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台湾で、日本産農産物が残留農薬基準違反 年間104件も起こしているという事実 [2021年06月30日(Wed)]
GAP総合研究所 所長の武田泰明です。

輸出拡大を重要な目標としている日本農業にとって、由々しき数字です。
GAP総研の調べによれば、2016年(1月から12月)に台湾で日本産農産物が年間104件も残留農薬基準違反を起こしています。

注)台湾行政院衛生署のウェブサイトをもとに調査

104件の内訳は、
ミカンが16件と最も多く、次は大葉の13件、さらにメロンの10件となっている。
以下、抹茶8件、緑茶6件、ゆず5件、かぶ4件、キウイ4件、ネギ4件、いちご4件など。


日本の農薬使用基準は、日本の残留農薬基準(食品衛生法)を守るために作られており、台湾の残留農薬基準を守るためには作られていません。
そのため、普通に日本で作っている農産物が、台湾で残留農薬基準違反を起こすことがあります。
これは、相手が米国でもEUでも中国でも同じように起きえます。

残留農薬基準は、その国の食生活を考慮し、国ごとに作られています(発展途上国等は、自ら作らず、国連Codex基準を使うこともあります)。
例えば、コメ食が多い国と少ない国で、コメの残留農薬基準が同じというわけにはいかないためです。

そのため、輸出先の国を想定して、栽培時から農薬を変える必要があります。
国内販売と同じように栽培して輸出すると、国によって残留農薬基準が異なるため、違反を起こす可能性が高くなります。

これを防ぐため、GAPには以下のような項目が含まれています。

★例:JGAP24.1.2 管理点
輸出を検討している場合は、輸出先の国で使用が禁止されている農薬を使っていない。
また、使用が認められている農薬は、残留農薬基準を確認した上で選択している。


輸出をしたければ、畑によって輸出先の国を想定した防除計画を組む必要があります。
つまり、輸出用の畑を作る必要があります。

国によって残留農薬基準が異なりますから、それに合わせて防除計画を組むとなると骨の折れる作業です。
個々の農家がやるのは大変なので、行政や農薬メーカー・業界団体のサポートが必須ではないでしょうか。

例えば
「〇国へ輸出するキャベツ用の防除計画」
のような形で、基本ベースを作っておいてもらわないと、農家がゼロから海外の情報を収集して防除計画を作るのは大変です。

国は輸出を推進しています。
このあたりのサポートをやってもらいたいものです。


ちなみに、日本は農産物を大量に輸入していますが、輸出元の国は「日本向けの畑」を作っています。
日本の残留農薬基準に合わせて、防除計画を変える必要があるからです。
輸出入は、お互い様なのです。

日本産農産物を輸出する業者は、少なくとも管理点JGAP24.1.2をちゃんとやっているGAP認証農家のものを輸出しましょう。
台湾の事例の通り、素人が輸出をやっているせいで、このようなことが分からずに残留農薬基準違反を出し、結果として日本産農産物の評判を落とすことになります。


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Posted by GAP総合研究所 at 09:30 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
コープ商品の2030年目標 GAPを導入した生産者からの調達構成比を100% [2021年06月10日(Thu)]
GAP総合研究所 所長の武田泰明です。

いよいよ、オリンピックが近づいてきました。
選手村の食材調達については、予定通りに契約作業や発注作業は進んでいるようです。


さて、最近のGAP関連の大きな話題としては、日本生協連の調達に関する方針です。

★「コープ商品の2030年目標」

https://jccu.coop/info/newsrelease/2021/20210519_02.html

主要な農産原材料の産地を指定した仕様指定商品および生鮮農産物について、GAPを導入した生産者からの調達構成比を100%とします。
海外農産物はGFSI認証スキームのGAP、国内農産物は国際水準GAPとします。(2020年度進捗:62%※)

と書かれています。

国際水準GAPというのは、農林水産省の造語で、定義が不明瞭なところもありますが、行政の事業の募集要項などを見ると「JGAP / ASIAGAP / GLOBALGAP」を指しています。


生協は、日本の消費者を代表する団体であり、減農薬の推進など日本農業にとっても歴史的に重要な役割を担ってきました。

日本の消費者が、日本の農家のGAPを支持し、買って応援する。

そのような流れができれば、きっと日本の農業は大きく変わります。

いいぞ!生協!


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