
12月16日「再生可能エネルギーとイノベーション」勉強会の報告[2019年12月30日(Mon)]
NPO法人農都会議 バイオマスWG/農都交流・地域支援Gは、12月16日(月)夕、「再生可能エネルギーとイノベーション 〜バイオマス普及の多面的価値と技術課題」勉強会を開催しました。
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気候変動による自然災害の甚大化や人口減少など、日本を取り巻く環境が厳しさを増す中、ものづくり大国と言われる日本の国際競争力は大幅に落ち込んでいます。諸外国と比べてなぜ日本でイノベーションが起きないのでしょうか? 今回の勉強会は、世界と日本の状況を学び、再エネ・バイオマスエネルギーに関連するイノベーション技術等を知ろうと開催しました。
会場の港区神明いきいきプラザに40数名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
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気候変動による自然災害の甚大化や人口減少など、日本を取り巻く環境が厳しさを増す中、ものづくり大国と言われる日本の国際競争力は大幅に落ち込んでいます。諸外国と比べてなぜ日本でイノベーションが起きないのでしょうか? 今回の勉強会は、世界と日本の状況を学び、再エネ・バイオマスエネルギーに関連するイノベーション技術等を知ろうと開催しました。
会場の港区神明いきいきプラザに40数名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
第1部は最初に、京都大学大学院経済学研究科特任教授の内藤克彦氏より、「これからの我が国でイノベ−ションは可能か」のテーマで、講演がありました。
内藤氏は、「日本の成長鈍化を人口減のせいにする人が多いが、実はGDPと人口はほとんど関係ない。イノベーションこそが資本主義経済を牽引する究極の要因だ、同じことをやっていてもダメ。世界は急速に動いている。我が国の状況(東電の記者発表の意味)から見て送電オペレ−ションの改革が必要。米国はガス改革で成功したシステムを電力改革にも適用。日本の常識は世界の潮流から立ち遅れている。世界はソフトが主役、日本はハードが主役。日本の科学技術は世界一と思い込んでいる日本人が多いが、日本は著しく地盤沈下している」などと説明されました。
また、「高度成長期にはイノベーションが盛んだった、日本の経済成長を支えたのは戦争世代の経営者。日本は企業も少子高齢化している。日本にもマクロソフトやインテル、GAFAができるチャンスはあった。日本の経営者は判断を放棄、プログラム作りは下請けに丸投げ。米国では「ダイヤの原石」を見分ける力が経営者の価値。日本企業は価値判断ができない、イノベ−ションの足を引っ張る今の日本の企業体質、既得権が意図的にイノベーションを妨げる」などとお話しされました。
さらに、バイオマスのイノベーションについても、事例を元に分かりやすく説明されました。
続いて、株式会社森のエネルギー研究所代表取締役の大場龍夫氏より、「人口、教育、災害等の地域の悩みからイノベーションを考えるーイノベーションを起すための教育とは?」のテーマで講演がありました。
大場氏は、「日本と日本人はどんな状態なのか?少子高齢化など戦後75年米国個人主義の限界、45カ国中で日本の起業家精神が最下位委に! 日本と日本人は何なのか?このまま行ったら心も身体も疲れて大変でえ反転しないと」と、説明をされました。
また、「イノベーションとは何か?今まで無いものを産み出す、価値創出革命、一言で言うと脳を開拓すること、心が元気でワクワクしてナイトで木なのが問題。AIがAIをつくる時代になるが人間と集団・組織に関する技術開発が未開拓だ、AI時代に先回しして新しい教育、イノベーション教育が必要となる。日本は問題先進国という最先端の立場なので、チームプレーによるイノベーションで世界のモデルになろう」などと、お話しされました。
第2部は、質疑応答と「バイオマス普及の多面的価値と技術課題」をテーマにディスカッションが行われました。パネリストは、内藤氏と大場氏。モデレータ―は、バイオマス産業社会ネットワーク副理事長、日本サステイナブルコミュニティ協会顧問、農都会議アドバイザーの竹林征雄氏でした。
竹林氏は、バイオマスファイナリーやバイオマス産業コンプレックスの説明しながら、思考(志向)のイノベーションとリーダーシップがポイントとお話しされました。
参加者からの「太陽光は成功したがバイオマスは上手くいかない、起業は難しいか?」の質問に、内藤氏は「低コス化の技術を日本はやらない。独・デンマークは20年間低コスト化の努力をしている。失敗レインフィードバックを続ける必要がある」と、竹林氏は「木が良いというのは、熱迄使えば80%効率が上がる。山には使ってない木が沢山ある。30年、50年先を考え、バックキャストで持って行かないと」と、大場氏は「日本はチャレンジへの評価が少なく、失敗に対するバッシングが酷い。そのため何もしないのが正解となる」と、回答や説明をされました。
