【こうほう雑記帳】人が人を呼ぶ、活気ある自治体をめざして! [2016年01月22日(Fri)]
こうほう雑記帳
人が人を呼ぶ、活気ある自治体をめざして! B&G財団 事業部海洋教育課 木上源太(京都府南丹市 自治体派遣研修生) 東京で故郷を振り返る 多くの地方自治体で課題とされる地域の活性化。今回は特に「移住」について何か学びがあるのではと、1月16日(土)・17日(日)に東京ビックサイトで開催された「移住・交流&地域おこしフェア」(主催:JOIN・総務省)に、海洋センター・クラブ課の三浦(長野県上松町 自治体派遣研修生)と中村(B&G財団職員 千葉県睦沢町出身)、そして海洋教育課の私(京都府京丹波町 自治体派遣研修生)の地方出身3名で行ってきました。 ![]() 東京ビックサイトで開催された「移住・交流&地域おこしフェア」。 海洋センター所在の自治体も数多く参加されていました |
若い世代が興味を持つ地方移住
まずは、オープニングのトークセッションを見学。客席を見渡すと20代から30代らしき人が多く、赤ちゃんを連れた若い夫婦もいて、地方での子育てについて興味を持っている若い世代が多い印象を受けました。 私たちも席に着くと、ステージに上がった元モーニング娘の辻希 美さんと高橋 愛さん、そして奈良県川上村で活動している「地域おこし協力隊」の村上さんが、地方への移住について語り始めました。 「移住したら、学校や保育園など子育ての環境はどのように変わるか」「医療体制に不安はないか」などといった、誰もが気にする質問を投げかける辻さんや高橋さん。 これに対して村上さんが、「(教育については)児童数が少なく、スピーチなど重要な役回りをすることが多くなって責任感などを養いやすい」、「(住環境、人づきあい等については)、田舎暮らし体験ツアーなどに参加して実際に見聞きすることで地方暮らしへの見方が変わる」といった意見を述べていきました。 自然に近い所で仕事がしたいと思い、求人ガイドを見て川上村で働くようになった村上さん。お互いに顔が見える生活が始まって、村の人たち全員と顔見知りになった話などを紹介しながら、地方移住に関心のある人たちに向けて、「自分で現地を訪れてみたり、移住希望者向けのツアーに参加したりして、住民の人に直接触れることで安心して移住できる」といったアドバイスを語っていました。 ![]() 各自治体のブース。工夫を凝らして街のPRや説明を熱心にされていました 田舎に住みたい。でも・・・ 私自身、多くの時間を過ごした田舎が好きで、日々の生活や子育には田舎が良いという思いを持っています。また、自治体の職員として、地元に人を呼び込みたいとも思います。 しかし、その一方、京都市内で過ごした大学時代や東京で働いている現在の生活体験をもとに老後のことを考えると、買い物や病院などへのアクセスが良い都会に住みたい気持ちも出てきます。 このように、どこで生活するのが良いのか考え始めると、さまざまな葛藤が生まれてしまいます。ですから、いろいろ迷いながら地方から都会に転出する方や、地方への移住を決断できない方が、たくさんいるのではないかと思いますが、私は今回のフェアでさまざまな地方の人と接したことで、改めて田舎ならではの近所付き合いの良さなどを実感することができ、少し背中を押されたような気がしました。移住を考えている人は、このようなイベントに行ってみることがとても大事だと思います。 自分の地元に人を呼び込みたい 地域の活性化に向けて多くの地方自治体が工夫を凝らしていますが、都会からの移住を進めるためには、移住したい人の不安を取り除くための積極的なアピールが必要です。 例えば、京都府南丹市はこんなアピールをしています(ちゃっかり、この場を借りて私の地元をPR…)。 ●京阪神地区へのアクセスに優れる。京都駅には約40分でアクセス可能。「平和台」「ハートフルタウン内林」「イングランドヒルズのそみ坂」など、住宅地も充実しています。 ●積極的な子育て支援:「南丹市子育てガイド」 ●社会教育・体育施設等が充実。子供の教育・スポーツ、親世代の趣味、老後の余暇を過ごすにはピッタリのまち! ●高度医療が可能な医療機関:「公立南丹病院」「明治国際医療大学付属病院」 ●温泉施設「るり渓温泉」「スプリングスひよし」、重要伝統的建造物群保存地区「京都美山かやぶきの里北村」などの観光地で四季を感じ、疲れを癒すことができます。 ●工業団地に、自動車部品大手の「ジヤトコ」やポテトチップスで有名な「湖池屋」をはじめ、多数の地元密着の企業が操業。付加価値の高い京野菜を中心とした農業で起業する人もいます。 ●南丹市花火大会や京都美山サイクルグリーンツアー、京都美山サイクルロードレース、美山かやぶきの里ワンデーマーチ、恋活・婚活等、さまざまな催しを開催しています。 このように、地方にもアピールできることはたくさんあります。上記に挙げたものはそれぞれ役所内でも関係部署が違いますが、相互に連携し、関連づけて情報発信を行うことが必要です。また、そうすることで不安がある人や決断できない人の背中を押すことができます。 今回の「移住・交流&地域おこしフェア」でも、さまざまな自治体の取組み内容、取組み姿勢を拝見しながら、自治体全職員がセールスマンである意識を持ち、自治体職員だけでなく地域住民や企業、団体をも巻き込んだアピールをしていかなければならないと感じさせられました。 皆さんの地元の取組みや勢いに負けないよう、私も故郷に戻ってからは、セールスマンになったつもりで我がまちの魅力発信に頑張っていきたいと思います。 |