• もっと見る
« 2012年09月 | Main | 2012年11月»
<< 2012年10月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
カテゴリアーカイブ
最新コメント
T.Hayashibara
魚へんの漢字 (03/27) T.Hayashibara
「海底遺跡 新時代」 (03/27) T.Hayashibara
岩淵聡文著『文化遺産の眠る海 水中考古学入門』 (03/27) T.Hayashibara
公開された「神奈川台場」を見てきました (03/27) T.Hayashibara
東京駅・丸の内駅舎の復原 (03/27) T.Hayashibara
和賀江島と座礁 (03/27)
「海底遺跡 新時代」 (09/06) 山本
魚へんの漢字 (08/05) 斎藤 敏行
和賀江島と座礁 (07/29) 安田冨郎
東京駅・丸の内駅舎の復原 (07/08)
最新トラックバック
犬山城 (01/22)
https://blog.canpan.info/ariua/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/ariua/index2_0.xml
日本は「ボトムアップ」 [2012年10月19日(Fri)]
少し前になりますが,
7月30日付の毎日新聞の「余禄」に,
「水中考古学は,海や湖の底の沈没船,遺跡を・・・」
http://mainichi.jp/opinion/news/20120730k0000m070123000c.html
という記事が掲載されました.

内容は,中国の水中考古学の現状から国家の関わりあいを記し,最後に
「水中考古学の研究費が増えたわけが見えてきた.中国の骨董品を集めようとしているのだろう」
と結んでいます.

最初にこの記事を読んだときには,
最後の一文にあるような表現に,
「水中文化遺産」研究が誤解されることを懸念しました.

確かに,この記事は,「水中文化遺産」や「水中考古学」を十分に理解している記者が書いたものとは思いませんし,
読者に誤解を生じさせる内容です.

その後,掲載時期は前後しますが,
7月4日付の人民網・日本語版で,
「国家博物館 水中考古学成果展が開幕」
http://j.people.com.cn/95952/7865453.html
という記事を読みました.

中国国家博物館(北京.国立総合博物館)で,
近年のプロジェクトで引揚げた遺物を展示するとともに,
最新マルチメディアを駆使して水中考古学の流れを再現するという,
博物館初の水中考古学成果展が開幕した,という内容です,

このふたつの記事から,
中国の「水中考古学」の立ち位置がわかります.

中国では,「余禄」に書かれているように,
近年,「水中考古学」に力を入れています.
研究基地の設置,調査船の建造,南シナ海での研究の展開などなど.
予算規模もかなりの額と聞いています.

そして,その成果を総合博物館で披露する.

このようにみると,その書き方には問題はありますが,
「余禄」の記事の意味,記者が伝えたかったことも,見えてくるでしょう.
政策とリンクしていることが.
また,「トップダウン」の学問と言い換えることができるかもしれません.

ですので,日本は実際の環境面では,水をあけられているかもしれませんが,
学問としての本質としては,どうでしょう.

日本の現状は,善し悪しは別として「ボトムアップ」です.
対照的と言えるかもしれません.

その点では.この「余禄」は考えさせられる記事,だと思います.
一読して,考えてみてください.
「水中文化遺産」および「水中考古学」の正しい理解のために.