
11月16日「バイオマスアカデミー第5回 熱利用実践セミナー」の報告[2020年11月29日(Sun)]
NPO法人農都会議は、11月16日(月)夕、「バイオマスアカデミー第5回 熱利用実践セミナー 〜バイオマス熱利用のプロジェクトマネジメント」を開催しました。
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コロナ禍の影響を受け、今回が今年度初めてのバイオマスアカデミーとなりましたが、東京セミナーとしては昨年から続いて5回目の開催でした。本会が7月に発刊した『実務で使うバイオマス熱利用の理論と実践』書籍をテキストに、内容を一新してより実践的に熱利用技術の習得をめざし、「バイオマス熱利用のプロジェクトマネジメント」を学ぶ講義、バイオマスエネルギーを取り巻く環境と現状を知る講演・ワークショップが行われました。
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コロナ禍の影響を受け、今回が今年度初めてのバイオマスアカデミーとなりましたが、東京セミナーとしては昨年から続いて5回目の開催でした。本会が7月に発刊した『実務で使うバイオマス熱利用の理論と実践』書籍をテキストに、内容を一新してより実践的に熱利用技術の習得をめざし、「バイオマス熱利用のプロジェクトマネジメント」を学ぶ講義、バイオマスエネルギーを取り巻く環境と現状を知る講演・ワークショップが行われました。
開会にあたって、株式会社WBエナジー代表取締役、農都会議アドバイザーの梶山恵司(ひさし)氏からご挨拶と課題提起がありました。
梶山氏は、バイオマスアカデミーの今年度開校のご挨拶とともに、チャンスを活かせない日本のバイオマス熱利用(熱利用の実態、失敗の本質)、普及拡大の前提としての技術、QM(Qualitätsmanagement)実践の試みなどについて、課題提起されました。
また、バイオマスの計画・提案から、設計・工事・引き渡しに至るまで、バイオマスの技術に精通した専門家がプロジェクト管理するプロジェクトマネジメントが不可欠であり、将来的には、日本版QMを基準にしたプロジェクトマネジメントの標準化が必要と述べられました。
第1部は、環境省大臣官房環境計画課地域循環共生圏推進室室長補佐の佐藤直己氏より、「ゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージについて」のテーマで講演がありました。
佐藤氏は、「気候危機」と「コロナ」と2つの危機に直面、ゼロカーボンシティの現状、地域循環共生圏、全国自治体のエネルギー収支などの概要を説明された後、地域エネルギーやバイオマス熱利用に関する来年度の概算要求案と予算事業等を丁寧に紹介されました。
また、ゼロカーボンシティの実現に向けた環境省の施策概要等と各事例についても説明されました。
第2部は最初に、元神鋼リサーチ株式会社代表取締役の黒坂俊雄氏より、「プロジェクトマネジメントのあり方と人材育成」のテーマで講演がありました。
黒坂氏は、プロジェクトマネジメントとは?、バイオマスボイラーと石油ボイラーの違い、日欧の温水配管の違い、計画/設計段階でのマネジメント、バイオマス専門家・コンサルが存在しない状態での自衛策、工事/試運転/運用段階でのマネジメントなどについて説明されました。
また、人材育成と技術マネジメントが普及するための提案や今後に必要なアクションも提案されました。
続いて、株式会社森のエネルギー研究所チーフアナライザーの江川広和氏より、「バイオマスボイラー導入事例分析(経済性/効率)」のテーマで講演がありました。
江川(えかわ)氏は、分析対象施設の山形県長井市「はぎ苑(はぎ乃湯)」の概要、稼働実績からの分析、導入後の対応からの分析、事業性を高めるために必要な要素についてお話しされました。
また、基本設計段階までに、燃料条件の確定、導入規模の選定、温度制御とタンク温度成層維持、接続箇所それぞれで温度調節、導入費とポンプ電気代のバランス、監視システム記録データのチェック可能性などを確認・検討する必要があると説明されました。
第3部は、事例紹介と事例研究のワークショップが行われ、NPO法人農都会議の山本登事務局長がモデレーターを務めました。
はじめに、ソーラーワールド株式会社代表取締役社長の武内賢二氏により、「ETA社 (完璧への情熱 のご紹介」のテーマで事例紹介がありました。
武内氏は、最先端技術のバイオマス加熱システム(ボイラー)生産が専門、オーストリア国内とヨーロッパが出荷先というETA(イータ)社の概要や、他社のロータリーフィーダーに比べてETA社のロータリーバルブはトラブルが起きづらく優位性がある等のETA社の強みを紹介されました。
そして、ETA社のバイオマスボイラーについて、回路の流れ・バッファタンク・燃料詰まり防止・熱交換機や灰の掃除などプラントの概要を説明されました。
また、ETA社システムの施行例、サポート・メンテナンス、日本ではソーラーワールド社が販売し毎年当社の社員が技術研修に出かけていることなどをお話しされ、薪ボイラーについても説明し、「熱はシェアする時代」と強調されました。
次に、「富山県・南砺市でのバイオマス熱利用の事例報告 〜あなたがプロジェクトリーダーだったらどうしますか? プロジェクトの採算を良くするには?」をテーマに、プロジェクト・マネジメントの事例研究を行いました。
