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鷹島海底調査を終えて [2014年08月30日(Sat)]
今年の鷹島海底遺跡・床浪地区の調査が26 日に終了しました
調査をコーディネートされた長崎県教育委員会,松浦市教育委員会の担当職員の方々をはじめ,
調査に参加された皆さん,お疲れさまでした.
協力いただいた方々,ありがとうございました.

今回の調査は,雨天続きで,海況も良くない状況でしたが,
当初の予定どおりに,しかも事故なく調査が終了できたことに,
潜水調査に主体的にかかわったもののひとりとして安堵しています.
03.jpg
      突然のスコール(車内から撮影)

調査成果の詳細については,調査主体者である長崎県教育委員会から後日正式発表がありますが,
遺跡を評価できる多くの成果を得ることができ,今後に繋がる調査でした.02.JPG
     調査スナップ(岸壁にて)

今回の調査には,先日このブログでも紹介したように,
複数の担当行政の職員が調査員として参加しました.
さらに,学生(学部生・大学院生)の参加も多くありました.
彼らも調査員のひとりとして,調査実務に奮闘してくれました.

考古学的調査における海中(水中)と陸上の作業は基本的に変わりはありません.
ただし,海中は環境が陸上と異なります
遺跡にアクセスするために,海底(水底)まで潜らなくてはなりません.
深ければ,スクーバ潜水の技術が必要となります.

スクーバ潜水の技術向上には,ファンダイビングなどで経験を積めばいいのですが,
調査となると,プラスして考古学的調査,それも海中での作業のスキルが必要となります.
これを向上させるためには,より多くの調査に参加するしかありません.
04.JPG
      調査スナップ(ウエットスーツ)

遺跡には,同じものはありません(このことに陸上・水中の区別はありません).
遺構・遺物の種類,そして環境等,それぞれです.
それぞれに,臨機応変に対応できなければ,調査はできません.

遺跡の大半は,土に埋もれています(これも陸上・水中の区別はありません).
表土(撹乱層)を排除してはじめて,遺跡のようすがわかるのです.
ばあいによっては,予想と異なるモノに遭遇することもあります.
その予想外のモノにたいして適切に対処・判断ができないと,調査は進みませんし,
結果的に正しい記録をとれずに遺跡を壊してしまうことになりかねません.

正しい対処・判断をするためには,経験するしかないのです.

考古学的調査については,国内各地でおこなわれている陸上での調査で経験することは可能です.
それにたいして,国内での水中での調査おこなっている海域(水域)は,非常に限られていますので,水中調査を経験することは難しいのが現状です.
若い,これから経験を積まなくてはならない世代の研究者が経験を積みたくても,積めない.
調査を経験し,技術を磨く場は限られいるのです.

悩ましいことです.

この点からも,行政により継続的に調査がおこなわれている鷹島海底遺跡は,
「国史跡」であること以上に貴重で,重要な遺跡だと思います.
01.jpg
      鷹島海底遺跡・神崎地区(国史跡)
鷹島海底遺跡,現地調査8日目 [2014年08月25日(Mon)]
明日は,撤収日ですので,
現地作業は,今日が最終日です.

昨晩降っていた雨は,朝には止みましたが,風が強く吹く一日でした.
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       大きく揺れる吹き流し

このため,終日,水面は波だっている状況でした.
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        調査地区の海況

今日は,午前中,確認遺物の詳細確認および写真撮影をおこない,
水中での作業をすべて終了しました.
午後は,撤収作業をおこないました.
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         船上のようす

今回の調査は,天候には恵まれませんでしたが,
幸いに予定の期間内で作業は終えることができました.
また,無事故で終えられたことには安堵です.

調査に参加された皆さま,お疲れさまでした.

昼食は,チャンポンでした.
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鷹島海底遺跡,現地調査7日目 [2014年08月24日(Sun)]
今朝は,再び雨降り,
午後には止みましたが,曇りがちの天候.
なかなか好天が続きません.

海況も透明度は低く,風が吹き,波もでました.
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       今日の海のようす

昨日で,調査地区すべての目視確認は終了しましたので,
今日は,確認遺物の詳細観察と写真撮影をおこないました.

