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3月22日「地域の脱炭素化とバイオマス事業」勉強会の報告[2021年03月28日(Sun)]
 NPO法人農都会議は、2021年3月22日(月)夕、「地域の脱炭素化とバイオマス事業を考える 〜飯能市の薪ボイラー導入、茨城のカーボンオフセット、千葉の低炭素社会プラン」勉強会を開催しました。
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3月22日地域の脱炭素化勉強会

 今回は、会員サービスの一環として会員限定、オンラインで開催しました。内容は、地球温暖化防止へ寄与し、地域経済循環、防災・レジリエンス向上、里地里山固有の生態系保全等に重要な役割を果たしている地域のバイオマスのエネルギー利用について学ぶため、ちば、飯能、いばらきの3地域協議会とバイオマスアカデミーに講演と意見交換をお願いしました。


 第1部は、講演と質疑応答でした。
 最初に、 飯能木質バイオマスエネルギー協議会会長の鴇田節男氏より、「学園への薪ボイラー導入で変わってゆく飯能の地域社会」のテーマで講演がありました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 鴇田氏は、埼玉県飯能市で中高一貫教育を行っている「学校法人自由の森学園」で老朽化した重油ボイラーの代替として木質バイオマスボイラーを導入したことについて、地域の専門家と再エネの専門家がコラボして支援したなどと説明されました。2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言した飯能市にある学校への薪ボイラー導入にあたって、飯能協議会が地域住民と協力して燃料生産を行うこと、今後のバイオマス事業の方向性などについても紹介されました。
 また、自然のエネルギーを「熱」の形で受け取って生活することや薪をくべる毎日は社会と自然を見つめる新たな視点になるとお話しされました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 自由の森学園理事長の鬼沢氏は、当校には林業の講座もあり、以前から学園で使うエネルギーをバイオマスで賄うことはできないかと考えてきた、今回の薪ボイラー導入には3つの狙いがあり、1つ目はCO2や化石燃料使用の削減という地球環境への配慮、2つ目はエネルギーを通した地域社会とのつながり、3つ目は生徒たちの学びとしてのエネルギーで、自分たちの手で薪をくべて熱のエネルギーとすることが新たな学びになると考え薪ボイラーにこだわったと、熱心にお話しされました。


 次に、いばらき里山・バイオマス協議会会長の原田博夫氏より、「いばらき里山・バイオマス協議会の取り組み」のテーマで講演がありました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 原田氏は、カーボンオフセットの仕組を活用して花樹を植え、筑波山系の森づくりを進める石岡市の事例をお話しされました。
 また、林業を巡る近年の政策・取り組みについて、林野庁は森林経営管理法に基づいて2019年4月に森林管理制度をスタートした、制度は経営管理が行われていない森林を市町村が仲介役となって森林所有者と担い手を繋ぐ仕組み、森林環境税・譲与税も2019年4月に施行、大半の市町村では現時点では譲与税収(全額)を基金に積み立てていて実質的にはほとんど稼働していない、環境省は第5次環境基本計画で「地域循環共生圏」を提唱などと説明されました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 いばらき協議会事務局長の松浦氏は、流域全ての森林調査とデータ収集を元に100年計画を立て、川上から川下までの企業が参画した国産材普及の新しい木材商流(バリューチェーン)を作り、参画企業が資源の環境循環価値をESG投資等に活用させ、その原資を基に山側は自立型林業を目指す「流域森林コンソーシアム構想」についてお話しされました。


 三番目に、ちば里山・バイオマス協議会代表幹事の高澤真氏より、「千葉の竹林整備、地域資源活用」のテーマで講演がありました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 高澤氏は、千葉県市原市が積極的に進めている低炭素社会プランやバイオマス発電所の現状―市原グリーン電力や他のバイオマス発電所の新しい動き―などについて、次のように説明されました。
・バイオマス発電所の考え方として、石油を使わず現代の資源を利用している点は評価できる。
・燃料購入は地元に利益がもたらされる、建築廃材は昔は銭湯で燃やし熱利用していた。
・PKSはパームオイルを搾取した残さ、マレーシアなどから運ばれて来てマレーシアの利益になる。
・輸入木質ペレットは北米から運ばれて来てカナダ、アメリカの利益になる。
・大型バイオマス発電所では熱利用がされていない。
・発電所は雇用が生まれる。
 また、地方創生と林業、バイオマス利用について、次のように説明されました。
・市原市には50年前に植林された杉が大量にある、溝腐れ病になっている杉も多い 。
・バイオマス発電の制度が利用できるうちに、山をきれいにしたほうが良いと思われる、イノシシなどの獣害対策も行うべきである。
・山の木を伐るには伐採届けが必要、木材の価格が安いので伐採費用が持ち出しになってしまう。
・森林経営計画をたてた山には間伐の予算がつく、それにより間伐チップにした材はバイオマス発電所に高く売れる(搬入許可を持っている業者のみ搬入可能)。
・地方創生は林業の再生が重要になる。
・千葉の海ときれいになった里山は、東京から一番近い海と山として観光の価値も高い。
・市原鶴舞ICからは、羽田空港、成田空港にも1時間で行ける、農産物の輸出も可能である。
・里山と整備された竹林は京都の嵯峨野のような観光地化も可能である、トロッコ列車とタケノコや果物、野菜などの食をテーマにした集客も可能である。
・持続可能な農村社会をイメージすることが大切。
 養老渓谷温泉でのバイオマス利用についても、次の案を説明されました。
・養老渓谷温泉はとろみのある焦げ茶色が特徴の黒湯が一般的、源泉温度は20度前後と低めでありバイオマスによる熱利用(追い焚き)が期待される。
・ワーケーションを取り入れたエコツーリズムには地域の活性化が期待できる。
・市原市の高滝湖周辺にグランピングがオープン、ゴルフ場付き別荘地も売れている。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 ちば協議会の鹿嶋氏は、千葉県内の竹林の現状、里山の放置竹林の整備の課題、竹炭の利用で水や空気の通りをよくすることで良い土の環境を保つことができる、「ポーラス炭」など土壌改良材のエース竹炭のブランド化などについてお話しされました。


 最後に、NPO法人農都会議事務局長の山本登氏より、「木質バイオマス熱利用の本格的な普及拡大に向けて化石燃料ボイラーからの脱却」のテーマで講演がありました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会

 山本氏は、カーボンニュートラルに向けてバイオマス熱利用拡大の課題と、普及に必須な支援制度、専門技術、人材育成、熱売りビジネス等についてお話しされました。
 また、今、何故、木質バイオマス熱利用か?、特徴、専門技術、人材育成、木質バイオマス熱売りビジネスについて、詳しく説明されました。


 第2部は、「地域の脱炭素化とバイオマス事業を考える」をテーマにディスカッションが行われ、活発な意見交換がありました。コーディネーターは杉浦代表が務めました。

3月22日地域の脱炭素化勉強会


 政府の2050年カーボンニュートラル政策により、地域でも脱炭素化を進める動きがハッキリ見られるようになっています。本勉強会をご参考の一つにしていただけたら幸いです。
 講師の皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 12:09 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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