遊び場開催当初から「地域における遊び場の必要性、公園利用の問題」について耳を傾けてくださっていた公明党の議員が「地域と子どもが共存できる公園の管理」について、9月18日の松山市議会において一般質問の中で取り上げてくださいました。
※吉富議員のHPにもそのことが掲載されています。
※平成24年8月21日「松山冒険遊び場休止」の愛媛新聞の記事 質問者:公明党 吉富議員
答弁者:総合交通課・公園緑地課
【質問要旨】
地域と子どもが共存できる公園の管理について
(1)別府町飯岡公園で行われていたNPOによる子どもの健全育成活動ができなくなった結果について
(2)本市300数カ所の公園における苦情の状況とその対応について
(3)NPOが活動休止に至るまでに当事者間で話し合いができなかった
のはなぜか、今後の防止策はどうするのか。
(4)「地域で子どもを見守り育てていく」という理念を皆が共有し、公園利用の新たなルールを定める考えはないか。
【答弁】
吉冨議員に、
地域と子どもが共存できる公園の管理について
まず、地域と子どもが共存できる公園の管理について、のうち、別府町飯岡公園で行われていたNPOによる子どもの健全育成活動ができなくなった結果についてですが、公園は、憩いと安らぎの場として子どもからお年寄りまで誰もが自由に利用できる公共の空間であり、公園を占用して開催するイベントや団体活動、また、通常は禁止されている行為を行う場合には、「松山市都市公園条例」に基づき行為許可の申請をしていただいています。
その際には、周辺地域への影響や地域の活動などとの調整が必要であるため、日常的な維持管理をお任せしている公園管理協力会をはじめ地域の皆さんのご理解を得ながらご利用いただくこととしています。
そこで、この度の飯岡公園での「冒険遊び場」の活動については、子どもの自由な遊びを通じて創造性や冒険心を養う活動であり、火を使ったり、地面を掘ったり、木に登ったりする遊びは、子どもにとっては大変魅力的なものであると考えます。
しかし、その一方で、地元においては、危険な遊び、そして公園を傷つける遊びとして認識され、また、6年間にわたり、毎週土曜日の午後は、団体が使用していたためその活動に参加していない周辺の子どもたちが自由に公園で遊べないなど、公園の利用に対して、許容の範囲を超えていると町内会が判断したもので、子どもの健全育成に向けて取組まれている活動それ自体を否定したものではないと理解しています。
今後は、場所を変えて冒険遊び場を開く「出張プレイパーク」や総合公園などの大きな公園を利用した活動に期待しているところです。
次に、本市の公園における苦情の状況とその対応についてですが、公園に関する苦情は、日常的に寄せられており、特に集計していませんが、「夜間であるにも関わらず大声で騒ぐ」、「花火をする」、或いは、「ごみを持ち込まれる」、「犬のフンの始末をしない」など、いわゆる社会通念上守るべきルールを守らない事例や、「サッカーボールが飛び込んで車庫の屋根が壊れた」、「小さな子どもがいるのにバットを振っている」など、公園をご利用いただくうえでの基本的なルールを守らないものがほとんどです。
また、公園名は控えますが、あずまや四阿や遊具などが燃やされるといった悪質な事案も発生しており、受忍の限度を超えた場合には「迷惑施設だ」とのご意見が寄せられることもあります。
これらの苦情に対しては、職員の現地対応に加えて、地元の公園管理協力会や学校に対して、日常的な状況把握や声掛けへの協力を求めるとともに、必要に応じて、注意喚起ポスターの掲示や施設の改善を行っています。
次に、NPOが活動休止に至るまでに当事者間で話し合いができなかったのはなぜか、今後の防止策はどうするのかについてですが、今回の状況を把握した時点では、既に、問題が深刻化した後であったため、公園利用に関する助言や指導を十分に行えなかったことから、今後は、公園管理協力会が定期的に開催をしている役員会や研修会等を通じて公園に関わる諸問題を早期に把握し、その解決にあたっていきたいと考えています。
