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『室津・大浦海岸海揚がり調査報告書』(大手前大学史学研究所研究報告第20号)大手前大学史学研究所 [2021年07月17日(Sat)]

『室津・大浦海岸海揚がり調査報告書』(大手前大学史学研究所研究報告第20号)
が大手前大学史学研究所から刊行されました.

本書は,大手前大学史学研究所プロジェクトNo.2「神戸を核とする兵庫の海外交流歴史文化遺産の総合的研究」として実施された,
兵庫県たつの市大浦海岸周辺で地元の方が2002〜2016年に採集された11〜20世紀代の土器・陶磁器約3万点のうち,17世紀以降の近世陶磁器を対象とした調査の報告書です.
陶磁器の産地・器種組成,物流実態の検討,西日本の海揚がり資料との比較からその性格への言及等,海揚がり資料から得ることのできる情報を総合的に検討しています.

成果の一端は,『中近世考古学の陶磁器 第7巻』(2018.雄山閣)ですでに報告がなされています.

今回報告以外の古代・中世(11〜16世紀末)の資料については,次号で報告されるとのことです.

海岸採集資料については,これまでも報告書にまとめられた例はあります.
共通することは「室津・大浦海岸」調査資料にように,地元の方々の地道な採集活動の積み重ねと研究者の熱意があってこその結果だということです.

海岸では,ビーチコーミング活動により多種多様なものが採集されています.
その中には,古い土器や陶磁器がみられる例もあります.
ただし,採集者がそれらに関心をしめさないかぎり,その情報が研究者へ伝わることはことはありません.
事実,海岸近くの展示施設に海岸で拾われた「ゴミ」として土器・陶磁器が展示されている例もあります.
それはそれで「海や海岸をきれいにする」という情報発信の一資料となるでしょうが,
それではそれら遺物のもつ歴史的情報は発信されることはありません.

採集者が,採集物のなかに文化遺産として歴史的情報をもつものがあることを認識し,
それを研究者とともに考え,記録として残すことで,それが地域の歴史を物語る資料(文化遺産)となります.
今回報告された採集資料も,採集者と研究者の協働により文化遺産となり,地域史研究の資料となった事例です.

このような事例が増え,採集者と研究者とをつなぐ道筋ができ,
海揚がり遺物(土器・陶磁器をふくむすべての歴史的遺物)の文化遺産としての周知が進めば,
研究者の目も海岸のみならず海中(水中)へも向くようになり,水中文化遺産への認識にも変化がみられるのではないのかと,期待します.

報告書は,全国の大学の考古学研究室や官民の調査・研究機関に配布しているとのことです.
部数はかぎられているのでしょうが,海岸採集資料の実態・内容を広く知ってもらうためにも,
研究者だけではなく,より多くの方の目に触れる公立図書館等への配布をしてもらえれば,
なお良かったのではないかと思っています.

【書誌情報】
書 名:『室津・大浦海岸海揚がり調査報告書』大手前大学史学研究所研究報告書第20号
体 裁:A4版・本文64ページ・カラー図版あり
編集/発行:大手前大学史学研究所
発行日:2021年3月31日

IMG_6329.jpg
Posted by T.Hayashibara at 23:06 | 本のこと | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「わくわく!!水中考古学体験講座 in 鷹島」 [2021年07月06日(Tue)]
来月(8月),3日にわたる水中考古学関連講座が,国史跡・鷹島海底遺跡のある鷹島(長崎県松浦市)で開催されます.
船上からの鷹島海底遺跡の見学会もあります.

講座名 「わくわく!!水中考古学体験講座 in 鷹島」
開催日 2021年8月23日(月)〜25日(水)
開催地 松浦市立鷹島公民館、松浦市立埋蔵文化財センター、鷹島海底遺跡
主 催 長崎県教育委員会
共 催 松浦市教育委員会
対 象 全国の自治体文化財担当者及び大学生
定 員 30名
費 用 参加費、送迎バス利用は無料。ただし、参加にかかる宿泊費、交通費、食費等は自己負担。
内 容
  講 義 
池田榮史(國學院大学研究開発推進機構教授)
     佐伯弘次(九州大学名誉教授)
      藤井幸司(文化庁文化財第二課調査官)
     樫村拓男(福岡県新宮町教育委員会社会教育課主査)
     伊藤幸司((一財)大阪市文化財協会保存科学室長)
     木村 淳(東海大学海洋学部准教授)
     長崎県教育委員会
  エクスカーション
     鷹島海底遺跡見学
     松浦市立埋蔵文化財センター保存処理施設の見学
     陸上踏査

考古学専攻生に限らず,水中考古学に関心がある学生であれば,参加可能とのことです.
申し込み方法・詳細については,長崎県立埋蔵文化財センターのH.P.で確認してください.
http://www.nagasaki-maibun.jp/news3/news2.cgi?mode=view&no=449

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Posted by T.Hayashibara at 23:17 | セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「美保関沖事件回想大展示会」および記念講演会が開催されます [2021年07月04日(Sun)]
1927(昭和2)年88月24日に,島根県美保関沖で大日本帝国海軍で夜間演習中に起こった艦艇の多重衝突事故,
「美保関事件」関連の事件に関連する歴史資料や駆逐艦「蕨」水中調査の記録の展示会および,
講演会が,美保関沖事件慰霊の会が主催で開催されます.

展示会は,昨年開催される予定でしたが,コロナ禍のために延期されたものです.

今月には,駆逐艦「蕨」の水中調査も予定されているとのことです.

美保関沖事件回想大展示会
〇期 間:2021年9月4日(月)〜20日(月
〇会 場:海とくらしの史料館 [〒684-0016 鳥取県境港市花町8−1]
〇入場料:無料

「美保関沖事件」記念講演会
〇日 時:2021年9月20日 13:00〜15:00(変更あり)
〇場 所:米子市公会堂 大ホール
〇講 師:高橋 一清氏(元文芸春誌編集長、元松江市観光プロデューサー)
〇講演テーマ:「歴史を語り継ぐ 〜美保関沖事件の記憶を新たに〜
〇入場料:無料

詳細については,美保関沖事件慰霊の会のH.P.で確認してください.
https://gojikai1927.wixsite.com/mihonoseki