4月27日に一般公開が始まった保存された
神奈川台場遺構を見学してきました。
(横浜市神奈川区星野町)
展示施設は、発見の場所となったマンションの1階の一角です。
室内展示とともに屋外にも展示施設があります。
展示室の入り口のようす保存された石垣遺構5段分を上からのぞき込むかたちで見ることができます。下部からは地下水がしみ出ており、潮の干満で水位も上下するとのことで、
海上に造られたものであることをあらためて実感できます。
室内展示の石垣やはり、遺構は現地で見ると、その立地を実感できるなど、説得力がありますね。
展示室内には、
神奈川台場が描かれた絵図や写真資料が、拡大されて多数掲示されており、
神奈川台場の造られた当時を伺い知ることもできます。
展示室内のようすまた、隣接する公園、横浜市中央卸売市場内や住宅地でも石垣の一部を見ることでき、
周辺を散策すれば、台場の大きさを実感することもできます。
神奈川台場と残存遺構(神奈川台場公園の説明板から.左上の丸印部分が今回公開された部分)展示室は、多機能ホールも兼ねており、夜も開いているそうです。
観覧料は100円、遺構保存維持費にあてるそうです。
アクセスは、JR東神奈川駅、京急仲木戸駅から、徒歩10ほどです。
ちなみに、展示室のあるマンション名は、
「
Historia Residence 海舟」です。
工事中の発見ののち、
市民の声が、
行政を動かし、関係者の尽力で保存が決まった事例です。
公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センターにより、発掘調査がなされ、
文化財保護法上の「周知の遺跡」にも登録をされました。
開発事業者の理解があったことで、なし得た事例であったとはいえ、
これまでの横浜市の埋蔵文化財行政を考えるならば、
今回の一連の動きは画期的な事例と言えます。