12月13日地域からの政策提言づくり勉強会の報告[2021年12月20日(Mon)]
NPO法人農都会議は、12月13日(月)夕、「2022年政策提言に向けたSG第1回 『市民・企業・地域からの政策提言づくり』 勉強会〜身近な課題の解決策を気軽に提案しよう!」を開催しました。

農都会議は、農山漁村と農林業に関して市民・企業・地域の現場から課題に取組み、勉強会やフィールドワーク等を通じて提言の取りまとめを行っています。
農都会議は、農山漁村と農林業に関して市民・企業・地域の現場から課題に取組み、勉強会やフィールドワーク等を通じて提言の取りまとめを行っています。
2013年4月にバイオマスWGが設置され、2013年度はWGから第1次と2次の2回の提言、2014年度は緊急提言と第3次提言の2回の提言を関係方面へ提出してきました。2015年度以降は、それまで年毎に経過報告会を開いて検討した後に提言を取りまとめていたものを、必要に応じて「政策提言SG」(スタディグループ)を開いてその年の提言を取りまとめるスタイルに変えました。
今回は、「2022年提言取りまとめに向けた政策提言SG」の1回目として、20名弱の参加者が集まり、2022年提言に向けた提案募集と意見交換を行いました。
第1部は、主催者説明として杉浦代表理事より、2021年提言の総括と2022年提言検討にあたって、次のお話がありました。
・2021年政策提言は、皆様のおかげで一人ひとりの意見が多数集まって大変良かった。それがあることによって、農都会議の提言をまとめることができた。
・2022年提言の考え方は2021年提言とほぼ同じだが、「脱炭素」「地域主導」などを基本テーマとして取り組みたい。各省庁の予算づくりに間に合うよう来年5月の連休明けまでに取りまとめたい。
・提言づくりのポイントは、取組む課題と提言する目的(得たい成果)を明確にし、解決策等の提案を具体的に記述することだ。
第2部は、テーマ別研究会が行われました。研究会は、8月23日提言発表会(21年提言SG第3回)での意見交換の結果、(1)熱利用推進、(2)分散エネ(バイオマス)実装、(3)林業構造改革、(4)失敗事例(ボイラー、林業機械等)など4つのテーマに分けて議論を進めようとなったため、22年提言SGで初めて取り入れることにしました。
最初に、三重大学名誉教授の法貴誠氏に、熱利用推進(薪ボイラー・薪ストーブ等)について説明していただき、続いて、篠田株式会社の柳楽行宏氏に、薪関連の21年提言について説明をお願いしました。
法貴氏は、「木質バイオマスの効率よい使い方はストーブが良い。林地残材や製材の端材を燃料に使えば、林業にも良い効果を与える。日本は薪ストーブの文化が無い。課題は、国民の理解、住宅の断熱、機器と燃料のコスト削減など。ユニットの規格化も必要。」と述べられました。
また、「欧米に比べ日本の薪ストーブの普及率は非常に低い。ただし、国民の2割が関心を持ち、市場ポテンシャルは高い。森林バイオマスは、収集コストが高くエネルギー密度は小さいため小型地産地消が基本で薪ボイラー・小型ボイラーが適す。最近の薪ストーブは、燃焼効率が良く、二次燃焼システムで排気がクリーン、一度薪をくべると長時間持つので、趣味に止まらず実用的になっている。可能な地域ではぜひ使ってほしい。」とお話しされました。
第3部は、薪ストーブ・薪ボイラーについての意見交換と、研究会の進め方や提言の取りまとめ方法などについて、参加者の皆さまと相談を行いました。
意見交換の概要を記します。
・政策としてみた場合に熱利用は「研究開発型」であり、補助金の対象は建築、販路開拓などが考えられる。
・消費者からすると薪ボイラーは使いづらい。子どもの頃、北海道では灯油・重油ボイラーで煙突掃除が大変だった。私の意見として、地域のコミュニケーションを兼ねて、銭湯など中小規模用途が良いではないか。
・茨城の実家でハウスに薪暖房や石油ファンヒーターを入れているが、煙突掃除と廃油の処理が難問。
・(司会)提言するとしたら、何を目的とし、具体策は何でしょうか?
