るかっていうジレンマもあって…、結局ライブを延期することになりました。」

ーそうだったんですね。延期したライブが無事終わった直後の気持ちは覚えてますか?
「とりあえずホットしました(笑) 予想以上に人が来てくれたので、信じられなかったです。集客がすごく大変で、最後のミーティングの時点でも全然チケットが売れてなくて、絶対赤字になるだろうっていう覚悟だったんですけど、107人ものお客さんが来てくれました。なんでだろうって思ったんですけど、やっぱりみんなが陰ながら努力して呼びかけ続けてたからなんじゃないかなって思います。」

ーチケットを売るのはやはり大変でしたか?
「はい….。イベントのプレゼンをすると、『高校生なのにすごいね』って言ってもらえるんですけど、いざチケットを売ろうとすると『あ、考えときます』っていう人が多くて…。でもそんな時ブラストビートのスタッフの方に『その人が来てくれないと困る、来ないと本当に損をするよってことを伝えないとチケットを買いたいとは思ってくれないよ』ってアドバイスを頂いたんです。個人向けにあらためてアピールしないとダメなんだなって思いました。宣伝文句をひたすら並べても絶対響かないんです。だからそれ以降は相手によって伝え方を変えるようになりました。」

ーなるほど。ところでライブ当日、模造紙にサクラの幹を書いたものを壁に貼って、お客さんが花びらに夢を書いて貼っていくっていう仕掛けをしていたと思うのですが、あれにはどんな意味があったんでしょうか?
「ライブのテーマがBL∞Mだったんです。BL∞M、花が咲く。ちょうどライブが4月だったので、サクラが咲くのと同時に私たちの夢も咲かせようっていう想いを込めて、高校生に自分の夢を花びらに書いてそれを貼ってもらいました。ライブ終盤には花びらがたくさん貼ってあって、ほんとにサクラが咲いてるみたいに見えました。もう感動…(笑) スカスカかなぁって思ってたのに、意外にもびっしりうまったんです。あれだけの人が来てくれて、お金も集まって、ライブとしての質も満足のいくものになったのでたぶん成功って言えると思ってます。でもその成功はほんとにみんなの努力の賜物です。社長が1人で指示してるだけじゃ何も始まらなくて、みんなが積極的にやろうとしてくれたおかげで、すごくいいものができました。」

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ライブ会場の壁に貼ってあったサクラの幹。ライブ終了時には夢を書いた花びらで満開に


ーお話を聴いていると、すごくメンバーのことを大事にされてますよね。めぐさんにとってメンバーはどういう存在だったんでしょう?
「えー、なんだろ、難しいですね(笑) めっちゃくさいけど…、普通に単純に”仲間”。私たちはまだ学生だし、お金目的でやってる人もいなかったので、単純に”想いが一緒だったから”って理由で3か月やってこれました。だから…、メンバーはもう素直に”仲間”です(笑)

ー仲間、素敵ですね。社長をやったからこそ得られた学びはありましたか?
「んー、やっぱり、人をまとめることです。時間が経つにつれてそのまとまりが自然に消失するのって、自然なことじゃないですか。でもその自然の力にさからって人をまとめるのって大変だなって思いました。でもそれが社長の仕事だったし、それが社長としての一番のチャレンジだったと思います。」

ーチームをまとめるために一番大事なことって何だと思いますか?
「リーダーが一番強く想いを持つことだと思います。そうしないと人はついてこない。前に人をまとめさせるのは『お金』か『罰』か『想い』っていうふうに言われたことがあるんですけど、私たちはお金も罰もなかったので『想い』で人をまとめるしかなかったんです。だから私は『自分たちはこういうことをお客さんに伝えたいじゃん!こういう想いがあるから、そもそもやってんじゃん!』っていうのをみんなに言い続けてました。」

