
10月26日「林業・バイオマス発電の持続可能性」勉強会の報告[2020年11月06日(Fri)]
NPO法人農都会議 バイオマスWG/農都交流・地域支援Gは、10月26日(月)夕、「林業・木質バイオマス発電の持続可能性を考える 〜木質バイオマスエネルギー利用の方向性」オンライン勉強会/WEBセミナーを開催しました。
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今回も新型コロナ感染対策のためオンライン勉強会でしたが、30名を超える申込・参加があり、講演と質疑・意見交換、交流会が行われました。
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今回も新型コロナ感染対策のためオンライン勉強会でしたが、30名を超える申込・参加があり、講演と質疑・意見交換、交流会が行われました。
はじめに、NPO法人農都会議の杉浦英世代表理事より開会挨拶がありました。また、杉浦代表は、経済産業省と農林水産省が合同で開いた「林業・木質バイオマス発電の成長産業化に向けた研究会」の報告について概要を紹介しました。
研究会設置の趣旨は木質バイオマス発電の自立化と森林の持続可能性の確保の両立を図ること、燃料費の低減と燃料供給の持続可能性確保が課題、世界的な地球温暖化対策の強化やFIT法見直し、輸入燃料への対応、第6次エネルギー基本計画の検討開始が研究会の背景となっていると説明し、林業活性化にはサプライチェーンのスマート化と林業の構造改革が急務、持続可能性が必要なのは森林資源だけではなく産業や暮らしのあり方が問われている、木質バイオマスを活かす産業熱・地域熱利用の導入・拡大が必須などと述べました。
第1部は、一般社団法人バイオマス発電事業者協会の理事お二人の講演があり、バイオマス発電事業者と林業・製材業者の双方の立場の考え方と課題、今後の方向性についてお話しいただきました。
最初に、株式会社グリーン発電大分取締役社長の石田博氏より、「地方の木質バイオマス発電の存在意義と使命とは…」のテーマで講演がありました。
石田氏は、木質バイオマス発電と林業の関係、燃料コスト削減と森林経営安定化の相互の関係性、森林の荒廃化と再造林の取組、国産燃料の供給量安定化、発電事業を含むGHG排出量の削減、地方のバイオマス発電所の存在意義などについて、説明されました。
また、バイオマス発電のあるべき方向性について、地方(農山村部)の木質バイオマス発電所は林業全体の浮揚策の「道具」であればよい。発電所のために「山」があるのではなく、「山林資源の持続」のために発電所があるべき。軸足と目線は常に「持続可能な山林資源の育成と保護」にと、お話しされました。
続いて、フォレストエナジー株式会社代表取締役社長の沼真吾氏より、「早生樹に関連するフォレストエナジーの取組み」のテーマで講演がありました。
沼氏は、早生樹のエネルギー利用について、約3.5haのハコヤナギが4年間で約500トンの木質チップとなる、それはボルター社製CHP 1台分の燃料に相当すると説明されました。
また、群馬県のフォレストエナジー渋川バイオマス研究所での熱利用の取組、北海道平取町での木質バイオマス熱電併給の取組、炭素貯留(バイオチャ―、カーボンマイナス)、レジリエンス対応などについてもお話しされました。
第2部は、質疑応答と「持続可能な林業・バイオマス発電とは」をテーマに意見交換が行われました。
まず、チャットでの質問へ答える形で質疑応答が行われました。
「ハコヤナギのチップ、ペレットへの加工性能、発熱量等の資料があれば知りたい」、「Volterの燃料の樹種を知りたい」、「地域の燃料加工センターの設置・運営を事業として成立させるにはハコヤナギ14haとボルター1台セットがどの程度あればペイしそうか?」などの質問へ、沼氏から説明がありました。
「Volterの生成物はガスと灰になるかと思いますが、炭が併産されるのはどういう原理によるものか?」の質問には、「ガス化においては、なるべく木を燃やさないように酸素量をコントロールして炭化する。一部は燃えるが、大部分は炭として出てくる」との答えがありました。
続いての意見交換では、「バイオマス発電の採算性の評価は?」、「イオマス発電は輸入燃料が大勢だが、国産材にこだわる理由は?」、「木材購入以外の林業支援は」、「FITの地域活用要件については?」等の質問に対して両講師から丁寧な回答と意見・考えの表明がありましたが、会員向けのレポートに詳しくまとめたいと思います。
勉強会の最後に、石田氏は「林業とリンクした発電所を突き詰めていきたい」と、沼氏は「山側に期待したい、耕作放棄地の活用を検討していく」と、お話しされました。