・補助金から一度脱すること。薪ストーブは安くできる、煙突が難しいが。場所は林家と離れている田舎が好い。自治体のカーボンオフセットの適用を受けられるようにしたら良い。
・普及には「税制」を活用する。地方税には固定資産税がある。
・一般市民に薪ストーブは手が届かない。
おかげさまで、薪は不便という従来の見解に対し、技術の進歩で使いやすい機器となっている、コストは量産されれば安くなる、自治体によるカーボンオフセットや税制活用で、脱炭素と地域資源の循環が実現できる、等々の意見が出されました。2022年政策提言づくりに向けて大変良いスタートが切れたと思います。ご参加の皆様に心から感謝いたします。
次回(22年SG第2回)は、各自の提案を持ち寄っていただき(簡単なメモでも可、書式へ記入でも可)、(1)熱利用推進、(2)分散エネ、(4)失敗事例などをテーマに提案発表と意見交換を行いたいと思います。
<ご参考>
■ 政策提言
・農都会議の2021年政策提言
○政策提言「バイオマス熱利用の本格的な普及拡大の実現に向けて」
・農都会議の2020年政策提言
・農都会議の2019年政策提言
・農都会議の2018年政策提言
・農都会議の2017年政策提言
・農都会議の2016年政策提言
・農都会議の2014年政策提言(第3次)
・農都会議の2014年政策提言(緊急)
・農都会議の2014年政策提言(第2次)
・農都会議の2013年政策提言(第1次)
■ SG開催の記録
・2021年8月23日「地域・企業の現場から政策提言」発表会の報告
・2021年7月12日政策提言SGの報告
・2021年6月7日政策提言SGの報告
(2020年政策提言に向けたSG開催の記録はありません。)
・2019年11月18日政策提言SGの報告
・2019年4月15日政策提言SGの報告
・2018年1月19日政策提言SGの報告
・2017年7月14日政策提言SGの報告
■お問い合わせ
NPO法人農都会議 事務局
E-mail:noutokaigi@gmail.com
URL:https://blog.canpan.info/bioenergy/
今回は、「2022年提言取りまとめに向けた政策提言SG」の1回目として、20名弱の参加者が集まり、2022年提言に向けた提案募集と意見交換を行いました。
第1部は、主催者説明として杉浦代表理事より、2021年提言の総括と2022年提言検討にあたって、次のお話がありました。
・2021年政策提言は、皆様のおかげで一人ひとりの意見が多数集まって大変良かった。それがあることによって、農都会議の提言をまとめることができた。
・2022年提言の考え方は2021年提言とほぼ同じだが、「脱炭素」「地域主導」などを基本テーマとして取り組みたい。各省庁の予算づくりに間に合うよう来年5月の連休明けまでに取りまとめたい。
・提言づくりのポイントは、取組む課題と提言する目的(得たい成果)を明確にし、解決策等の提案を具体的に記述することだ。
第2部は、テーマ別研究会が行われました。研究会は、8月23日提言発表会(21年提言SG第3回)での意見交換の結果、(1)熱利用推進、(2)分散エネ(バイオマス)実装、(3)林業構造改革、(4)失敗事例(ボイラー、林業機械等)など4つのテーマに分けて議論を進めようとなったため、22年提言SGで初めて取り入れることにしました。
最初に、三重大学名誉教授の法貴誠氏に、熱利用推進(薪ボイラー・薪ストーブ等)について説明していただき、続いて、篠田株式会社の柳楽行宏氏に、薪関連の21年提言について説明をお願いしました。
法貴氏は、「木質バイオマスの効率よい使い方はストーブが良い。林地残材や製材の端材を燃料に使えば、林業にも良い効果を与える。日本は薪ストーブの文化が無い。課題は、国民の理解、住宅の断熱、機器と燃料のコスト削減など。ユニットの規格化も必要。」と述べられました。
また、「欧米に比べ日本の薪ストーブの普及率は非常に低い。ただし、国民の2割が関心を持ち、市場ポテンシャルは高い。森林バイオマスは、収集コストが高くエネルギー密度は小さいため小型地産地消が基本で薪ボイラー・小型ボイラーが適す。最近の薪ストーブは、燃焼効率が良く、二次燃焼システムで排気がクリーン、一度薪をくべると長時間持つので、趣味に止まらず実用的になっている。可能な地域ではぜひ使ってほしい。」とお話しされました。
第3部は、薪ストーブ・薪ボイラーについての意見交換と、研究会の進め方や提言の取りまとめ方法などについて、参加者の皆さまと相談を行いました。
意見交換の概要を記します。
・政策としてみた場合に熱利用は「研究開発型」であり、補助金の対象は建築、販路開拓などが考えられる。
・消費者からすると薪ボイラーは使いづらい。子どもの頃、北海道では灯油・重油ボイラーで煙突掃除が大変だった。私の意見として、地域のコミュニケーションを兼ねて、銭湯など中小規模用途が良いではないか。
・茨城の実家でハウスに薪暖房や石油ファンヒーターを入れているが、煙突掃除と廃油の処理が難問。
・(司会)提言するとしたら、何を目的とし、具体策は何でしょうか?
・補助金から一度脱すること。薪ストーブは安くできる、煙突が難しいが。場所は林家と離れている田舎が好い。自治体のカーボンオフセットの適用を受けられるようにしたら良い。
・普及には「税制」を活用する。地方税には固定資産税がある。
・一般市民に薪ストーブは手が届かない。
おかげさまで、薪は不便という従来の見解に対し、技術の進歩で使いやすい機器となっている、コストは量産されれば安くなる、自治体によるカーボンオフセットや税制活用で、脱炭素と地域資源の循環が実現できる、等々の意見が出されました。2022年政策提言づくりに向けて大変良いスタートが切れたと思います。ご参加の皆様に心から感謝いたします。
次回(22年SG第2回)は、各自の提案を持ち寄っていただき(簡単なメモでも可、書式へ記入でも可)、(1)熱利用推進、(2)分散エネ、(4)失敗事例などをテーマに提案発表と意見交換を行いたいと思います。
<ご参考>
■ 政策提言
・農都会議の2021年政策提言
○政策提言「バイオマス熱利用の本格的な普及拡大の実現に向けて」
・農都会議の2020年政策提言
・農都会議の2019年政策提言
・農都会議の2018年政策提言
・農都会議の2017年政策提言
・農都会議の2016年政策提言
・農都会議の2014年政策提言(第3次)
・農都会議の2014年政策提言(緊急)
・農都会議の2014年政策提言(第2次)
・農都会議の2013年政策提言(第1次)
■ SG開催の記録
・2021年8月23日「地域・企業の現場から政策提言」発表会の報告
・2021年7月12日政策提言SGの報告
・2021年6月7日政策提言SGの報告
(2020年政策提言に向けたSG開催の記録はありません。)
・2019年11月18日政策提言SGの報告
・2019年4月15日政策提言SGの報告
・2018年1月19日政策提言SGの報告
・2017年7月14日政策提言SGの報告
■お問い合わせ
NPO法人農都会議 事務局
E-mail:noutokaigi@gmail.com
URL:https://blog.canpan.info/bioenergy/
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