山本事務局長は、南砺市のバイオマス熱利用事例をもとに、上位計画・実施計画と現実のギャップ、「設計/建設時」の問題と課題についてなど、ワークショップの説明(プレゼン)を行いました。
ワークショップでは、プロマネ人材の育成法、補助金活用等について参加者と一緒に話し合うグループ討議を予定していましたが、時間不足で実施できませんでした。次回に行いたいと思います。
今回も3時間余りの長丁場のセミナーでしたが、皆様にバイオマスボイラーのプロジェクトマネジメントについて、理解を深めていただいたと思います。環境省予算の説明もあって、有意義な会になったと思われます。
講師の皆様並びにご参加の皆様、誠にありがとうございました。
梶山氏は、バイオマスアカデミーの今年度開校のご挨拶とともに、チャンスを活かせない日本のバイオマス熱利用(熱利用の実態、失敗の本質)、普及拡大の前提としての技術、QM(Qualitätsmanagement)実践の試みなどについて、課題提起されました。
また、バイオマスの計画・提案から、設計・工事・引き渡しに至るまで、バイオマスの技術に精通した専門家がプロジェクト管理するプロジェクトマネジメントが不可欠であり、将来的には、日本版QMを基準にしたプロジェクトマネジメントの標準化が必要と述べられました。
第1部は、環境省大臣官房環境計画課地域循環共生圏推進室室長補佐の佐藤直己氏より、「ゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージについて」のテーマで講演がありました。
佐藤氏は、「気候危機」と「コロナ」と2つの危機に直面、ゼロカーボンシティの現状、地域循環共生圏、全国自治体のエネルギー収支などの概要を説明された後、地域エネルギーやバイオマス熱利用に関する来年度の概算要求案と予算事業等を丁寧に紹介されました。
また、ゼロカーボンシティの実現に向けた環境省の施策概要等と各事例についても説明されました。
第2部は最初に、元神鋼リサーチ株式会社代表取締役の黒坂俊雄氏より、「プロジェクトマネジメントのあり方と人材育成」のテーマで講演がありました。
黒坂氏は、プロジェクトマネジメントとは?、バイオマスボイラーと石油ボイラーの違い、日欧の温水配管の違い、計画/設計段階でのマネジメント、バイオマス専門家・コンサルが存在しない状態での自衛策、工事/試運転/運用段階でのマネジメントなどについて説明されました。
また、人材育成と技術マネジメントが普及するための提案や今後に必要なアクションも提案されました。
続いて、株式会社森のエネルギー研究所チーフアナライザーの江川広和氏より、「バイオマスボイラー導入事例分析(経済性/効率)」のテーマで講演がありました。
江川(えかわ)氏は、分析対象施設の山形県長井市「はぎ苑(はぎ乃湯)」の概要、稼働実績からの分析、導入後の対応からの分析、事業性を高めるために必要な要素についてお話しされました。
また、基本設計段階までに、燃料条件の確定、導入規模の選定、温度制御とタンク温度成層維持、接続箇所それぞれで温度調節、導入費とポンプ電気代のバランス、監視システム記録データのチェック可能性などを確認・検討する必要があると説明されました。
第3部は、事例紹介と事例研究のワークショップが行われ、NPO法人農都会議の山本登事務局長がモデレーターを務めました。
はじめに、ソーラーワールド株式会社代表取締役社長の武内賢二氏により、「ETA社 (完璧への情熱 のご紹介」のテーマで事例紹介がありました。
武内氏は、最先端技術のバイオマス加熱システム(ボイラー)生産が専門、オーストリア国内とヨーロッパが出荷先というETA(イータ)社の概要や、他社のロータリーフィーダーに比べてETA社のロータリーバルブはトラブルが起きづらく優位性がある等のETA社の強みを紹介されました。
そして、ETA社のバイオマスボイラーについて、回路の流れ・バッファタンク・燃料詰まり防止・熱交換機や灰の掃除などプラントの概要を説明されました。
また、ETA社システムの施行例、サポート・メンテナンス、日本ではソーラーワールド社が販売し毎年当社の社員が技術研修に出かけていることなどをお話しされ、薪ボイラーについても説明し、「熱はシェアする時代」と強調されました。
次に、「富山県・南砺市でのバイオマス熱利用の事例報告 〜あなたがプロジェクトリーダーだったらどうしますか? プロジェクトの採算を良くするには?」をテーマに、プロジェクト・マネジメントの事例研究を行いました。
山本事務局長は、南砺市のバイオマス熱利用事例をもとに、上位計画・実施計画と現実のギャップ、「設計/建設時」の問題と課題についてなど、ワークショップの説明(プレゼン)を行いました。
ワークショップでは、プロマネ人材の育成法、補助金活用等について参加者と一緒に話し合うグループ討議を予定していましたが、時間不足で実施できませんでした。次回に行いたいと思います。
今回も3時間余りの長丁場のセミナーでしたが、皆様にバイオマスボイラーのプロジェクトマネジメントについて、理解を深めていただいたと思います。環境省予算の説明もあって、有意義な会になったと思われます。
講師の皆様並びにご参加の皆様、誠にありがとうございました。
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