
8月23日「地域・企業の現場から政策提言」発表会の報告[2021年09月05日(Sun)]
NPO法人農都会議 政策提言SG(スタディグループ)は、8月23日(月)夕、「『地域・企業の現場から政策提言』発表会 〜身近な課題の解決策を気軽に提案しよう!」を開催しました。
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農都会議は、農山漁村と農林業に関して市民・企業・地域の現場から課題に取組み、勉強会やフィールドワーク等を通じて提言の取りまとめを行っています。当会の会員、ML参加者の皆様に日頃取組んでいる課題についての提言・提案を募ったところ、多くの提案をいただきました。そこで、それらを発表する場として、今回の「2021年提言取りまとめに向けた政策提言SG 第3回」を開催することになりました。
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農都会議は、農山漁村と農林業に関して市民・企業・地域の現場から課題に取組み、勉強会やフィールドワーク等を通じて提言の取りまとめを行っています。当会の会員、ML参加者の皆様に日頃取組んでいる課題についての提言・提案を募ったところ、多くの提案をいただきました。そこで、それらを発表する場として、今回の「2021年提言取りまとめに向けた政策提言SG 第3回」を開催することになりました。
Zoomを利用したオンラインミーティングに30名近い参加者が集まり、提案発表と質疑、意見交換が行われました。
最初に、杉浦代表理事より次の話がありました。「2010年1月の発足以来、年毎に提言を発表してきました。当会の提言の特徴は、“会員の皆様の草の根から発する”ことです。シンクタンクや専門家の作ったものではないということです。
今回は19件の提案があり、今日はその中の14件の提案を発表していただきます。初めて提言をまとめたという方もいらっしゃいます。仕事で取組んでいる課題や、日ごろ感じている問題についての解決策を、政府や関係機関へ届けたいという気持ちがよく現れていると思います。本日発表されない皆様も、どうぞお気軽に、提案をお出しください。」
第1部は、提案発表と質疑でした。「身近な課題の解決策を気軽に提案しよう!」のテーマ通り、仕事や地域活動の現場の課題に取組んだ12名、14件の提言が発表されました。

提言は、提案者自身によって発表されました(氏名の五十音順、各5分)。時間に遅れた2名の方は代読しました。
(1) 石濱寛徳 氏「廃食用油(UCO)の環境価値の確立」
(2) 園田太嘉雄 氏「化学農業で劣化した農地の回復に向けて「フルボ酸バーク堆肥」の施用」
(3) 澤 一誠 氏「既設の自家発用石炭火力のバイオマス転換」
(4) 進藤宗生 氏「間伐材(針葉樹・広葉樹)の高付加価値化に向けた各種の支援」
(5) 杉浦武雄 氏「施設ハウスでのカーボンニュウトラル不耕起有機農業栽培方法」
(6) 永井 猛 氏「特定エリアにおける双方向熱融通技術(スマートヒートグリッド)を活用した木質バイオマス活用建物間熱融通の提案」
(7) 西嶋昭生 氏「木質バイオマス普及技術の適正化と専門技術者養成」
(8) 柳樂行宏 氏「バイオマス設備・機器の低価格化、林業・製材との一体的燃料サプライの構築」
(9) 橋本正明 氏「根本的に社会構造を変えるなら」
(10) 松浦 晃 氏「流域森林コンソーシアム構想」、「改質リグニンの原料調達基準の新設」
(11) 山本 登 氏「バイオマスボイラー失敗事例の解析とその再生促進」、「森林の獣害被害防止用保護資材の開発(セルロース系生分解性樹脂の活用)」
(12) 吉野雅一 氏「木質バイオマス普及技術の適正化と専門技術者養成」
(各提言は、全体を取りまとめた後に公表いたします。)
第2部は投票、結果発表及び講評の予定でしたが、時間の都合で投票はアンケートを通じて行うこととし、後日、投票結果を発表することにいたしました。
第3部は、参加者全員による意見交換でした。モデレーターは、杉浦代表が務めました。