なお,今回の調査は,遺物分布状況を確認するための調査ですので,
遺物の位置情報計測および確認状況の写真撮影はおこないますが,
遺物の引揚げはおこないません.
そのため,昨日のGPS測量,写真撮影そして遺物の詳細観察は重要な作業となります.
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         船上のようす

今回の調査地区は,「埋蔵文化財包蔵地」として搭載されている,
いわゆる「行政的」に周知されている遺跡で,
調査は,長崎県教育委員会が主体者として実施されてています.

当研究所は,潜水調査の管理と作業実務を担当しています.

ですので,潜水調査は当研究所の調査員が主体となっておこなっていますが,
担当行政の長崎県および松浦市教育委員会の職員も潜水調査に加わっています.
行政担当者が,調査員のひとりとして自ら潜水し,調査および遺跡の状況を実際に見ています.

このようなことは,陸上の調査ではあたりまえのことですが,
水中での調査では稀なことです.
多くのばあい,調査自体は当研究所のような潜水調査のノウハウをもった組織にまかせ,
行政担当者は,毎日のミーティングや写真等の映像や引揚げた遺物等から間接的に見ているにすぎません..

やはり,行政担当者が「実際に現場を見る」ことは,遺跡を正確に判断・評価するためには必要なことです.
今回のような調査体制が,多くの自治体でつくれるようになれば,
「水中の遺跡」にたいする理解もより深まることと思います.
鷹島海底遺跡,現地調査6日目 [2014年08月23日(Sat)]
今日も朝から快晴で,海況は昨日よりも良好,水面は鏡のように穏やかでした.
午前中で調査地区内の目視調査はすべて終了し,
午後は,確認遺物や新たな基点の位置をGPSで測量しました.
DSCN0351.jpg
      穏やかな調査地区の水面

作業も終盤をむかえました.

毎朝,基地の鷹島埋蔵文化財センターに着き,真っ先ににおこなうことは,
前日に洗浄し,干した自分の器材を取り込み,トラックに積み込むことです.
ここで,しっかりと器材チェックをします.
忘れ物や器材不備があると,作業に支障をきたします.
重要な作業です.
DSCN0325.jpg
   鷹島埋蔵文化財センターでの毎朝の風景

また,船上では,空間が限られていますので,
潜水後は,素早く自分の器材をコンパクトにまとめ,片付けます.

船上では,素早く動くこと,整理整頓は行動の大原則です.

そして,作業の内容情報の共有のためのミーティングをし,作業を振り返ります.
DSCN0353.jpg
       船上でのスナップ

また,他班の作業を監視することも重要な仕事です.
(潜水状況の把握のために,水面に出るダイバーの呼吸の泡を追います)
DSCN0362.jpg
       水面に出る「泡」

鷹島海底遺跡,現地調査5日目 [2014年08月22日(Fri)]
鷹島海底調査の5日目.

昨晩は,激しい雨・風や雷雨で,警報が出されるような荒れた天候でしたが,
朝には,雨・風とも止み,
調査開始時間には,晴天となりました.
結局,終日夏のような?晴天.暑い一日でした.
調査開始以降,初めて天候にめぐまれた一日となりました.
陸番組は,強い日差しを避けるため,皆,テントに避難するほどでした.
DSCN0315.jpg
          誰もいない岸壁


午後には,午前にややあった風もおさまり,海面は鏡のように穏やかな状況となりました.
水中は昨晩の雨で土砂が流れ込んだため,層のみやや濁りがりありましたが,
下層はより澄んだ状況でした.
DSCN0302.jpg
      穏やかな水面.中央付近の船は調査船

作業も順調に進んでいます.
調査も終盤となり,調査員に疲れもでるころですので,
皆,より気を引き締めて,作業にのぞんでいます.

今回の調査には,全国から研究所の会員が参加しています.
そのほかに,イタリア人の研究者1名・ジャーナリスト1名,オーストリア人のジャーナリスト1名も参加しています.
皆,好奇心旺盛ですので,調査現場のみならず,島内を動き回って取材しています.
DSCN0272.jpg
       陽気なイタリア人のふたり
鷹島海底遺跡,現地調査4日目 [2014年08月21日(Thu)]
今朝は,やや風がありましたが,調査開始以来初めての晴天
現地はやや波がある状態でしたが,調査は可能な状況でしたので,
予定どおり,調査を始めました.

