
9月27日「林業技術の革新」勉強会の報告[2017年10月01日(Sun)]
NPO法人農都会議 バイオマスWG、農都交流・地域支援Gは、9月27日(水)、「林業技術の革新 〜山には木が沢山あるのに、なぜ出てこないのか?」勉強会を開催しました。
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全国で大型を中心としたバイオマス発電所の建設・計画が急増し(3月末のFIT認定容量は1,242万kW)、この需要を賄う木質燃料は過半を輸入に頼る現状ですが、日本の山々には放置された残材や未利用材が多くあり、バイオマス発電燃料として国産材を活用することが、地域経済の活性化、災害に強い森づくり、森林のCO2吸収源対策、国富の国外流出防止、エネルギー安全保障等のさまざまな観点から、強く望まれるようになっています。今回は、あらためて未利用材搬出の課題解決を参加者と一緒に考えるため開催されました。
会場の港区神明いきいきプラザに約80名の参加者が集まり、講演と質疑・ディスカッションが行われました。
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全国で大型を中心としたバイオマス発電所の建設・計画が急増し(3月末のFIT認定容量は1,242万kW)、この需要を賄う木質燃料は過半を輸入に頼る現状ですが、日本の山々には放置された残材や未利用材が多くあり、バイオマス発電燃料として国産材を活用することが、地域経済の活性化、災害に強い森づくり、森林のCO2吸収源対策、国富の国外流出防止、エネルギー安全保障等のさまざまな観点から、強く望まれるようになっています。今回は、あらためて未利用材搬出の課題解決を参加者と一緒に考えるため開催されました。
会場の港区神明いきいきプラザに約80名の参加者が集まり、講演と質疑・ディスカッションが行われました。
第1部は、最初に、東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻准教授の仁多見俊夫氏により、「スマートフォレストリーによる林業の成長産業化」のテーマで講演がありました。
仁多見氏は、まず、「革新的技術開発・緊急展開事業」地域戦略プロジェクトについて、ドローン、林分情報、3Dスキャン、スマートチェーンソーなどのツールを具体的に説明し、森林の育成と収穫を考える上で事業量と対象面積のバランスの話をされました。また、地域林業SCM(サプライチェーン・マネジメント)システムについても説明され、事業設計施業集約、森林経営計画、施業技術設計計画(道路基盤、作業機械技術)など森林を見える化するという課題と展望についてもお話しされました。
続いて、イワフジ工業株式会社営業部販売推進課課長の鈴木茂氏により、「林業機械の技術革新の現状と今後の展望」のテーマで講演がありました。
鈴木氏は、会社案内とこれまでに開発した主要な機械、林業機械(高性能林業機械)の現状、国内林業と機械化の問題点、生産性を高める方法などについて説明されました。また、最新の林業機械、集材方法、今後の展望についてもお話しされました。
第1部の最後に、三井物産フォレスト株式会社企画業務部部長の吉田正樹氏により、「企業が所有する森林、社有林の多面的活用〜社有林管理の現場から」のテーマで講演が行われました。
吉田氏は、三井物産の社有林の概要と管理体制、森林認証、環境教育などについてお話しされ、バイオマス発電事業へ社有林材の安定供給について説明されました。また、なぜ山から木が出ないのかの原因と6次産業化やインフラ再整備の必要について述べられました。
第2部は、質疑応答と「山には木が沢山あるのになぜ出てこないのか? 未利用材搬出の拡大策は?」をテーマにディスカッションが行われました。
モデレーターは、NPO法人蔵前バイオエネルギー 理事長、バイオマスWG運営委員の米谷栄二氏でした。
今回もバイオマス燃料や林業に関心を持つ大勢の参加者が集まり盛況な会となりました。木質バイオマス発電産業が急拡大する中、省庁によって国産燃料の確保と林業の成長産業化というめざす方向の違いはありますが、国産材活用の拡大は共通の課題となっています。研究者、機械メーカー、山林所有企業という異なる立場から多様な視点でひろく深く考えるとても有意義な機会になったと思います。
講師の皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
※会員様には、講演資料・要旨とディスカッション、アンケート結果の概要を含むレポートをお送りします。
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