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7月14日「木材の搬出の取り組み」勉強会の報告[2014年07月15日(Tue)]
 農都地域部会バイオマス発電事業化促進ワーキンググループ(WG)は、7月14日(月)夕、定例の勉強会を開催しました。
 →イベント案内

 会場の港区神明いきいきプラザに50名を超える参加者が集まり、「バイオ燃料としての木材の伐採・搬出の取り組みと課題」のテーマで、講演と質疑・意見交換が行われました。

バイオマスWG7月勉強会

 はじめに、東京製綱株式会社鋼索鋼線事業部の守谷敏之氏と山田洋路氏より、「架線集材方式について」と題して、講演が行われました。
 架線による集材の仕組やワイヤーロープの品質の説明などのほか、架線方式による集材は、団地化(広域集約)することと新技術の導入により生産性、収益性は高くなる、林業振興に有効などのお話がありました。

バイオマスWG7月勉強会

バイオマスWG7月勉強会

講演と質疑の概要を記します。
・架線集材とは、機械集材装置(集材機、架線、搬機、支柱等)を用いて木材を運搬することをいい、労働安全衛生規則、機械集材装置構造基準等の適用がある。「索張りの方式」により、タイラー式、エンドレスタイラー式、フォーリングブロック式などがある。ワイヤロープは、決して軽いものではないため、索張りには、ボートウィンチやヘリコプターが用いられる。ロープは、心材、より方によって様々な種類がある。
・「先進的林業機械緊急実証・普及事業」(林野庁)において、海外製の架線系機械等が導入されている(ウッドライナー等の高性能搬機、タワーヤーダ、特殊ロープ等)。高知(土佐れいほく)、長野、福岡、静岡などで先進的取り組み事例がある。東京製綱としては、架線系システムの普及に貢献するため、森林総合研究所等とも連携し、ウッドライナー用ロープやタワーヤーダ用ロープの国産化に取り組んでいる。

・架線集材に際し、現場でエネルギーは投入するか?その場合には、そのためのバイオマス発電の利用可能性は? →架線集材は、索を動かすウィンチ等に動力を使用する。一般的には、軽油を使用するディーゼルエンジンが多いと思う。バイオマス燃料の適用は、出力を得られるのであれば十分あり得ると思う。
・架線方式の普及状況は如何か? →昭和40年代頃までは、架線方式が圧倒的だったが、その後、ブルドーザー方式にとってかわられた。最近、架線が復活しつつある。
・路網整備が不要等コスト面での効果は? →H型方式などでは、面的に集材できるので効果が大。
・ロープの寿命は? →1年〜5年。
・落雷の危険は? →山なので落雷は結構ある。
・設置コストは? →購入費用は、ウッドライナー単体で1000万円前後、タワーヤーダで3000〜4000万円前後といわれる。勿論、能力によって異なる。
・なお、架線系は、斜面勾配30度以上の車両系の入れない場所で適用される。日本の森林の6〜7割は、斜面勾配30度以上であり、架線系を発展させる必要があるとの認識でいる。

(以上、後日の補足含む)

バイオマスWG7月勉強会

バイオマスWG7月勉強会

 続いて、認定NPO法人蔵前バイオマスエネルギー技術サポートネットワーク(K-BETS)副理事長の米谷栄二氏より、「Kシステム(チェーン式集材方法)について」のお話がありました。
 簡便なチェーン方式で林材移動するKシステムの説明を聞き、感心された方が多かったようです。Kシステムでは、移動する木材の頭にキャップをかぶせて滑りを良くすることで下りだけでなく上り斜面でも木材の移動が容易にできる、キャップがポイントで、どんな急斜面でも安全に取り扱いが可能とのことでした。
 ビデオの上映があり、会場内にミニチュアモデルを設置して実演を見せていただいたのが参加者に好評でした。

バイオマスWG7月勉強会

 何故、木材の搬出が進まないのか、架線方式やKシステムにより改善されるのか、搬出が進むのかが、今回の勉強会のテーマでした。
 林業振興策等で間伐が行われても、伐採された木材の多くは山林に放置されているのが現状です。林地残材をバイオマスエネルギーとして利用するには、地域の人々の手で簡便に山から降ろすことが課題となっています。放置された材や間伐材の搬出に、低コストのKシステムの活用が地域で進むことを期待したいと思います。
 林業発展のため、架線方式による大規模集材の可能性も考えたいと思います。質疑応答では、生産性が課題という意見もありましたが、急斜面や沢筋では使えない車両系に代わって利用できるのが、架線系やKシステムの強みと思います。
 「日本の山林には車両系では不適なところが多くあり、架線系の重要性が再認識されてきています。架設性や安全性を高めた架線集材用の機械の開発・改良等がさらに必要ですが、地形や規模に適したいろいろな集材方法が使われて日本の林業が発展していく事を期待したい」という説明がありました。

 林業機械については専門メーカーのイワフジ工業営業部の飯田様から、開発状況などのコメントをいただきました。

バイオマスWG7月勉強会

 アンケートへ、多数の参加者からご記入をいただきました。「架線集材を初めて知った。そういう方法があったのかと勉強になった」、「NPOの現場の意見が聞けて良かった」、「Kシステムは、低コストで、発想が面白いと思った」、「価格面、資金面等率直な話が聞けて面白かった」、「安全性についてもう少し議論してほしかった」などの回答がありました。「集材コストの大幅低減と林業従事者の国家的な育成支援策」が必要とのご意見もありました。

 終了後、参加者から、「搬出間伐では、緑の雇用で若手山林作業員の育成に成功したここ10年、車両系の普及へと林野庁が舵を切ったため、架線系の設置技術、運転技術の次世代への継承が不十分と感じています。ここに来て架線系の見直しを政策的に進められていますが、森林組合系統ではこの10年の架線系の空白は結構大きいと思います。特にH型架線は大型団地での搬出間伐に活躍する技術である反面、索張りやウインチ操作に熟練を要するため、今後は、現場レベルでのこうした技術継承がますます重要になってくると考えます」というご意見をいただきました。参考になると思われるのでここに記させていただきます。

 今回も盛況な勉強会となり、木材搬出への理解が進み、木質バイオマス原料調達の課題を深く考える有意義な会になったと思います。
 講師並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。

(追記)
 米谷氏の講演では、Kシステムの動画がありました。K-BETS様のご厚意により、当日のプレゼン資料と併せて次からご覧になれます。Kシステムについてのお問合せはK-BETS様へお願いします。


 →米谷氏プレゼン資料(PDF)
 →K-BETS ホームページ
Posted by NPO農都会議 at 18:11 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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