8月27日「竹活用の最新事例」勉強会の報告[2018年08月29日(Wed)]
NPO法人農都会議 バイオマスWG/農都交流・地域支援Gは、8月27日(月)夕、「竹素材・バイオマス活用の最新事例 〜新たなマテリアル利用、エネルギー利用を考える」勉強会を開催しました。
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日本では古くから有用植物として竹を身近に利用し重用されてきましたが、繁殖力が強く農林業へ被害をもたらす繁茂竹林の問題は全国に広がっていますが、新たなマテリアル利用やエネルギー利用を進める動きも始まっています。今回は、竹の有効活用を進める三氏の事例をお聞きしました。
会場の港区神明いきいきプラザに約70名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
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日本では古くから有用植物として竹を身近に利用し重用されてきましたが、繁殖力が強く農林業へ被害をもたらす繁茂竹林の問題は全国に広がっていますが、新たなマテリアル利用やエネルギー利用を進める動きも始まっています。今回は、竹の有効活用を進める三氏の事例をお聞きしました。
会場の港区神明いきいきプラザに約70名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
第1部は、基調講演でした。最初に、NPO法人竹もりの里代表理事の鹿嶋與一氏より、「竹林を活かした放置竹林問題の解決法―NPO法人竹もりの里の活動」のテーマで、講演がありました。
鹿嶋氏は、一宮川上流小河川の荒廃竹林やいすみ市岬町海岸の流竹の現状等を説明し、里山資源を有効活用して地域の里山再生を目指していると「竹もりの里」の活動を紹介されました。
また、毎月第3土曜「竹林整備デー」等の作業現場の様子、マッシュプーリーによる竹搬出、竹パウダー・竹チップ活用、ポーラス(多孔質)竹炭作りの試行錯誤、ポーラス竹炭のメリット(吸水性、保水性が抜群である)、製造コストなどについてお話しされました。
次に、ちば里山・バイオマス協議会代表幹事の高澤真氏より、「国産メンマプロジェクト 地域資源活用」のテーマで、講演がありました。
高澤氏は、千葉県市原市を中心とした「国産メンマプロジェクト」の概要、国産メンマ先進地域の福岡県糸島市の日高榮治氏を招いてちば里山・バイオマス協議会が6月17日にシンポジウムを行ったことなどをお話しされました。
また、メンマの由来、中国産の輸入メンマと糸島めんまの違い、“美味しく食べて竹林整備”という地域資源を活用した国産メンマ作りの意義、今後の事業化の取組、メンマの新用途開発などについても説明されました。
最後に、藤崎電気株式会社会長の藤崎稔氏より、「竹専燃バイオマス発電の取組み〜竹とエネルギー、灯りとぬくもり」のテーマで、講演がありました。
藤崎氏は、竹を主な燃料として発電する世界初のバイオマス発電所として第1号を山口県山陽小野田市で2017年着工したこと、竹バイオマス事業展開の契機、実現に向けての課題、解決策などについてお話しされました。
また、「放置竹林等でマイナスイメージの竹を燃料として、活用しプラスにすることにより、竹を大量に活用した新たな竹産業を構築する。地方創生の一躍を担う事業あり、成功させるためには竹に関わる全ての人のご理解、ご協力が最も重要である」とまとめられました。
第2部は、質疑応答と「竹資源の新たなマーケット創造を考える」をテーマにディスカッションが行われました。
コメンテーターは、株式会社光と風の研究所代表取締役、ちば里山・バイオマス協議会アドバイザーの堀内道夫氏にお願いしました。モデレーターは、NPO法人農都会議事務局長の山本登が務めました。
堀内氏は、「竹は地球を救う −竹とまちづくりー」の資料を元に、竹の歴史・文化、竹の加工品、建築・アートなどについて簡単に説明し、国土政策の新しい視点などについてもお話しされました。
会場の参加者から熱心な質問があり、講師の方々から説明がありました。
藤崎氏は、質問に対し、会社がある四国阿南市では竹が放置され竹活用のため発電を考えた。家族の生業では、炭、メンマ、竹粉生産が良いと思うが、事業として設けるには燃料作り。藤崎の機械で生産性を上げ、竹林はこれだけ儲かると、成果で払うシステムを作っている。試算では全国に展開できる」と、お話しされました。
今回も盛況な勉強会となり、地域資源である「竹」の活用への理解がいっそう進み、その課題や今後をいろいろな視点で深く考える、たいへん有意義な場になったと思います。
講師並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
※会員様には、講演資料・要旨とディスカッション、アンケート結果の概要を含むレポートをお送りします。
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