4月9日茨城県神栖市フィールドワークの報告[2024年04月13日(Sat)]
最初に、茨城県神栖市で脱炭素型施設園芸を実践してきた田川農園を見学しました。田川氏は、暖房や防虫など様々な工夫が必要なピーマンのハウス栽培の専業農家として、省エネ等脱炭素、化学農薬の使用量削減、収量増などを地域へ普及したいと考えてきました。
当会が本年2月に実施した農林業のJ-クレジット勉強会での氏の説明を再掲します。
・ピーマン作りとともに脱炭素の活動に取り組み、20年間の様々な試行錯誤の末、一昨年までに茨城県の平均的な農家の燃料使用量に対し3分の1を実現した。今シーズンは、更に薪ボイラーの導入により12アールで約500リットルと約97%の化石燃料削減を実現した。
・木質ペレット温水ボイラーを採用し、発生したCO2と温水の熱利用の実現化や、ピーマン残渣から炭を作ったり、水封マルチや水槽を用いたハウスの改善と保温、夜間蓄熱による温水利用などの工夫が功を奏した。
・こういった化石燃料使用に取り組む農家にはJ-クレジットが組み込まれることを期待したい。
午後は近くの木質バイオマス発電所の見学を行いました。2019年5月に運開したJRE神栖バイオマス発電所は、出力24,400 kW、年間発電量約200,000,000 kWhと一般家庭約45,000世帯分の電力消費量を年間で発電。100%国産材の発電所としては有数の規模を誇り、現在はENEOSリニューアブル・エナジー株式会社に所属しています。
燃料の木質チップは、すべてグループ会社の株式会社エバーグリーンから供給を受け、未利用材が約4割、建築廃材が5割近く、残りが一般材とのことです。
エバーグリーンは、関東から東北一帯にかけて山林所有者や森林組合等と連携して燃料材を調達するとともに社有林を増やす中で植林を行い、造林サイクルを回すことでバイオマス発電所のカーボンニュートラルに貢献しようとのことです。
発電所プラントの心臓部は荏原製作所製の流動床ボイラーで、熱で水を蒸気に代え、高熱の蒸気でタービン(川崎重工製)をまわして発電するとのことです。流動床式は燃料チップの水分率に左右されない特質があるため、燃料の乾燥工程が省けるメリットがあります。
発電所側との意見交換で、田川氏等より「収量を上げる為にはCO2施用が必要であり、発電所の排出CO2や排熱を有効活用できないか」などの質問があり、杉村所長より「排熱利用についてはさまざまに検討したが簡単ではないことが分かった、CO2の外部販売については初めて聞くアイデアであり検討したい」などの回答がありました。
(参考)
ENEOSリニューアブル・エナジー バイオマス発電事業
https://www.eneos-re.com/business/biomass/
農都会議は、今年度も複数回のフィールドを開くことを検討中です。興味や問題意識をお持ちの皆さまのご参加をお待ちしております。
今回ご参加された皆さま、田川農園さま、神栖バイオマス発電所さま、誠にありがとうございました。
<いままでのフィールドワーク記録の一部>
・「木を植えよう! カーボンプライシングを考える植樹体験会」フィールドワーク (2023年5月)
・飯能市自由の森学園の薪ボイラー視察ク (2021年4月)
・九州バイオマス発電視察フィールドワーク (2018年9月)
・道志村バイオマス施設視察フィールドワーク (2018年8月)
・小田原地域エネルギー視察フィールドワーク (2018年7月)
・いばらき塾 第2回 森里川フィールド (2018年5月)
・あわら・金沢フィールドワーク (2017年11月)
・飯能バイオマス施設見学フィールドワーク (2017年4月)
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