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プロデザイナーが小学生にポスター作りのノウハウを伝授 「お魚お絵かき教室〜海と日本プロジェクト〜」を開催しました! [2023年05月18日(Thu)]
⼀般社団法⼈ Blue Commons Japanは、2023年5月13日・14日に、第一線で活躍するグラフィックデザイナーの指導を受けながら函館朝市ミニ水族館で飼育する魚の絵を描いてPRポスター作成に取り組む子ども向け講座「お魚お絵かき教室〜海と日本プロジェクト〜」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して⼈と⼈とがつながる“⽇本財団「海と⽇本プロジェクト」”の⼀環として実施されました。

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【プロが教える「絵がうまくなるコツ」とは】 
                      
函館朝市ミニ水族館は、三方を海に囲まれながら子どもたちが海に親しめる機会が少ない函館において、子どもたちや市民が海に親しめる場を作るため、2019年に設置されました。季節に合わせて一部展示替えをしながら、函館近海の魚や生き物たちを間近に見学することができます。
今回の教室では、函館の観光ポスターや函館市電のラッピング車両、商品パッケージなど幅広い分野で活躍するグラフィックデザイナーの岡田暁さんが講師を務め、子どもたちにポスターの作り方を伝授しました。「まずは自分が描きたい主役を決めて、じっくり観察してください。魚なら、全体の形だけでなく、ヒレやしっぽに何本の線があるのか、お腹と背中にどんな模様があるのか、うろこの形はどうなっているのかなど、細かいところもしっかり観察してから絵を描くと、絵がうまくなります」と岡田さん。

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「1色に見える生き物の中にもどこかに違う色が隠れているので、それを見つけてください」とも話し、さらにポスターにするため文字を入れるスペースをどこかに空けておくことを子どもたちに伝え、まずは水槽を観察します。
4基の水槽それぞれで泳ぐ魚や海の生き物の名前と生態を講師から聞いた子どもたち。好きな水槽の前に陣取り、じっくり観察を始めました。魚の鮮やかな色や複雑な模様、体の大きさや形、一か所にじっと留まってあまり動かない魚と活発に泳ぐ魚が種類によって異なることなど、魚のさまざまな表情を目の当たりにして、子どもたちの魚への興味が一気に高まります。

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【紙面に生き生きと描き出される海の生き物たち】
                 
納得いくまで観察を終えた子から、鉛筆を動かしてデッサンしていきます。視線を水槽と紙との間で何度も往復させながら、魚の輪郭を描き上げていく姿は真剣そのもの。岡田さんからアドバイスを受けた通り、じっくり観察してヒレなどの細部や体表の模様まで細かく描いていきます。子どもたちが手を動かすと白い紙に命が吹き込まれ、見る見るうちに生き生きとした魚たちが平面の上に姿を現しました。

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【子どもたちの素直な思いをキャッチコピーに】                      

デッサンを終えたら、ポスターの仕上げにかかります。子どもたちそれぞれが「主役」に決めた魚や海の生き物をマジックペンで縁取りし、絵の中に浮かび上がらせます。続いて、あらかじめ空けていたスペースに自分で考えたキャッチコピーを入れます。

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「サクラマスはキラキラしていて いろんな色でふしぎ」「ほっかいどうのほたてはおいしいぜ」「ひとでは いろもかたちもすてき!」「さかなが だいすき はこだて」「函館は魚楽園」「はこだてのカレイは ひれがなめらか」
など、子どもたちの素直な驚きや感動がこもった素敵なキャッチコピーがたくさん生まれました。キャッチコピーを書き入れたら、ポスターが完成。最後に、完成したポスターを一人ずつ全員の前で披露し、魚を観察して気付いたことやキャッチコピーに込めた思いなどを話してもらいました。

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【参加した子どもたちの声】

「魚や海の生き物のことをいっぱい知った」
「海にはまだわかっていない魚がいる」
「魚のもようがふしぎだった」
「魚は1色ではなく、さまざまな色があることがわかった」

