朝日新聞・夕刊の記事から [2012年12月11日(Tue)]
今日(12月10日)の朝日新聞・夕刊の「歴史」面に,
「国史跡 眠れる地域振興源」という記事が掲載されています. 全国にある1700件超の国指定史跡の管理(保存・活用)方法が地域によって異なるが, 今後の史跡を地域振興源のひとつとして考え, 管理に際しては,綿密なマネジメントに基づき, 地元住民を巻き込むことが不可欠, とういう内容です. 史跡(遺跡)の管理の現状と課題について,考えさせられる記事です. 確かに,国史跡として指定されても, 現地に行くと,標柱や説明板があるのみで, 史跡自体は野原(放置)状態なものもあります. その理由としては,財政的なこと,その後の維持管理費用の問題があるとのことです. 史跡として保存するのであれば,指定だけで何もしないことも, ひとつの方法かもしれません. しかし,これではせっかく指定になった史跡(遺跡)を生かすことはできません. とくに,遺跡(埋蔵文化財)は埋まった状態では,見えませんから. 実際に,地元住民に「足元の史跡が知られていないことも多い」とのことです. これでは,何かことを興すにしても,地元の理解を得られないのではないでしょうか? その反面,管理の行き届いた史跡もあり, そのような史跡は,行政が地元の関心を引く努力をして, 地元住民を巻き込んだ管理がなされています. 地元と史跡とのつき合いがうまくいっている. 違いは,財政的なことだけではないようです. 行政によって,さまざまな事情があり,担当者の負担は多くなるでしょうが, うまく管理することは,史跡(遺跡)の保護は言うまでもなく, 地元住民も参加による地元の活性化にも繋がるものと思います. 史跡指定はそれがゴールではない,とも思いますので. この記事中の写真,放置状態にある史跡の標柱の一部が加工され, 遺跡名がわからないようしてありますが, これ,必要なこなのでしょうか? 地元への配慮かもしれませんが,違和感を感じました. |