351本の苗木に託した未来! 〜香美市 植樹祭〜「B&G海を守る植樹教育事業」 [2015年10月01日(Thu)]
2015年9月27日(日)、高知県香美市が主催する植樹祭「B&G海を守る植樹教育事業」が、市内の「さがわの森」で開催されました。香美市はアンパンマンの作者、やなせたかし氏のふるさとしても有名です。
当日は、香美市立香長小学校1年から4年までの児童52人と香美市B&G子どもクラブ26人のほか、サポーターやスタッフを含め総勢115人が植樹祭に参加。100uの敷地に21種類351本の苗木を植えました。 参加した子供達。元気いっぱいです |
初の試み、タイムカプセルも実施 「B&G海を守る植樹教育事業」は、海や川の環境を守る森の育成とその意義を学ぶため、ドングリから苗を育て植樹する、体験型の環境学習を全国に普及する事業です(詳細:B&G財団ホームページ「海を守る植樹教育事業」)。 今回は初の試みとして、植樹祭に参加した人たちのメッセージや写真を入れたタイムカプセルを埋蔵して、10年後に掘り起こすプログラムも実施。タイムカプセルを通じて苗の成長に関心を持ち続けてもらい、10年後に掘り起こした際には大きく育った木々とともに参加者自身の成長も実感してもらいます。 今回、用意されたタイムカプセル。後日、参加者のメッセージを集めて埋蔵します 環境を守る次世代を育てたい! 高知県は全国1位の森林率(約84%)を持つ山国であり、香美市も総面積の約9割を森林が占めています。しかし、鹿の食害等による森の荒廃が進んでいることから、同市では地元の自然を理解し守ることができる次世代を育成することを目的に、体験型の環境学習を行っています。2年前からは「B&G海を守る植樹教育事業」の育苗事業にも取り組んでおり、その苗を使って今回の植樹祭が開催されました。 開会式で主催の挨拶に立つ、香美市の法光院 昌一 市長。 「これからも体験型環境教育に力を入れていきます」と、次世代に期待を寄せる思いを述べました 待ち遠しい10年後 植樹を行う前に、(公財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センターの林寿則先生が木を育てることの大切さや植樹の方法などについて講義を行いました。驚いたことに、林先生が「高知県の森林率はどのくらいか知っていますか?」と子供達に問い掛けると、皆、「84%!」と即答。香美市の子供達の森林に対する関心の高さが伺えました。 植樹に使う竹杭をわら縄で固定する方法を説明する林先生(左) 講義が終わると、参加者が植樹地に移動。苗箱をそのまま水に入れて空気泡が出なくなるまで浸し、植樹する場所まで持ち運んでから1本1本植えていきます。 水を含んだ苗箱は重いので、持ち運びは大変です 苗箱を運んだら、1本ずつ苗木をポットから出して植えていきます すべての苗を植え終えたら、最後に土が乾きにくくするためや雑草が生えにくい状態にするため、わらを土が見えなくなるくらい敷き詰めて、風で飛ばされないようにわら縄で固定します。 わらを敷き詰めて、表層土が見えなくなりました 苗木が鹿の被害に遭わないように害獣防止ネットも張り、対策は万全です! 今回のような植樹は初めての子が多く、作業を終えた子供達は疲れていた様子でしたが、話を聞いてみると楽しかったという意見がほとんどでした。10年後にタイムカプセルを掘り起こした時には、苗木が大きな森に成長した姿をぜひ自分の目で確認して、自然の力強さを感じてほしいと思います。 〜参加者の感想〜 【香長小学校4年生】 ・暑くて疲れたけれど、土砂崩れや表土によって濁った水が川に流れるのを森が防いでくれるので大切にしたいと思った。 ・川や海をきれいにするのだと思うと、植樹をしてよかった。 ・自然の森にするために、木々の種類や位置をバラバラにして植える方法があることが分かった。 取材:B&G財団広報課 山口 優(自治体派遣研修生) |