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アスペ・エルデの会 ブログ
発達障害児者の支援を目的とし、特に現在では、生涯発達を視野におき、子どもたちの総合的な発達支援を行うこと、そして、社会が発達障害児者のことを正しく理解できるように働きかけること、支援のために必要な人材の育成をすることを目的としています。
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世界自閉症啓発デー[2008年04月01日(Tue)]
明日、4月2日は、
“世界自閉症啓発デー“

 国際連合での、“世界自閉症啓発デー“(World Autism Awareness Day)の決議を讃え、先導されたシェイカ・モーザ・ビント・ナサ・アル・ミスネッド・カタール首長妃殿下、潘基文国際連合事務総長はじめ、関係された多くの方たちに心よりの感謝を申し上げます。
自閉症やアスペルガー症候群など、自閉症スペクトラム障害の人たちについて、わが国はもちろん、世界中の人たちが大いなる関心と正しい理解をもち、さまざまな形でのサポートを、日常のなかのあたり前のものとして、実現されることを希望いたします。
自閉症スペクトラムの人たちが、この社会の中で充実した人生を生きていけるよう、この日を新たな機会として、多くの人たちが手をたずさえ、ともに歩んでいきたいと思います。そのことで、障害のあるないにかかわらず、すべての人にとって幸福な社会の実現がなされることを祈念いたします。

 わが国においては、2005年4月より発達障害者支援法が施行され、2007年4月より正式に特別支援教育がスタートするなど、自閉症児者の支援への動きが始まったばかりです。いまだに、多くの自閉症児者が十分な理解と支援を受けられない状態にあることも事実です。今後、さらに多くの皆様のご理解とご支援を得て、社会のなかでの自閉症児者への啓発への取り組みを押し進めたいと思っております。
 今年の4月2日は、“世界自閉症啓発デー“のスタートをお知らせすることとし、来年2009年4月2日には、“世界自閉症啓発デー“を契機に、理解促進を願うイベントを行う予定でおります。

2008年4月2日

社団法人日本自閉症協会会長  石井哲夫
特定非営利活動法人アスペ・エルデの会CEO 辻井正次
日本発達障害ネットワーク代表 山岡 修



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United Nation Information Centre, Tokyo
UNIC
国際連合広報センター
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(広報資料)
プレスリリース08-023-J
2008年4月1日
世界自閉症啓発デー(4月2日)の発足に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ世界はきょう、第1回の「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)を迎えました。私は、カタール国が先頭に立って推進したこの重要なイニシアチブをたたえるとともに、発育障害を抱える子どもたちに関する啓発活動にリーダーシップを発揮されたシェイカ・モーザ・ビント・ナサ・アル・ミスネッド・カタール首長妃殿下に対し、称賛の拍手を送りたいと思います。妃殿下のビジョンとイニシアチブは、アラブ地域だけでなく、全世界で障害を抱える子どもたちとそのコミュニティのエンパワーメントに大きく貢献しています。

国連はこの日、障害を持つ人々の権利と福祉を守るという決意を再確認します。この決意は、万人の普遍的人権という国連の基本理念に根ざすものです。国連ファミリーはその創設以来、発育障害を持つ子どもを含む障害者の権利と福祉を推進してきました。世界人権宣言が採択60周年を迎え、しかも2006年に国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」の発効が期待される2008年に、「世界自閉症啓発デー」が発足したことは、特に意義深いといえます。

障害を持つ子どもたちの普遍的人権の推進にあたり、将来のコミュニティの一員として、国民の一人として、また、国際社会の正式な一員として、こうした子どもたちが活躍できるような環境の整備に全力を尽くそうではありませんか。決意や創造性、そして希望を持って毎日、自閉症に立ち向かい続けている子どもたちとその家族の勇気に、敬意を払おうではありませんか。そして、そのエンパワーメントとニーズへの対応に今すぐ取り組むことで、将来の子どもたち全員がより広く参加し、能力を発揮し、権利を行使できるような社会を作っていこうではありませんか。

