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10月21日「地域のSDGsはどこまで進んだか?」勉強会の報告[2021年11月04日(Thu)]
 NPO法人農都会議は、ちば里山・バイオマス協議会と協働して、10月21日(木)午後、「地域のSDGsはどこまで進んだか? 事例と課題 〜“SDGs未来都市”市原市の里山と都会が両立する暮らし、人と自然を“つなぐ”銀座ミツバチプロジェクト」オンライン勉強会を開催しました。
 →イベント案内

10月21日地域のSDGs勉強会

 SDGsは、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年までに達成すべき17の目標を掲げています。今回の勉強会は、地域のSDGsの浸透度を事例を通して学び、一緒に課題を考えようと、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
 参加は約30名でした。NPO法人農都会議の杉浦英世代表理事が開会挨拶を行いました。


 第1部は、千葉県市原市企画部長の高澤良英氏より、「市原市のSDGs未来都市がめざすもの」のテーマで講演がありました。
 高澤氏は、市原市がSDGs未来都市に選定されたこと、市原市の概要・特性・地域課題などについてお話しされ、市原市のSDGs戦略は、「科学×里山×ひとをSDGsでつなぎ皆で未来へ」、「SDGsのシンボルとなるまちへ」を掲げ、(1)市原発サーキュラーエコノミーの創造、(2)里山・アートを活かした持続可能なまちづくり、(3)すべての子ども・若者に夢と希望をの三つのプロジェクトを実施していると説明されました。

10月21日地域のSDGs勉強会

 また、次のように述べられました。
・カーボンニュートラルは追い風か?向かい風か?市原市は製品出荷額は全国2位だが、税収の4割は石油コンビナートから成っている。
・女性・若い世代の転出が多い。市原市の課題をSDGsで解決したい。いろいろな政策をSDGsをからめて動かしている。
・千葉大学の倉阪教授から「里山房総」の提案をいただき、都心に近い里山としての立ち位置を明らかにした。

 チャットの質問への回答です。
Q:市原市の水自給率は?
A:里山は井戸があって困らない。
Q:未来都市の補助金は?
A:1年間だけ1,700万円強の事業費を組んでいる。
Q:森林組合や林業事業体の活動は?
A:市原の森林面積を考えると組合だけでは足りない。民間の力を借りたい。
Q:ドローン活用は?
A:社会実験中である。
Q:空き家対策は?
A:古民家活用と老朽対策を助成金を活用して実施中。


 続いて、NPO法人銀座ミツバチプロジェクト 副理事長、農業生産法人 株式会社銀座ミツバチ 代表取締役社長、銀座の街研究会 代表世話人の田中淳夫氏より、「人と自然をつなぐ銀座ミツバチプロジェクト」のテーマで講演がありました。

10月21日地域のSDGs勉強会

 田中氏は、「経験のないコロナ禍の中、ミツバチと環境、緑化、教育に加えて、再生エネルギー事業も繋ぎ、都市と地域を結ぶ新しい循環型社会の扉を開く」とお話しされ、次の点について説明されました。
・銀座でミツバチプロジェクト開始
・全国の出前授業でミツバチを通して環境教育
・養蜂でグリーンツーリズム
・銀座で各地の野菜などを収穫
・銀座ブランドの芋焼酎、全国へ広がる
・全国ミツバチプロジェクト会議
・今後の地域デザインプラン案
 また、「ミツバチの働きを通じて銀座の生態系を知ることができる。ミツバチによる受粉で成った実を鳥が遠くへ運ぶ、ハチを鳥が食べる等々の蜂の活動を知ることで環境教育となる。銀座の中でさまざまなコミュニティが連携する。蜂蜜や芋焼酎などの商品販売が社会活動となる。全国の高校がミツバチを飼って社会活動をするようになった。」と述べられました。

 チャットの質問への回答です。
Q:蜂蜜の味は地域で違う?
A:サクラ→ナノハナ→トチノキ・マロニエ→ユリノキと、銀座のビル街に咲く花は季節によって劇的に変わり、蜂蜜の味もその都度変る。
Q:ネオニコチノイドなど農薬がミツバチに与える絵今日をどう考えますか?
A:日本では(EUと異なり)農薬を使うので、地域によっては養蜂が難しい。
Q:銀座ミツバチプロジェクトのきっかけは?
A:岩手県の養蜂家、藤原さんとの出会いが大きかった。


 第2部は、質疑応答と「地域のSDGsはどこまで進んだか?」をテーマにディスカッションが行われました。第1部の講師の高澤良英氏と田中淳夫氏をパネリストに、モデレーターはちば里山・バイオマス協議会代表幹事、一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟理事、NPO法人農都会議理事の高澤真氏にお願いしました。

10月21日地域のSDGs勉強会

 ディスカッションでは、
・メガソーラーとソーラーシェアリングの違いの理解が難しい
・営農型ソーラーシェアリングは10年でペイするが理念に賛同してやってほしい
・耕作放棄地の問題は農政の規制が時代に合わなくなってきたこと
・所有者不明土地問題の権利関係は自治体が公権力を行使して入っていける
・学校が無くなるのは地域の人々には大変なショック
・ミツバチを介したネットワークがつながって皆にベネフィットが増えてくる
・SDGsは“マッチングアプリ”である
と、市原市の高原部長には里山を詳しく話していただき、銀座ミツバチの田中氏には各地域に関わってSDGsが進化・深化していることを話していただきました。

 閉会挨拶は、NPO法人農都会議理事、いばらき里山・バイオマス協議会会長の原田博夫が述べました。

10月21日地域のSDGs勉強会


 今回は、“SDGs未来都市”市原市の里山と都会が両立する暮らしと人と自然を“つなぐ”銀座ミツバチプロジェクトの二つの事例を通して地域のSDGsの現状と課題を学ぶことが出来ました。私たちが暮らしている地域にとっては、SDGsの17目標のひとつ一つにまず取り組む必要があります。地域の人々が、目の前の問題に協力して対応することでSDGsの各ゴールに近づいて行けることになります。その意味で、地域毎の課題や今後のローカルSDGs活動の進め方を多様な視点で考える、たいへん有意義な場になったと思います。
 講師の皆さま並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。

※会員様には、講演資料・要旨とディスカッションの概要を含むレポートをお送りします。
Posted by NPO農都会議 at 13:31 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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https://blog.canpan.info/bioenergy/archive/357
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