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未利用資源「北海道産天然青のり」を使った期間限定メニューを提供 [2022年10月31日(Mon)]
一般社団法人 Blue Commons Japanは、11月1日から11月30日の間、センチュリーロイヤルホテルと連携し、同ホテル19階「日本料理 北乃路」にて、未利用海藻「北海道産天然青のり」を使ったメニューを提供します。期間中に対象メニューを注文された方にはBCJが作成したリーフレットと北海道産天然青のりのサンプル(先着50名)を進呈し、海の変化や新たな可能性について知り、考えていただく機会を創出します。この企画は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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▲提供メニューのひとつ 季節の釜飯膳「鯛と北海道産天然青海苔」

近年、地球温暖化の影響等により、青のりの生産地である九州や四国では不漁が続いています。その一方、北海道の沿岸には青のりが生育しています。もったいないことに、この北海道産天然青のりのほとんどは、未採取、未利用。BCJが2021年に北海道内の74の漁協にアンケート調査を行ったところ、48漁協から回答を得て、その全部が販売用としての収穫はしていないことが明らかになりました。
BCJは、未利用の北海道産天然青のりに注目し、岩海苔の生産地として有名な松前町の生産者や、産官学連携団体「海藻活用研究会」、函館の子どもたちと連携し、2年前から収穫と商品化に取り組んでまいりました。今回は、SDGs(持続可能な開発目標)の一環として規格外野菜や低利用魚などの活用に取り組んでいるセンチュリーロイヤルホテルと連携し、初めて、札幌市で関連企画を実施することといたしました。
北海道産天然青のりを通じて、多くの方に、海の変化や新たな可能性について考えていただければ幸いです。ぜひ、この機会にご賞味ください。

未利用資源「北海道産天然青のり」を使った期間限定メニュー提供

提供期間
2022年11月1日〜11月30日(ただし、青のりが無くなり次第終了)

提供時間
ランチ・茶話会プラン 11:30〜15:00(L.O. 14:30)
ディナー 17:00〜21:30(コースL.O. 20:00)

会場
〒060-0005 北海道札幌市中央区北5条西5丁目2
センチュリーロイヤルホテル19階
日本料理「北乃路」TEL: 011-221-3007

提供メニュー
@季節の釜飯膳「鯛と北海道産天然青海苔」 価格:1名様 2900円
A小茶碗:北海道産鮭と札幌黄のソテー玉地寄せ 北海道産天然青海苔の葛餡
 「厚真ランチ」の一品として提供 価格:1名様 3500円
B蒸し物:あおさしらす万頭 北海道産天然青海苔の葛餡
 茶話会プラン、ディナー会席の一品として提供
 ◆茶話会:1名様 4500円(予約割 1名様4000円)
 ◆会席(ディナー):1名様 6600円、8800円
青のりを通じて海を知ろう!海の未来を考えよう! 函館市内の小学校4校に青のり給食で海の学びの機会を提供 [2022年10月27日(Thu)]
一般社団法人 Blue Commons Japanは、2022年10月20日、函館市内4つの小学校の児童約1500人に、海について考える機会づくりとして、「北海道産天然青のり」を使った給食を提供しました。
この取り組みは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

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未利用資源「北海道産天然青のり」

青のりは、彩りと香りが良い高級食材として、古くから主に九州や四国で採取されてきました。しかし、近年では、海洋環境の変化などにより収穫量が激減しています。一方、北海道の沿岸にも青のりが自生していますが、ほとんど採取されていません。たこ焼きやお好み焼きなどに使われる緑色の海藻の多くは「アオサ」という別の種類の海藻で、価格も青のりの約10分の1程です。このように、資源価値が高いにも関わらず、北海道で青のりが採取・活用されていない背景には、その存在や価値があまり認知されていないこと、漁業者の高齢化や人手不足、また、天然で採取された青のりに混入する砂の処理に手間がかかるなどといった理由が挙げられます。
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函館市の海岸にも青のりが自生している

Blue Commons Japanでは、昨年に引き続き、北海道産天然青のりをとおして海に関する様々な課題について考える機会づくりのため、函館市教育委員会の協力のもと、市内の昭和小、柏野小、日吉が丘小、北日吉小で青のりを使った給食メニュー「青のり香るちくわの磯辺揚げ」を提供。同時に、青のりや海に関する情報をまとめたランチョンマットや、校内放送を通じて、約1500人の児童に海の学びの機会を提供しました。上記4校のうち昭和小では、Blue Commons Japanスタッフによる出前授業も行われ、未利用資源としての北海道産天然青のりについて理解を深めました。
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真剣に授業に聞き入る児童たち