ーそうだったんですね。プログラムに参加する前と比べて、めぐさんの中に変化はありましたか?
「はい。ブラストビートをやるまでは、自分の学校生活に縛られて、新しいことをやってみようっていう気持ちになかなかなれなかったんです。でもイベントでお客さんが喜んでくれるのを見てすごく達成感があったので、こういうイベントを開催することに対してすごく前向きになりました。私たちの会社の理念が高校生を勇気づけていこうっていう意味を持っていたので、これからはそれをもっといろんな人に伝えていきたいです。学校→家→学校→家っていう生活が楽しければ全然良いんですけど、もしその生活に物足りなさを感じているなら『いろんなことを試していこうよ!一緒に楽しい事はじめてみようよ!』っていうふうに呼びかけられたらなって思ってます。」

ーそれはいいですね!では最後に、めぐさんが思うTake Actionの秘訣を教えてください。
「『楽しむ』ってことを伝えたいです。忙しすぎて疲れてくるときもあれば、何かが起こって辛いときもあると思うんですけど、やっぱり『楽しむ』ことが一番。成功させるための努力ももちろん必要なんですけど、それと同時に楽しむことも忘れちゃ行けないと思います。」

ーこれからのめぐさんの活動が楽しみです! お話を聴かせてくださって本当にありがとうございました!


聴き手・編集:かべ(廣川ともよ)

2013年06月20日

[参加者インタビューvol.1] もえ(2012年度夏プログラム参加)


東京、渋谷。夕飯時で人が溢れる駅前広場で私は1人の女の子を待っていた。
彼女に会うのは実は数週間ぶり。”もえ”と呼ばれるその子は、ブラストビート2012年度夏プログラムに参加し、「Chou Chou」というチームでイベントを開催したうちの1人だった。
(※このインタビューは2012年秋に行われました。)

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【話し手】
ブラストビートでは”もえ”と呼ばれる高校3年生の女の子。10人のメンバーが所属していた「Chou Chou」では広報を担当していたが、終盤は会社のマネージャー的存在に。2012年8月29日には恵比寿にてライブ「ONE’s YOUTH」を開催した。ライブのコンセプトは「旅〜世界を広げる〜」で、計94名を集客、BADO株式会社に約4万円を寄付した。
*「Chou Chou」のブログ http://ameblo.jp/chouchou-bb/

【聞き手】
ブラストビートでは”かべちゃん”と呼ばれる大学1年生。本名は廣川ともよ。ブラストビートのプログラムには2011年夏に参加し(当時高校3年生)、「ジェットコースター」というチームでイベントを開催した。ブラストビートの魅力に惹かれ、プログラム終了後も関わり続けている。2012年度プログラムでは大学生メンターを務めた。
*Twitter: @kabetaro




ー今日はよろしくお願いします。まずはイベントお疲れ様でした。
「ありがとうございます。」

ーイベント『ONE’s YOUTH』が終わって1か月経ちましたが、改めてイベントを思い返してみてどうですか?
「実は自分たちのライブが終わった後、Chou Chouのメンバーと一緒に他のチームのライブを何個か見に行ったんです。一緒に行ったメンバーはみんな自分たちのライブが一番だったって言ってて私も最初のうちはそう思ってたんですけど…、今の私は全くそう思ってないです。少なくとも一番ではないかなって。」

ー厳しいですね。自分たちのライブが一番になるには何が足りなかったんでしょう?
「当日は忙しくてしっかり本番を見れてなかったっていうのもあるんですけど、段取りがちょこちょこしっかりしてなかったなって思います。裏から見ていて、大分その場の流れで動いてた感じがありました。もっと事前に細かいところを確認しておくべきだったかなって思います。」

ー反省点はいろいろあるかとは思いますが、逆に自分たちのイベントでここが良かったっていうところはありますか?
「『旅』っていうコンセプトがしっかりしてたなと思います。実際に旅をしてきた旅人さんを呼んで旅の話をしてもらったり、アーティストの皆さんにステージ上でそれぞれの旅の話をしてもらったりしました。あと4組中3組が弾き語りで、1組がジャズピアノのセッションだったんですけど、お客さんは社会人が多くてわりと年齢層が高かったので、ものすごく盛り上がるというよりは弾き語りとかで落ち着いた盛り上がりが出来て良かったのかなって思います。ライブが終わった後に、お客さんとして来てくれていたお母さんとお父さんからも“アーティストさん達にちゃんと趣旨を理解してもらてたんだね”って言ってもらえて良かったです。」

