小田原市石橋沖で潜水調査をおこないました [2011年02月28日(Mon)]
26日(土)・27日(日)の2日間にわたり、小田原市石橋沖で潜水調査をおこないました。
今回の調査地区は昨年末にシュノーケルによる確認調査を実施しています。 調査地区付近の丘陵上には、江戸城用の石垣石材を切り出した「石丁場」(いしちょうば)が点在しており、 今回の調査地区は、その打ちのひとつの石橋石丁場から切り出された石材を江戸城へ向けて積み出す湊があった場所と推定されています。 今回の調査は、積み出し湊の痕跡の確認および調査地区の評価をするために、 前回の調査で確認された石材の精査(詳細な観察と計測)をおこなうことを主眼としました。 調査の結果、湊の痕跡は確認できませんでしたが、 確実に江戸城の石垣用石材と考えられる石や当時の矢穴(石を切り出すために開けた穴)が残る石を確認することができ、 石橋沖が石橋石丁場を密接な関係にあることが明確になりました。 ミーティングのようす また、江戸城の石垣用石材ではない、小型の石材が複数確認されました。 この石材については、湊・町屋・神社用のものとも考えられるものです。 評価については,今後の検討が必要なものです。 午後には、小田原市教育委員会と石丁場が多く確認されている伊東市教育委員会(静岡県)の文化財担当者に現地まで足を運んでいただき、 今回の成果をみてもらうとともに、コメントもいただきました。 昨日は海況不良のため、潜水ができず、 陸上での作業となりましたが、 事後やけが人もなく、無事に終えることができました。 今日もうねりが入った状態でしたので、 全体にタイト調査となりました。 調査に参加された皆さま、お疲れさまでした。 調査のようす |