
11月9・10日あわら・金沢フィールドワークの報告[2017年11月28日(Tue)]
以下、視察先毎の概要を記します。
【1日目】
●ふくいWOODバイオマスセンター
・ふくいWOODバイオマスセンターは、福井県JR芦原温泉駅から、車で15分くらいにあるバイオマスセンター。福井の森林を守り、森林資源の有効活用を目指している坂井森林組合と、「環境、地域との共生」を目指す建築資材・産業資材メーカーであるフクビ化学工業が、「Fネットワーク」を結成し、間伐材などを活用し、新世代のエコ建材を製造する、『ふくいWOODバイオマスセンター』を完成させた。平成23年度の林業・木材産業構造改革事業として生産活動を推進している。
・原木は、近隣の森林から供給される間伐材で、杉がほとんど。年間約5,000トンの原木を、敷地内にある土場で一定期間放置し乾燥させることにより、約4,000トンの切削法による木質チップ生産をしており、あわら温泉のホテル、旅館のバイオマスボイラーの燃料として供給している。
・また、年間約1,000トンの原木は、破砕法により粉砕され、おが粉、微粉化行程を経て乾燥木粉とされ、リサイクルABSとコンパウンドされ、ウッドデッキ用木粉プラスチックペレットを生産している。一貫自動生産により機械化・省力化されており、2名のオペレーターで稼働している。この木粉プラスチックは、フクビ化成工場に搬送され、ウッドデッキ等の建築資材に加工されている。
・このバイオマスセンターは、木材のカスケード利用の良い参考例と思う。
【2日目】
●福井グリーンパワー
・株式会社福井グリーンパワーの大野発電所は、福井県の中央に位置し、7,000kW(一般家庭約15,000世帯分)の発電を行い、大野市全体の電力需要を賄える規模である。(株)神鋼環境ソリューションが7割、出光興産(株)、九頭竜森林組合、(有)ニューチップ輸送が各1割を出資して、2014年3月、(株)福井グリーンパワーを設立、同11月起工、2016年4月に竣工した。
・日本政策投資銀行による融資は、企業の環境への取組みを対象とした「環境格付」と、地域の潜在力(森林資源)を活かした「地域元気プログラム」に基づく制度が適用された。
・流動床式ガス化燃焼炉+単胴放射式自然循環式ボイラーで木質チップをガス化燃料して高温高圧の蒸気を発生させ、蒸気タービンで発電機を回している。
・燃料は、地元の森林組合から間伐材年間5万5千トンの他、主伐材、工事支障木、病中被害木、選定枝、屋敷林や果樹園から発生する剪定枝、製材端材など年間2万5千トン、合計約8万トンを13,000uの貯木場に集め、1年以上の自然乾燥を経て木チップ化し、1日に200トンの木チップを消費している。
・現在、発電はFIT売電しているが、熱利用と燃焼灰の利活用はこれからの課題となっている。
●明和工業
・明和工業株式会社では、北野社長、中村常務に迎えられ、会社紹介の後、現在開発中のバイオマスガス化発電装置「雷神」を見学した。45Kwの発電能力を持つ、「雷神」は、稼働中であり、参加者から、いろいろな質問があり、北野社長以下、技術説明をしていただいた。見学中は45Kwの電力の安定出力を確認できた。
・北野社長からは、現在も各種の試運転中であり、特許申請を終えてから本格販売にしたい、国産初の小型バイオマスガス化発電機(CHP)として、大きな期待があるとの説明もあった。
・明和工業は、このCHP以外に、乾燥・炭化・バイオマスプラント、バッチ式炭化プラント、可動式小型炭化装置、中型・小型メタン発酵装槽、バイオマスを発酵しやすくする膨張軟化装置など、バイオマス関連設備の開発、製作、販売を行っており、最近は、中南米、アフリカ地域への展開も手掛けているとのこと。
・また、北野社長から、琵琶湖の繁茂する水草の炭化による肥料化、砂漠地方向け木酢液の活用など、新しい技術の紹介もあり、バイオマスの新しい活用にも期待を持っているとのことでした。
北アルプスの立山連峰、剱岳の雄大な景色に見送られて、帰路につきました。