意見交換の概要を記します。
・薪ストーブの提案があったが、薪ストーブの普及が進めば、欧米の市場ポテンシャル(20〜30%)に比べて少ないポテンシャル(1%)が最大40倍になる。
・まず薪ストーブから始めてバイオマスボイラーへ拡大することで、燃料のサプライチェーンが活性化する。
・煮炊きの出来る薪ストーブが結構あるが、名古屋の街中で薪売りすることを考えている。
・ヨーロッパでは、地元の森林を練エネルギーとして利用する仕組みを長い時間をかけて構築してきた(地域暖房など)。日本は、それまでの薪炭利用を手間のかからない電気へ変えてしまった。
・近年、薪への関心が増えている。薪ストーブは二次燃焼することでクリーンな排ガスとなり、薪割で健康になるなどメリットがある。日本の関心層は2割いるが利用しているのは1割にとどまり、ポテンシャルがあると言える。
・小型の家庭用バイオマスボイラーでハウス暖房が可能だ。
・ハウスのペレットボイラー利用状況について県(茨城県)から質問があり、重油が100円以上でないと競争力が無くペイしないと答えた。翌年、県から小型ボイラー(バイオマス)の助成を貰ったが、1年間はとりあえず使えることが実証された。また、近隣に建築廃材を燃料とする大型発電所があるが、そこの排ガスを農業利用することを考えている。
・バイオマスに対する考えは皆さんと似ているが、普及にはコストが重要で、現状は価格面で難しいと考える。在所の北秋田市にはCHPメーカーがある。
・オリンピック施設2カ所のボイラーのうち、1ヶ所はバイオマスボイラーだ。
意見交換で熱心な議論が行われた結果、14提案を分類して、@熱利用推進、A分散エネ実装(バイオマス)、B林業構造改革、C失敗事例研究(ボイラー、林業機械等)の4つのテーマで少人数の研究会を続けることを検討することにしました。関心が高かった薪ストーブについては@に含めることにしました。

農都会議は年毎に政策提言を取りまとめてきましたが、「発表会」を行うのはNPO法人へ組織変更して初めての試みでした。多種多様なテーマで高レベルな提言が集まり、問題意識を持った方々が多くおられることが明確になりましたが、1人5分の発表時間は短過ぎて消化不良との意見もあり、次回は工夫したいと思います。
発表会は大変好評でした。2021年政策提言の取りまとめへ向けて、今後も協働作業と個々の課題の掘り下げを続けていきたいと思います。ご参加の皆様方へ心より感謝申し上げます。
最初に、杉浦代表理事より次の話がありました。「2010年1月の発足以来、年毎に提言を発表してきました。当会の提言の特徴は、“会員の皆様の草の根から発する”ことです。シンクタンクや専門家の作ったものではないということです。
今回は19件の提案があり、今日はその中の14件の提案を発表していただきます。初めて提言をまとめたという方もいらっしゃいます。仕事で取組んでいる課題や、日ごろ感じている問題についての解決策を、政府や関係機関へ届けたいという気持ちがよく現れていると思います。本日発表されない皆様も、どうぞお気軽に、提案をお出しください。」
第1部は、提案発表と質疑でした。「身近な課題の解決策を気軽に提案しよう!」のテーマ通り、仕事や地域活動の現場の課題に取組んだ12名、14件の提言が発表されました。