青のりを使った給食と出前授業で海の課題を考える機会を提供

出前授業を実施した昭和小学校では、最初に、講師がスライドを使い、北海道産天然青のりについて講話を行いました。青のりは、「アオサ」よりも高値で取引される高級食材であること、そして函館をはじめとする北海道の海岸にも自生しているがほとんど採取・利用されていないことなどを説明。春に撮影された青のりが自生する函館市の海岸の写真が紹介されると、「こんなに近くの海で青のりがとれるのは知らなかった」と驚きの声が。児童たちは配布されたランチョンマットの豆知識も参考にしながら、真剣な表情で初めて知る北海道の青のりの話に聞き入っていました。

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この日提供された給食

講話の後は、お待ちかねの青のり給食。青のりがふんだんに使われたちくわの磯辺揚げを味わいました。児童たちは、青のりを間近で観察したり、香りをかいでゆっくりと味わってみたりと、興味津々。「青のりがカリカリで美味しい」、「ちくわが嫌いだったけれど青のりがおいしくて全部食べられた」と大好評でした。最後に講師は、「海には、青のりの未利用の問題も含め、解決しなくてはいけない多くの課題があります。まずは知ることが大切。皆さんが今日、青のりをとおして海のことを考えてくれたように、これからも海のことを知り、海の未来について考えてみてください」と締めくくりました。
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香りの良い青のりは児童たちにも大好評

参加した子どもの声 

出前授業を実施した昭和小の児童からは、以下のような感想が寄せられました。
「こんなにおいしい青のりが北海道で採れることが知られていないことにビックリした」
「今日聞いた青のりの話をもっと多くの人に知ってもらいたいと思った」
「青のりを通じて海のことをもっと知りたいと思った」
「海の香りがして美味しかった。他の料理も食べてみたい」

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はこだて海の教室
公式サイトはこちら
盛岡市立大宮中学校の皆さんがBlue Commons Japanへ職場訪問 [2022年10月20日(Thu)]
コロナ禍で静まりかえっていた函館の街にも、観光客もとともに少しずつ賑わいが戻ってきました。
そんな中、9月8日に修学旅行で函館に滞在中の盛岡市立大宮中学校の皆さんが、職場訪問の一環でBlue Commons Japanの事務所にいらっしゃいました!

元気なご挨拶をいただいた後、まずはBlue Commons Japanの事業についてご紹介。主に「はこだて海の教室」や「ブリたれカツ」など、豊かな海を未来に残すための活動についてお話しました。イカのまちとして知られてきた函館ですが、気候変動などの影響で、ここ10年間でイカの漁獲量は20分の1に減少、逆にブリの漁獲量は全国トップクラスになったとの説明を受け、生徒の皆さんからは驚きの声が。海の変化は、意外に身近なところで起こっているのですね。生徒の皆さんは、真剣にお話を聞きながらメモを取っていました。

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真剣にお話を聞きメモを取る生徒の皆さん


事務所でのお話の後は、Blue Commons Japanが「はこだて海の教室」の一環で運営している「函館朝市ミニ水族館」へ見学に向かいました。この水族館は、地元の魚にフォーカスした市場の中にあるめずらしい水族館で、最近ではNHKのニュースでも取り上げられました。スタッフがある魚を指さして、「これ何だ?」と質問。皆さん、よく考えてもなかなか答えが出ません。「これはホッケです」と説明すると、「生きているホッケは初めて見た!」と、目を丸くして水槽を覗いていました。食用として親しまれていても、生きている姿を見る機会が少ない魚はたくさんあります。そういった地元の魚の本来の姿を皆さんに観ていただき、より海に親しみを持ってもらう機会を提供するのが、函館朝市ミニ水族館です。

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函館朝市ミニ水族館を見学


水族館の見学を終え、皆で「ブリたれカツバーガー」を試食。たくさん質問もしてくれました。最後も元気なご挨拶で、締めくくり。市電の電停でお見送りをし、楽しい1時間はあっという間に終わってしまいました。将来、函館での思い出とともに、海のことを思い出してもらえたらとスタッフ一同願っています。

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締めくくりはブリたれカツバーガーで!