4回目のオンライン勉強会となりましたが、今回は林業と木質バイオマス発電の関係と両方に関わる課題、解決の方向性について詳しく知る機会となりました。現状を見つめて強さや弱さ、守ることと改めることを認識することから、次の事業展開を計れることをお二人の講師から学ぶことができ、とても有益な機会になったと思います。
講師の皆さま並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
研究会設置の趣旨は木質バイオマス発電の自立化と森林の持続可能性の確保の両立を図ること、燃料費の低減と燃料供給の持続可能性確保が課題、世界的な地球温暖化対策の強化やFIT法見直し、輸入燃料への対応、第6次エネルギー基本計画の検討開始が研究会の背景となっていると説明し、林業活性化にはサプライチェーンのスマート化と林業の構造改革が急務、持続可能性が必要なのは森林資源だけではなく産業や暮らしのあり方が問われている、木質バイオマスを活かす産業熱・地域熱利用の導入・拡大が必須などと述べました。
第1部は、一般社団法人バイオマス発電事業者協会の理事お二人の講演があり、バイオマス発電事業者と林業・製材業者の双方の立場の考え方と課題、今後の方向性についてお話しいただきました。
最初に、株式会社グリーン発電大分取締役社長の石田博氏より、「地方の木質バイオマス発電の存在意義と使命とは…」のテーマで講演がありました。
石田氏は、木質バイオマス発電と林業の関係、燃料コスト削減と森林経営安定化の相互の関係性、森林の荒廃化と再造林の取組、国産燃料の供給量安定化、発電事業を含むGHG排出量の削減、地方のバイオマス発電所の存在意義などについて、説明されました。
また、バイオマス発電のあるべき方向性について、地方(農山村部)の木質バイオマス発電所は林業全体の浮揚策の「道具」であればよい。発電所のために「山」があるのではなく、「山林資源の持続」のために発電所があるべき。軸足と目線は常に「持続可能な山林資源の育成と保護」にと、お話しされました。
続いて、フォレストエナジー株式会社代表取締役社長の沼真吾氏より、「早生樹に関連するフォレストエナジーの取組み」のテーマで講演がありました。
沼氏は、早生樹のエネルギー利用について、約3.5haのハコヤナギが4年間で約500トンの木質チップとなる、それはボルター社製CHP 1台分の燃料に相当すると説明されました。
また、群馬県のフォレストエナジー渋川バイオマス研究所での熱利用の取組、北海道平取町での木質バイオマス熱電併給の取組、炭素貯留(バイオチャ―、カーボンマイナス)、レジリエンス対応などについてもお話しされました。
第2部は、質疑応答と「持続可能な林業・バイオマス発電とは」をテーマに意見交換が行われました。
まず、チャットでの質問へ答える形で質疑応答が行われました。
「ハコヤナギのチップ、ペレットへの加工性能、発熱量等の資料があれば知りたい」、「Volterの燃料の樹種を知りたい」、「地域の燃料加工センターの設置・運営を事業として成立させるにはハコヤナギ14haとボルター1台セットがどの程度あればペイしそうか?」などの質問へ、沼氏から説明がありました。
「Volterの生成物はガスと灰になるかと思いますが、炭が併産されるのはどういう原理によるものか?」の質問には、「ガス化においては、なるべく木を燃やさないように酸素量をコントロールして炭化する。一部は燃えるが、大部分は炭として出てくる」との答えがありました。
続いての意見交換では、「バイオマス発電の採算性の評価は?」、「イオマス発電は輸入燃料が大勢だが、国産材にこだわる理由は?」、「木材購入以外の林業支援は」、「FITの地域活用要件については?」等の質問に対して両講師から丁寧な回答と意見・考えの表明がありましたが、会員向けのレポートに詳しくまとめたいと思います。
勉強会の最後に、石田氏は「林業とリンクした発電所を突き詰めていきたい」と、沼氏は「山側に期待したい、耕作放棄地の活用を検討していく」と、お話しされました。
4回目のオンライン勉強会となりましたが、今回は林業と木質バイオマス発電の関係と両方に関わる課題、解決の方向性について詳しく知る機会となりました。現状を見つめて強さや弱さ、守ることと改めることを認識することから、次の事業展開を計れることをお二人の講師から学ぶことができ、とても有益な機会になったと思います。
講師の皆さま並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
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