また、参加者の「エネルギー分野はネガティブになっていた。総合イノベーションセンターも誇れる内容ではない」の意見に、内藤氏は「役所にも減点主義と加点主義のところがあり加点ではよい人が残る。日本は事務屋が意思決定することがほとんど。欧米は技術系と事務屋が混じって意思決定している」と、竹林は「多様な人が意見を出し合う場を作る、イノベーションを産む環境が大事だ」と、お話しされました。
今回は、「イノベーション」といういつもとは異なる切口で再エネ・バイオマスについて考える企画でしたが、日本の産業、技術が置かれている世界との競争の厳しい現状を知ることができ、たいへん有意義な機会になったと思われます。
講師の皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
内藤氏は、「日本の成長鈍化を人口減のせいにする人が多いが、実はGDPと人口はほとんど関係ない。イノベーションこそが資本主義経済を牽引する究極の要因だ、同じことをやっていてもダメ。世界は急速に動いている。我が国の状況(東電の記者発表の意味)から見て送電オペレ−ションの改革が必要。米国はガス改革で成功したシステムを電力改革にも適用。日本の常識は世界の潮流から立ち遅れている。世界はソフトが主役、日本はハードが主役。日本の科学技術は世界一と思い込んでいる日本人が多いが、日本は著しく地盤沈下している」などと説明されました。
また、「高度成長期にはイノベーションが盛んだった、日本の経済成長を支えたのは戦争世代の経営者。日本は企業も少子高齢化している。日本にもマクロソフトやインテル、GAFAができるチャンスはあった。日本の経営者は判断を放棄、プログラム作りは下請けに丸投げ。米国では「ダイヤの原石」を見分ける力が経営者の価値。日本企業は価値判断ができない、イノベ−ションの足を引っ張る今の日本の企業体質、既得権が意図的にイノベーションを妨げる」などとお話しされました。
さらに、バイオマスのイノベーションについても、事例を元に分かりやすく説明されました。
続いて、株式会社森のエネルギー研究所代表取締役の大場龍夫氏より、「人口、教育、災害等の地域の悩みからイノベーションを考えるーイノベーションを起すための教育とは?」のテーマで講演がありました。
大場氏は、「日本と日本人はどんな状態なのか?少子高齢化など戦後75年米国個人主義の限界、45カ国中で日本の起業家精神が最下位委に! 日本と日本人は何なのか?このまま行ったら心も身体も疲れて大変でえ反転しないと」と、説明をされました。
また、「イノベーションとは何か?今まで無いものを産み出す、価値創出革命、一言で言うと脳を開拓すること、心が元気でワクワクしてナイトで木なのが問題。AIがAIをつくる時代になるが人間と集団・組織に関する技術開発が未開拓だ、AI時代に先回しして新しい教育、イノベーション教育が必要となる。日本は問題先進国という最先端の立場なので、チームプレーによるイノベーションで世界のモデルになろう」などと、お話しされました。
第2部は、質疑応答と「バイオマス普及の多面的価値と技術課題」をテーマにディスカッションが行われました。パネリストは、内藤氏と大場氏。モデレータ―は、バイオマス産業社会ネットワーク副理事長、日本サステイナブルコミュニティ協会顧問、農都会議アドバイザーの竹林征雄氏でした。
竹林氏は、バイオマスファイナリーやバイオマス産業コンプレックスの説明しながら、思考(志向)のイノベーションとリーダーシップがポイントとお話しされました。
参加者からの「太陽光は成功したがバイオマスは上手くいかない、起業は難しいか?」の質問に、内藤氏は「低コス化の技術を日本はやらない。独・デンマークは20年間低コスト化の努力をしている。失敗レインフィードバックを続ける必要がある」と、竹林氏は「木が良いというのは、熱迄使えば80%効率が上がる。山には使ってない木が沢山ある。30年、50年先を考え、バックキャストで持って行かないと」と、大場氏は「日本はチャレンジへの評価が少なく、失敗に対するバッシングが酷い。そのため何もしないのが正解となる」と、回答や説明をされました。
また、参加者の「エネルギー分野はネガティブになっていた。総合イノベーションセンターも誇れる内容ではない」の意見に、内藤氏は「役所にも減点主義と加点主義のところがあり加点ではよい人が残る。日本は事務屋が意思決定することがほとんど。欧米は技術系と事務屋が混じって意思決定している」と、竹林は「多様な人が意見を出し合う場を作る、イノベーションを産む環境が大事だ」と、お話しされました。
今回は、「イノベーション」といういつもとは異なる切口で再エネ・バイオマスについて考える企画でしたが、日本の産業、技術が置かれている世界との競争の厳しい現状を知ることができ、たいへん有意義な機会になったと思われます。
講師の皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
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