次に、「地域で子どもを見守り育てていく」という理念を皆が共有し、公園利用の新たなルールを定める考えはないかについてですが、現在、本市におきましては子どもの立場に立った公園づくりにも取り組んでおり、たとえば、「キャッチボールのできる公園づくり」では、原則禁止しているボール遊びを可能にするため地域において、指導者の育成や一定のルールづくりなどを行っています。
また、公園の新設やリフレッシュ事業の際には地域の子どもも参加したワークショップを開催し、意見を取り入れながら公園づくりを進めています。
今後におきましても、新たなルールづくりなども考慮しながら、地域の宝である子どもたちの目線に立った魅力ある公園づくりに積極的に取り組んで参りたいと考えています。
以上が松山市の見解でした。
少子高齢化に伴い、公園ができた当初は「児童公園」という名前だった松山市内の公園も、今はすべて「街区公園」という名称に変わっています。
今後も、ますます高齢化が進み、市民の数でいえば圧倒的に高齢者が多くなります。
そのことから言っても、地域の人たちの憩いの場としても公園利用は重要になってくると思います。
子どもに関わる公園の苦情をなくすためには、「静かに」「清潔に」「安全に」が求められてしまいます。しかし、どんな社会環境になろうとも、子どもたちは地域でのびのびと遊びながら育つ必要があります。
本来の子どもの遊びというものは「うるさい」「汚い」「危ない」が基本です。それをいかに地域のたくさんの人達が許容し、幼少期の遊びの必要性を理解できるかがポイントになってきます。
だからといって、民家が隣接している公園にまでそのことを求めているのではありません。公園が設置されている場所によっては、「なるべく静かに」が求められる場合もあれば、「ボール遊びは止めよう」となるところもあるはずです。それは地域ごとに話し合い、問題が起こるたびに、最善の方法を模索しながら、公園ごとのルールを決めていく必要があります。
でも、せめて校区内に一つぐらいは大きな声で笑ってみんなで走り回って遊んでも許される公園、ボール遊びが思いっきりできる公園、泥だらけになっても、水遊びをしても怒られない公園が必要なんだと思います。そうしないと、子どもたちは心のストレスをどこでも発散することができなくなり、ますますネットやゲームの世界で自分のストレスを発散するようになります。
震災後、福島では、そんな苦情があるわけでもないのに、放射能の影響で、外での遊びが未だに規制されています。その結果、子どもたちの成長や、精神面などに問題が出ています。そのため、今必死で、国内型の遊び場施設の設置や除染などを行っています。
そう考えると、地域に当たり前にある、自然や山や田んぼ、川や海、そして公園などに感謝して、みんなで子どもたちにとっての最善の方法をもっと話し合って、勉強して、考えて、改善して、智恵を出して、よりよい社会を築いていく必要があるのではないかと思います。
今回の質疑に対する答弁は、私にとっては辛いものとなりましたが、松山市も地域の人もそして私たちも子どもが社会の中で健全に育ってほしいという願いは同じです。
だから、どこかで交わる接点があるはずです。
今、日本全国どの地域でも公園苦情の問題は切実です。でも、そのことを問題ととらえ、「地域と子どもが共存できる公園について」市民が地域の絆と話し合いによって改善している事例もあれば、行政が率先して市民のアイデアを取り入れることで改善している事例もたくさんあります。また、全国約300か所にも及ぶプレーパーク(冒険遊び場)の活動と啓発により、子どもののびのびとした遊びを守り育てる活動も全国的にどんどん広がりを見せています。
答弁内に、問題を解決できる方策が盛り込まれていないことは残念ですが、全国の事例から見ていくと、解決する方法はたくさんあることが分かります。
『なぜできないか』ではなく『どうすればできるか』・・・たしか元松山市長で、現在の愛媛県知事の中村時広氏の言葉だったと思いますが・・・
そんな気持ちで、ポジティブに社会をよくする方向でみんなが知恵を出し合えば、きっと「地域の人に見守れながら、子どもがのびのびと遊んでも苦情が出ない社会」は実現できると思います。
これからも、地道に活動していこうと思いますので、ご声援よろしくお願いします(^O^)/
NPO松山冒険遊び場みんなだいすき!
山本良子(#^.^#)