設立趣旨 [2012年06月12日(Tue)]
設立趣旨
山元町の里山深山(しんざん)の頂上からは、北は牡鹿半島、南は南相馬市に至る広大な太平洋沿岸地帯が一望できるが、3・11大震災後の眺望は、被災前の平和な姿から一変して無残なものとなってしまい、見る者の涙を誘っている。また、山頂に置かれた雑記帳にも、海に向かって犠牲者の名を呼んだり、一刻も早い郷土の復興を願ったりする人々の声が数多く寄せられている。 このことからも、震災の犠牲となった多くの人々の無念な御霊を鎮め、遺族の心を慰め、いずれは又襲うかも知れない大津波への警戒心を風化させないためにも、この頂上に鎮魂の鐘並びに警鐘碑を建立することは大いに有意義であり、かつ必要なことと考えられる。 併せて、この深山を中心とした亘理地塁山地の尾根沿いの各要所に、深山頂上の鐘とリンクした姉妹ベルを配置することにより、訪れる人々に、太平洋沿岸に目を馳せながらの≪鎮魂の鐘巡り≫に身をゆだねてもらうことができる。これは単なるロマンティズムに終わるものではなく、全国から人を引き寄せる一種の名所づくりであり、突如襲った大災害を逆手にとってこれを起爆剤とし、希望にあふれる新たな郷土づくりへ向けて、大きな一歩を踏み出すことになると考える。 また、この法人の立ち上げにより、一連のメモリアル事業を始めとして、名所や名物の創案創造、雇用の創出、人材の育成等を含むその他の復興事業を沿岸部や中央部にも展開し、町を活性化させ、不安のさなかに暮す人々を勇気づけ、一旦郷里を離れた人々を呼び戻し、この地域に生活することに喜びを感じてもらえる理想の郷土づくりに寄与したいと考えるものです。震災以来の関係諸機関並びに町当局、及びボランティアを含む各種団体の日頃の献身的なご尽力に心から感謝しながらも、さらに地域振興に有効な新たな企画の提唱と実践が不可欠と考え、当法人の認証申請に至ったものです。 また、同志の心は一様に燃えています。一日も早い認証を希望するものです。 平成24年3月28日 特定非営利活動法人 山元・あしたの響き 設立代表者 住所又は居所 宮城県亘理郡山元町山寺字山下52番地 氏 名 長 岡 久 馬 (きゅうま) |