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はこだて海の教室
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海岸を歩いて海藻に触れ、海藻ランチや板海苔作りでその活用法を学ぶ「子ども海そうアカデミー 春の海そうの森探検隊」を開催しました! [2023年05月11日(Thu)]
⼀般社団法⼈ Blue Commons Japanは、2023年5月6日に、子どもたちが海について学び、海の未来を考えることを目的に、「子ども海そうアカデミー 春の海そうの森探検隊〜海と日本プロジェクト〜」を開催いたしました。当日は、海藻が自生する海岸の見学、専門家による講義や板海苔作り体験などを行いました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して⼈と⼈とがつながる“⽇本財団「海と⽇本プロジェクト」”の⼀環として実施されました。

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海岸を歩いて「海藻の森」を実感

本講座ではまず、身近な海に海藻が豊富に自生していることを実感するため、函館市東部の志海苔海岸へ見学に出かけました。干潮で姿を現した岩の表面に生い茂る茶色のフノリや、芝生のように鮮やかな緑の青のり、食卓で目にする姿とは色も形もまったく異なるヒジキ、波打ち際に流れ着いた大きな真昆布やワカメなど色とりどりの海藻や海の生き物を見たり触ったりして、豊かな地元の海を体感しました。
※この場所は普段は立ち入り禁止区域で、本講座は函館市漁協宇賀支所より特別な許可を得て開催しました。
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手付かずの宝が北海道の海岸に!?意外と知らない海藻初耳学

海岸での海藻観察に続き、北海道立工業技術センターの安井肇センター長(動画)と、海藻活用研究会の布村重樹事務局長が、海藻の種類や役割、活用法などについて子どもたちに話しました。
暖流と寒流が交じり合う函館近海は栄養が豊富なため、生産量日本一(※)を誇る昆布をはじめ、豊富な種類の海藻が育ちます。安井さんと布村さんは、日本人が古来から海藻を食材や衣服、建築などに用いてきたこと、さらに近年では、薬や化粧品にも活用していることを説明しました。
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次に、Blue Commons Japanの阪口あき子が、未利用海藻である「北海道産天然青のり」を紹介しました。「もともと青のりを特産品としていた九州や四国では、地球温暖化による海水温の上昇などにより不作が続いています。一方で、北海道の海岸には青のりが自生しているのに活用されていません」と現状を話しました。北海道では、かつて未利用海藻だったガゴメ昆布に高い健康効果があることがわかり、300億円の経済効果を生み出した成功事例があることも話し、「どうすれば北海道産青のりが活用されるようになるか、みんなも考えてみてください」と呼び掛けました。
(※)北海道水産統計(2021年実績)より
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海藻ランチ&青のりで板海苔作りに挑戦

​ランチでも海藻に親しむため、お昼は函館市恵山地区でとれた真昆布を使った汐ふき昆布を炊き立てのご飯に混ぜ、全員で「海藻おにぎり」を作りました。味噌汁に函館産の真昆布とガゴメ昆布を削った「とろろ昆布」を入れてとろみを感じたり、鶏の唐揚げに真昆布パウダーを付けて「味変」させたりと、海藻づくしの昼食を楽しみました。
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昼食後は、函館近郊の海岸で採取した青のりを使った板海苔作りに挑戦しました。生の青のりを水で洗って砂などの不純物を取り除き、細かく刻んでから枠に流し込みます。枠をゆっくり外すと、きれいな真四角に成形された板海苔が姿を表しました。スサビノリを原料にした一般的な板海苔とは素材が異なりますが、海に生えている海藻が身近な板海苔になるまでの工程を体験し、子どもたちは青のりの鮮やかな色やさわやかな磯の香り、もふもふした手触りに興味津々の様子でした。
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参加した子どもたちの声

「海にはいろんな物があってすごいと感じた」
「函館にはいろんな種類の海藻があって、頭が良くなる海藻もあると伝えたい」
「海藻は意外と重かった。サニーレタスみたいな海藻を見つけた」
「板のり作りも意外と大変だった。青のりを刻むのがうまくいかなくてやり直した」
「海を大切にすることが大事だと思った」

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はこだて海の教室
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