* *** *

自閉症とは(辻井正次:中京大学現代社会学部教授)

自閉症は、「自閉」という文字の印象から誤解されやすいのですが、自分に閉じこもるという障害ではありません。また、ショックなことがあって発症するわけでもないし、ましてや、親の子育てのせいで起こるわけではありません。自閉症は発達障害の代表的なものです。自閉症とその近縁の状態像を含む広汎性発達障害は人口のなかで、おおよそ1‐2%の頻度で生じてくる、発現率の高い発達障害の1つです。原因の詳細は、現在、生物学的精神医学の進歩によって徐々に明らかになっていますが、生まれながらの脳機能の障害によるものであることが明確になっています。そもそも発達障害とは、生まれながらのちょっとした脳の発達の違いから生じてくるもので、その人の状態像によって、できることに関する制約があることはありますが、「障害イコールできないこと」という考え方は過去のものになり、「理解と支援を必要とする個性」として理解されるようになってきています。わが国では2005年4月より発達障害者支援法が施行され、やっと社会的な支援の枠組み作りがスタートしました。日本発達障害ネットワークというわが国を代表する当事者団体のネットワークが生まれ、本格的な支援体制作りが始まっています。
発達障害には、自閉症などの広汎性発達障害以外に、知的障害や、注意欠陥多動性障害、学習障害、発達性協調運動障害などがあり、それらの状態像が重なりあうこともまれではありません。自閉症などの広汎性発達障害の約三分の一程度は知的障害をあわせ持っています。
さて、自閉症とは、1)社会性の障害、2)コミュニケーションの障害、3)イマジネーション(想像力)の障害、の3つが3歳以前より見られる場合に診断がなされます。
社会性の障害とは、相手の意図や、場面や状況が自然にわからず、場に合わせて行動することが難しいもので、非常識と思われる行動をとることが少なくありません。例えば、「まっすぐ」と言われたらその言葉通りに誰かにぶつかっても突進してしまったりすることもあります。
 コミュニケーションの障害とは、社会性の障害があることで、相手の意図が汲みにくいため、双方向性のやりとりになりにくく、自分の興味ある話題、例えば電車のことは話しても相手の話は聞いていなかったりします。
 イマジネーション(想像力)の障害は、こだわり行動やパターン的で、柔軟に対応できません。一つのやり方を学ぶとワンパターンにそのやり方でこだわって修正がきかなかったり、狭い興味、例えば電車のことに没頭して考えたりします。また、感覚的な行動、例えば、手や指先をひらひらさせたり、キラキラしたものを見ることなどに没頭することもあります。幼児期などの場合、まだ行動の仕方のバリエーションの学習が少ないため、パターンを崩されると混乱し、パニックになることもあります。
 そのほか、重要なことで、自閉症の人の中には、人から触られることや、大きな音への感じ方が強くて対応が取れないほど、過敏性を持つ人がいます。過敏性は幼児期ほど強いため、両親は育てることがとてもたいへんになります。
自閉症など広汎性発達障害への発達支援は大きく進歩しており、早期から子どもの「個性」の1つとして理解をしていくことで、小さいときからの支援の積み上げの中、企業などで就労できる人が増えています。しかし、周りの人たちの「理解と支援が必要な個性」であることは間違いなく、多くの方たちがまずは知っていただくことが大切です。ぱっと自然にわからなくても、「教えられて覚える」タイプなので、丁寧にわかりやすく教えてもらえることで大きく伸びていくことを知っていただくといいでしょう。例えば、言葉の理解する力が弱い場合には、目で見てわかるように絵や写真で示すことでわかりやすくすることができます。具体的な支援の仕方なども進歩しており、日本を代表する自閉症児者支援の中核である日本自閉症協会や、あるいは、NPO法人アスペ・エルデ会などの実施する講演会や研修会などで知ることができます。
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Tracked on 2008年04月10日(Thu) 18:53

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