ーなぜライブのコンセプトを『旅』にしたのですか?
「実は『旅』というコンセプトが決まったのはライブ6日前だったんですけど…(笑)」

ーえ?!6日前?!
「はい(笑) それまでは『世界を広げる』というコンセプトで、お客さんの交流タイムがあるようなライブをやろうという話になっていたんですが、ライブ1週間前になって実は細かい部分でメンバーが納得できていなかっということが分かって…。それでもう一度“自分の世界が広がるときってどんな時だろう?”というところに戻って話し合いました。その時にメンバーの1人が、自分の知らない分野に詳しい人に会った時自分の世界が広がるような気がすると言って、じゃぁどんな分野の人に会いたいんだろう?って考えたら、あぁ旅をしてきた人に会ってみたいねって話に行きついたんです。“『旅』いいじゃん!”って(笑)」

ーなるほど。それにしても6日前ってすごいですね、とてもリスクが大きい決断だったのではないかと思います。イベント開催を諦めようと思ったりはしなかったんですか?
「その日は渋谷でミーティングだったんですけど、それまでコンセプトにしていたものが倒れたのって実はその前日の夜だったんです。だから始まる前は一瞬、チラッとだけですけど、もしかしたらこのまま打ち切りもあるのかもしれないなって思ってました。イベントまで後6日しかないわけで、この時点でコンセプト変えて本当に大丈夫なんだろうかって。まだその時はアーティストも1組しか決まってませんでしたし…。私は諦めたくなかったけど、それこそ他のメンバーが“やれるの?”って雰囲気だったから、もしかしたらこのままイベントをやるよりも延期して立て直した方が良いのかなとも思いました。でも時間配分を間違えたとはいえ、この3か月を今本当に諦めても良いんだろうかってことはずっと考えてましたね。」

ーそうだったんですか。でも、結局Chou Chouは“諦めない”って選択肢を選びましたよね。それはなぜだったんですか?
「ミーティングの中でいろいろ話しているうちに、やっぱり諦めたくないって思いが強くなってきたんです。3か月やってきたことを無駄にしたくはないって。そう思ったらひとまず動かなきゃだめだなって思って、とりあえず私は自分がその時思っていたことを忘れないようにノートに書きだしました。それこそ決意固めのつもりで。確か、ようやくちゃんとしたコンセプトが決まったんだからもうこのまま動くしかない、みたいなことを書いたと思います。」

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ライブ終了後に撮影したChou Chouの集合写真


ーところで、会社名Chou Chouの由来って何だったんですか?
「Chou Chouはフランス語で“お気に入り”っていう意味です。社名を決める際にみんなで何個か候補をあげていったんですけど、なんとなく外国語が良いよねって話になったんです。そうしたらメンバーの1人がフランス語を調べてきて結果的に“Chou Chou”に落ち着きました。正直本当にこれで行くのかなとは思ってましたけど(笑)」

ー(笑)イベント名「ONE’s YOUTH」の由来も教えてもらえますか?
「これは本当にメンバーと裏話レベルの話なんじゃないかって言ってるんですけど…(笑)」

ーどういうことですか?(笑)
「実はChou Chouって3回企画を作り直してるんです。最後は『旅』で落ち着きましたけど、その前が『世界を広げる』で交流会のあるイベントで、更にその前の一番最初の企画が『青春』をテーマにしたJKライブだったんです。『ONE’s YOUTH』っていうのはその最初の企画の段階で決めたイベント名だったので、ただ『青春』って単語を英訳しただけでした(笑) 本当は途中でコンセプトも変わったしライブ名も変えたいねって話になったんですけど、結局その段階でチケットも刷っちゃってたので変えられませんでした。」

ーそんな裏話があったんですね(笑)ところで3回企画を作り直したと言っていましたが、その原因はなんだったんでしょうか?
「メンバー同士の意識の摺合せが出来ていなかったんだと思います。例えば誰かが企画のアイデアを出した時、他のメンバーはその人の話を聞くじゃないですか。その時にみんなそれぞれ「いいな〜」と思ってはいるんですけど、結局その「いいな〜」っていうのは部分的なものでしかなくて、アイデア全部に納得してるわけでも理解できていたわけでもなかったんです。サラッと聞いて、「いいんじゃない?」みたいな感じで進んでました。「みんな納得してる?」とか確認を取ることもありましたけど、結果的にそんなに突っ込んでなかったし、ちゃんとお互い話して妥協点を探したりも出来てませんでした。だから企画を詰めていく中で“本当にこれでやれるの?”って疑問が何度も出てきてしまったんです。」

