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GAP導入で、肥料費が削減された農家の実例 [2022年08月29日(Mon)]
GAP総合研究所 所長の武田泰明です。

以前より、GAPは経営改善に役立つと言われてきました。

★攻めの面:GAP認証を求めるバイヤーとの信頼関係構築による取引増加(取引先数・取引量)

★守りの面:GAP導入による適切な管理により、コスト削減や生産性の向上

この2つに大きく分けてGAPの効果が語られてきました。
しかしながら、これまではGAP農家の体験談的なものも多く、はっきり分からない面もあったかと思います。

この度、
企画・制作:JAグループ福島
監修:GAP総合研究所
にて、このGAP導入の効果を「定量的に」調査をし、1冊にまとめました。

■GAPの取り組みで経営改善 ーGAPによる経営改善事例集ー

https://www.ja-fc.or.jp/gap/pdf/gap05.pdf

調査の結果を一言で言えば、GAP導入の経営改善効果は「ある」ということです。

メルマガで何回かに分けて、内容を紹介していきましょう。


肥料が高騰しています。
直近は補助金で助かる部分もありますが、長期的には経営努力による対応が必要です。

GAP認証農家に対する全国アンケート調査では、
「GAP認証取得による農薬・肥料等の資材費削減効果がある」
と答えた農家が30%以上いました。

アンケート調査だけでは、農家が感覚的に「効果ある」と答えた程度かもしれませんので、実際に農家に調査に入りました。
過去の売上から経費から財務諸表まで見せてもらい、「定量的に」調査しました。

<事例1 福島県 A農場 果樹栽培 10ha>
これまで経営全体でしか把握していなかったのだが、GAP導入によって、圃場ごとに肥料の使用量を正確に記録するようになった。
圃場ごとの収穫量も記録をとるようになり、2つの記録を見比べることで、肥料の使用量と収穫量の関係が明らかになった。

年々これを繰り返し、適正な肥料の使用量を探り続けた結果、GAP導入前と後では10a当たりの肥料代が「44%も減った(18,000円→10,000円)」ということが分かりました。

GAPには肥料の使用記録や、圃場ごとの収穫量の記録を求める管理点がありますね。
そして、生産計画と実績の比較を求める管理点もあります。

記録しているだけでは効果は出ません。
その記録を見比べながら、仮説・検証を繰り返すことで、肥料代の削減が実現したのですね。

肥料高騰のさなか、コスト削減という点でもいいですが、過剰な肥料が地下水に流出していた可能性も考えると、農水省「みどりの食料戦略」が求める環境保全にも効果があったということにもなりますね。


上記にリンクを貼った経営改善事例集には、他にも全部で20事例のGAPによる経営改善の具体例が載っています。
ぜひ、ご覧頂ければと思います。


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Posted by GAP総合研究所 at 11:50 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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