水中は,日が差し込む状態でしたので,明るく,透明度も良い状況でした.
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           朝の海のようす

しかし,午前中1回目の調査が終了して,調査員が船にあがると天候が急変し,
空がみるみる暗くなり,雨が降り出し,風も強くなり,海面も荒れてきました

すぐに調査を中断し,基地港へ戻りました.
船をおりると,雨はさらに強くなり,雷鳴も.
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       天候の急変で,雨・風が強くなった状況

天候の回復も見込めない状態でしたので,午前中の作業をすべて中止し,
鷹島埋蔵文化財センターへ戻り,午後の作業にそなえました.

幸いに,午後は天候が回復し,予定通りの作業を終えることができました.
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       天候が回復し,海況も落ち着いた状況

今日のような天候の急変時,海の調査では判断を誤ると事故につながりますので,
早めの的確な判断が必要です.
海の調査では,陸上以上に天候にたいする配慮・判断が必要です.

それにしても,今回の調査は,天候に恵まれません.
鷹島海底遺跡,現地調査3日目 [2014年08月20日(Wed)]
今日も朝から雨模様.それもかなり強い雨.
近くの佐世保などでは,かなり降っているとのことでした.
港に着くと,海面は川からの土砂で濁り,雨・風とも強い状況でしたので,
待機していました.
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            朝の海のようす

しばらくすると,雨・風とも弱まり,作業ができる状況となったため.作業を開始しました.

結局,風がやや強くふく時間帯はありましたが,青空も見え,雨が降ることはありませんでしたので,
予定どおり,2班4回の潜水ができました.
水中は,上層は濁りがありましたが,日が射したこともり,下層でも暗さはあまり感じず,
透明度も昨日より良い状態でした.
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          基地港を出港する調査船

今日も遺物の確認があり,多くの成果が得られています.

作業の合間に陸にあがることがあると,基本的には他班の作業を待つしかないので,
皆,思い思いに過ごします.
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         基地港の岸壁で待つ調査員

鷹島海底遺跡,現地調査2日目 [2014年08月19日(Tue)]
今日は,終日の雨予報で,
朝現地へ着くと,海上は風が強く,波も少し高い状態でしたが,
雨はそれほど降らず,海上の状態も調査ができる状況でおさまってくれました.

ただし,曇りがちだったことから,昨日同様に水中は暗い状況でした.
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     朝は,風が強く,海上もやや荒れた状況でした

調査は,予定どおり,2班,午前午後タンク1本ずつ,計4回の潜水目視をおこないました.
徐々に成果がでだしてきました
今後の調査に期待大です.
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      調査区域で基点のブイに集合する調査員

調査終了後は,潮水に浸かった器材を水洗いします.
これをしないと,器材が痛みます.海での調査では必須の作業です.

また,スクーバ潜水ですので,潜るには「空気タンク」が必要です.
毎日20本ほどのタンクを使います.
空になったタンクへの空気の充填は,作業終了後,潜水管理者のプロダイバーの方が,
持ち込んだコンプレッサーを使い,基地である鷹島埋蔵文化財センターで行います.
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        「空気タンク」と空気充填状況
今年度の鷹島海底遺跡の調査が始まりました [2014年08月18日(Mon)]
今年度の長崎県教育委員会による鷹島海底遺跡(長崎県松浦市)の調査が昨日(17日)から始まりました.
26日までの予定です.

調査は,昨年に引き続くもので,鷹島海底遺跡の西側に位置する床浪(とこなみ)地区を対象としています.
跡の有無・内容・範囲を確認するための調査.いわゆる分布調査です.発掘はおこないません.
昨年の調査地区に隣接する10,000m2(水深5〜20m)で目視による遺物確認をおこないます.
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          調査海域

当研究所の会員も全国から集まり,調査員として調査に参加しています.

昨日,当研究所の会員は午後に鷹島に入り,基地となる鷹島埋蔵文化財センターで,
顔合わせと調査内容・方法の最終確認をおこないました.
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鷹島埋蔵文化財センターでの海底引揚げ木製品(船体材)の脱塩処理状況

今日(18日)から,現地調査が始まり,
基準点・線,調査地区の設定ののち,調査員による目視調査をおこないました.
あいにくの風のある雨模様で,水中もかなり暗い状況でしたが,ほぼ調査は予定通りに進みました.
遺物の確認はありませんでしたが,これも成果となります.

今日は,新聞・テレビの取材もあり,基地港の床浪港には多くの人が集まりました.
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        ミーティングのようす