提言は、提案者自身によって発表されました(氏名の五十音順、各5分)。時間に遅れた2名の方は代読しました。
(1) 石濱寛徳 氏「廃食用油(UCO)の環境価値の確立」
(2) 園田太嘉雄 氏「化学農業で劣化した農地の回復に向けて「フルボ酸バーク堆肥」の施用」
(3) 澤 一誠 氏「既設の自家発用石炭火力のバイオマス転換」
(4) 進藤宗生 氏「間伐材(針葉樹・広葉樹)の高付加価値化に向けた各種の支援」
(5) 杉浦武雄 氏「施設ハウスでのカーボンニュウトラル不耕起有機農業栽培方法」
(6) 永井 猛 氏「特定エリアにおける双方向熱融通技術(スマートヒートグリッド)を活用した木質バイオマス活用建物間熱融通の提案」
(7) 西嶋昭生 氏「木質バイオマス普及技術の適正化と専門技術者養成」
(8) 柳樂行宏 氏「バイオマス設備・機器の低価格化、林業・製材との一体的燃料サプライの構築」
(9) 橋本正明 氏「根本的に社会構造を変えるなら」
(10) 松浦 晃 氏「流域森林コンソーシアム構想」、「改質リグニンの原料調達基準の新設」
(11) 山本 登 氏「バイオマスボイラー失敗事例の解析とその再生促進」、「森林の獣害被害防止用保護資材の開発(セルロース系生分解性樹脂の活用)」
(12) 吉野雅一 氏「木質バイオマス普及技術の適正化と専門技術者養成」
(各提言は、全体を取りまとめた後に公表いたします。)
第2部は投票、結果発表及び講評の予定でしたが、時間の都合で投票はアンケートを通じて行うこととし、後日、投票結果を発表することにいたしました。
第3部は、参加者全員による意見交換でした。モデレーターは、杉浦代表が務めました。

意見交換の概要を記します。
・薪ストーブの提案があったが、薪ストーブの普及が進めば、欧米の市場ポテンシャル(20〜30%)に比べて少ないポテンシャル(1%)が最大40倍になる。
・まず薪ストーブから始めてバイオマスボイラーへ拡大することで、燃料のサプライチェーンが活性化する。
・煮炊きの出来る薪ストーブが結構あるが、名古屋の街中で薪売りすることを考えている。
・ヨーロッパでは、地元の森林を練エネルギーとして利用する仕組みを長い時間をかけて構築してきた(地域暖房など)。日本は、それまでの薪炭利用を手間のかからない電気へ変えてしまった。
・近年、薪への関心が増えている。薪ストーブは二次燃焼することでクリーンな排ガスとなり、薪割で健康になるなどメリットがある。日本の関心層は2割いるが利用しているのは1割にとどまり、ポテンシャルがあると言える。
・小型の家庭用バイオマスボイラーでハウス暖房が可能だ。
・ハウスのペレットボイラー利用状況について県(茨城県)から質問があり、重油が100円以上でないと競争力が無くペイしないと答えた。翌年、県から小型ボイラー(バイオマス)の助成を貰ったが、1年間はとりあえず使えることが実証された。また、近隣に建築廃材を燃料とする大型発電所があるが、そこの排ガスを農業利用することを考えている。
・バイオマスに対する考えは皆さんと似ているが、普及にはコストが重要で、現状は価格面で難しいと考える。在所の北秋田市にはCHPメーカーがある。
・オリンピック施設2カ所のボイラーのうち、1ヶ所はバイオマスボイラーだ。
意見交換で熱心な議論が行われた結果、14提案を分類して、@熱利用推進、A分散エネ実装(バイオマス)、B林業構造改革、C失敗事例研究(ボイラー、林業機械等)の4つのテーマで少人数の研究会を続けることを検討することにしました。関心が高かった薪ストーブについては@に含めることにしました。

農都会議は年毎に政策提言を取りまとめてきましたが、「発表会」を行うのはNPO法人へ組織変更して初めての試みでした。多種多様なテーマで高レベルな提言が集まり、問題意識を持った方々が多くおられることが明確になりましたが、1人5分の発表時間は短過ぎて消化不良との意見もあり、次回は工夫したいと思います。
発表会は大変好評でした。2021年政策提言の取りまとめへ向けて、今後も協働作業と個々の課題の掘り下げを続けていきたいと思います。ご参加の皆様方へ心より感謝申し上げます。
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