【1日目】
●ふくいWOODバイオマスセンター
・ふくいWOODバイオマスセンターは、福井県JR芦原温泉駅から、車で15分くらいにあるバイオマスセンター。福井の森林を守り、森林資源の有効活用を目指している坂井森林組合と、「環境、地域との共生」を目指す建築資材・産業資材メーカーであるフクビ化学工業が、「Fネットワーク」を結成し、間伐材などを活用し、新世代のエコ建材を製造する、『ふくいWOODバイオマスセンター』を完成させた。平成23年度の林業・木材産業構造改革事業として生産活動を推進している。
・原木は、近隣の森林から供給される間伐材で、杉がほとんど。年間約5,000トンの原木を、敷地内にある土場で一定期間放置し乾燥させることにより、約4,000トンの切削法による木質チップ生産をしており、あわら温泉のホテル、旅館のバイオマスボイラーの燃料として供給している。
・また、年間約1,000トンの原木は、破砕法により粉砕され、おが粉、微粉化行程を経て乾燥木粉とされ、リサイクルABSとコンパウンドされ、ウッドデッキ用木粉プラスチックペレットを生産している。一貫自動生産により機械化・省力化されており、2名のオペレーターで稼働している。この木粉プラスチックは、フクビ化成工場に搬送され、ウッドデッキ等の建築資材に加工されている。
・このバイオマスセンターは、木材のカスケード利用の良い参考例と思う。
【2日目】
●福井グリーンパワー
・株式会社福井グリーンパワーの大野発電所は、福井県の中央に位置し、7,000kW(一般家庭約15,000世帯分)の発電を行い、大野市全体の電力需要を賄える規模である。(株)神鋼環境ソリューションが7割、出光興産(株)、九頭竜森林組合、(有)ニューチップ輸送が各1割を出資して、2014年3月、(株)福井グリーンパワーを設立、同11月起工、2016年4月に竣工した。
・日本政策投資銀行による融資は、企業の環境への取組みを対象とした「環境格付」と、地域の潜在力(森林資源)を活かした「地域元気プログラム」に基づく制度が適用された。
・流動床式ガス化燃焼炉+単胴放射式自然循環式ボイラーで木質チップをガス化燃料して高温高圧の蒸気を発生させ、蒸気タービンで発電機を回している。
・燃料は、地元の森林組合から間伐材年間5万5千トンの他、主伐材、工事支障木、病中被害木、選定枝、屋敷林や果樹園から発生する剪定枝、製材端材など年間2万5千トン、合計約8万トンを13,000uの貯木場に集め、1年以上の自然乾燥を経て木チップ化し、1日に200トンの木チップを消費している。
・現在、発電はFIT売電しているが、熱利用と燃焼灰の利活用はこれからの課題となっている。
●明和工業
・明和工業株式会社では、北野社長、中村常務に迎えられ、会社紹介の後、現在開発中のバイオマスガス化発電装置「雷神」を見学した。45Kwの発電能力を持つ、「雷神」は、稼働中であり、参加者から、いろいろな質問があり、北野社長以下、技術説明をしていただいた。見学中は45Kwの電力の安定出力を確認できた。
・北野社長からは、現在も各種の試運転中であり、特許申請を終えてから本格販売にしたい、国産初の小型バイオマスガス化発電機(CHP)として、大きな期待があるとの説明もあった。
・明和工業は、このCHP以外に、乾燥・炭化・バイオマスプラント、バッチ式炭化プラント、可動式小型炭化装置、中型・小型メタン発酵装槽、バイオマスを発酵しやすくする膨張軟化装置など、バイオマス関連設備の開発、製作、販売を行っており、最近は、中南米、アフリカ地域への展開も手掛けているとのこと。
・また、北野社長から、琵琶湖の繁茂する水草の炭化による肥料化、砂漠地方向け木酢液の活用など、新しい技術の紹介もあり、バイオマスの新しい活用にも期待を持っているとのことでした。
北アルプスの立山連峰、剱岳の雄大な景色に見送られて、帰路につきました。
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