ーどうしてもっと早い段階で企画への疑問や違和感を言えなかったのだと思いますか?
「言えなかったというか…、たぶん“ひとごと”だったんだと思います。あんまり現実味がなかったというか、企画アイデアを聞いてもそれを頭の中にイメージすることができなかったんです。だからはっきり言うことも、突っ込むこともできず、そのまま流しちゃってたんだと思います。」

ーなるほど。3か月の間にモチベーションの波はありましたか?
「波はありましたね…、例えば3か月の最初の方は、確かに楽しかったけどイベントに対してのモチベーションは全然なかったです。それこそイメージもできてなかったですし。でも一番最初のミーティングでどんなイベントがしたいかをみんなでブレストした時は、“楽しい!”って思ったからモチベーションもちょっと上がりましたね。特に、企画が決まった時は特にモチベーションがあがったかなと思います。これに向かえば良いっていうのがちゃんと見えてきたっていうのが私にとっては大きかったです。」

ーもえさんにとって、Chou Chouで得た学びってなんだったんでしょうか?
「“自分で動かなきゃどうにもなんない”っていうのが大きいですね。常々人が嫌なだと思うことをやりなさいとか言われてきましたけど、結局なんとなく逃げてしまうことが多くて…、でも自分が本格的に関わるとしたら、自分が動かないと本当に動かなくなるんだなって思いました。」

ーそれはチームのためですか?それとも自分のため?
「半々ですね。それこそ最後の方はチームのためはほとんどなかったです。でも自分のためというわけでもなくて、それよりはチーム以外の周りの人のためって感じでした。アーティストさんとか、寄付先の皆さんとか、お客さんとして来てくれるって言ってくれた友達とか、散々迷惑かけたけど力になってくれた親とか、メンターさんたちとか、ブラビの人とか…、そういう人たちに対してちゃんとやり遂げなきゃまずいなって思ったんです。」

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写真を勉強しているもえさんが撮った一押しの一枚


ーではそろそろまとめに入っていきたいと思います。
「はい!」

ープログラムを始める前の自分と今の自分に変化はあると思いますか?
「フットワークは軽くなったし、参加できるものは全部参加しようって思うようになりました。選ばなくなったのかな。自分が参加できるって分かったら、とりえず“じゃやってみよう”って(笑)なんでも経験してみないとわからないし、意外とそういうのって参加した時はわからなくても後々思い返してみたら自分のためになってたりすることが多いんです。」

ープログラムに参加することで得られた学びや気づきはありましたか?
「人を喜ばすって経験が出来たのかなって思います。あと、私はつなぎ役が好きなんだなっていうのに気付きました。それこそ私は今回アーティストさんとお客さんのつなぎ役をやってましたし、きっとそれは自分が写真を撮ったり映像を撮ったりするのが好きな理由と同じなんじゃないかなって思います。学校でも、“こんな楽しいことがあったよ”とか“こんな子がいるんだよ”ってことを多くの人に知ってもらいたくて写真を撮ってFacebookにあげたりしてますし、きっとつなぎ役になりたいっていうのは無意識的にずっとあったんだと思います。最近になってやっとそれを意識できるようになりました。人にもよるとは思いますけど、ブラストビートって楽しいし、すごく経験できるし成長もできる所だと思います。1つのことに打ち込むって経験ってあまり出来ないし、それこそかべちゃんが最初に言ってたけど、“本気でやればやるほど、学びが多い”プログラムだなって思います。そのうち学生メンターにも挑戦したいです!」

ー自分がやりたいことがちょっとずつ見えてきてる感じがすごく素敵ですね。陰ながら応援してます!今日は長い時間ありがとうございました!
「ありがとうございました。」


編集:かべ(廣川ともよ)