リスクを洗い出し事故予防を徹底しよう今回の会議は、海洋センターを活動拠点に持たない個人やNPOなどが運営母体になっている海洋クラブを対象に、活動時の安全管理を改めて確認することや海洋クラブ間の連携強化を目的に開催。2日間にわたって、講演や活動事例発表、グループ・ディスカッションなどを行いました。
このなかで特に参加者が注目したのは、リスクマネジメントや危機管理を専門とする早川弁護士による「海洋性スポーツ事故におけるリスクマネジメント」と題した講演でした。早川先生は、「海や川での体験は、子供たちの人生の引き出しを増やすためにも非常に重要です。だからこそ事故予防を徹底し、安全な活動をめざしていただきたい」と自然体験の重要性を述べたうえで、さまざまな事故の裁判事例を紹介。子供の行動特徴に合わせた安全指導のポイントや、活動予定地を事前調査して指導員の死角になりやすい場所を調べておくことの大切さなどを指摘しました。
常に安全管理に気を配っているB&G海洋クラブの指導者の皆さんですが、早川先生の講演を聞いた後は、「非常に参考になった。十分に安全管理を行っているつもりでいたが、地元に戻ったら事業を行うときの安全確保の取り方をスタッフ全員で再度確認したい」と気を引き締めていました。
「野外活動は非常に重要だからこそ、安全という土台の上で実施してほしい」と話す早川先生
「マリンスポーツを多くの人に味わってほしい」という思いを原動力に、簡単で安全にヨットの楽しさを体験できるアクセスディンギーの乗船会などインクルーシブな取り組み事例を発表する土浦海洋クラブ代表の秋元昭臣さん
マリンスポーツから植樹まで、幅広い活動の様子を話す葉山海洋クラブ代表海野義明さん
多様な意見から活動のヒントがもらえました2日目に行った意見交換会では、指導歴も活動場所も異なる参加者からさまざまな活動状況が報告され、「こんなにもいろんな考え方があるんだ」という声をはじめ、「他のクラブの話を聞いて、行政との取組みにヒントもらった」「他のクラブを参考に中高年も活動に呼び込みたい」といった感想が集まり、皆さんのやる気が更にアップしたようでした。
2日目は、3グループに分かれて海洋クラブ活性化に向けた意見交換会を実施。
海洋クラブを発展させるための取組みや、水辺の安全教室実施について話し合いました
新規海洋クラブを紹介します!今回の会議には、2015年度新たに登録した2つの海洋クラブの代表者も参加しました。
左から江田島海洋クラブの小道廣海さん&沖孝博さん、錦江湾海洋クラブの安部直人さん、
■B&G江田島海洋クラブ代表 沖 孝博さん登録:2015年12月24日 メンバー数: 30人
B&G江田島海洋クラブの主な活動は、地域の子供を対象にしたカヌー教室です。クラブ員には、カヌースプリント競技の出身者も多く、国体への出場を夢見て、働きながらカヌーの練習や大会へ出場しています。
江田島市をカヌーで盛り上げれるような環境づくりや、地域の子供へのカヌー普及を積極的に行い、他の海洋クラブと連携して海レク体験を開催したいです。スプリント競技では、江田島海洋クラブからインターハイ選手の出場を目指し頑張っていきます。
■鹿児島 B&G錦江湾海洋クラブ登録:2016年1月19日 メンバー数:31人
B&G錦江湾海洋クラブは、姶良市の小学生を対象としたカヌー体験や水辺の安全教室、シーカヤックマラソンなどカヌーを中心とした活動を行っています。
海洋クラブでは、参加者やが成長を感じられるような活動を実施していきたい。我々指導者も一人ひとりのスキルを上げ、しっかりとサポートできる体制をとっていきます。
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30年以上続くクラブ、今年度からスタートしたクラブ、カヌーを中心に活動をするクラブ、ヨットを中心に活動するクラブ、会員が大人だけのクラブ、5時間遠泳に挑戦するクラブ、海洋クラブ員のオリンピック出場を目指すクラブなど、参加した31団体それぞれの活動や悩みを共有できた2日間でした。「会議で知り合った海洋クラブと交流していきたい」という意見も多数あがっており、個性あふれる海洋クラブ間の連携による今後の活動の発展が楽しみです。
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