「周知の埋蔵文化財包蔵地」 [2013年03月25日(Mon)]
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「埋蔵文化財」ということばをご存知でしょうか?
「埋蔵文化財」とは,「土地に埋蔵されている文化財」のことです. わかりやすく言えば,「遺跡」のことです. 「遺跡」の多くは,通常は「埋蔵」,地下に埋もれていますので,見ることはできません. ただし,地上でも見ることができるばあいもあります. たとえば,「古墳」.その内部は直接に見ることはできませんが, 塚状の外観は,見ることができます. また,寺跡のばあいなどは,建物が残っていなくても, 建物が建てられていた場所は,一段高くなった「基壇」や柱を受けていた「礎石」が地表に残り,見ることができるばあいがあります. 地上で見ることができる「古墳」や「寺院跡」も「遺跡」, 「埋蔵文化財」です. 見えない部分は地中に埋まっていますでの. このような「見える遺跡」の確認は,比較的容易なのですが, 「見えない遺跡」のばあいはどうでしょう. これにも存在にたいするヒントが地上にあります. たとえば,畑です. 耕作で,その土地が掘り返されたりすると, 地下にあったものが地表に出てくることもあり, その結果,土器や石器のカケラを地表で見たり,拾ったりできることがあります. このような土地の地下には,「遺跡」(埋蔵文化財)が存在するる可能性があり, このような状況は,「遺跡」の存在を確認するには重要な手がかりとなります. それをヒントに,「遺跡」があるかのか,ないのかを確かめる調査(発掘調査など)をして. 「遺跡」を確認します. このようにして,地下に埋もれた「遺跡」(埋蔵文化財)は,その存在が知られることになります. これを「周知の埋蔵文化財包蔵地」(遺跡の周知化)と呼びます. 「周知の埋蔵文化財包蔵地」については, 国内の文化財を保護する法律である「文化財保護法」に記されています. そして,「周知の埋蔵文化財包蔵地」を目に見えるかたちにしたものとして, 「遺跡地図」(埋蔵文化財包蔵地地図)があります. これは,詳細を記した台帳とセットになるもので,各市町村および都道府県の担当行政である教育委員会に備え付けられています. これをもとに「遺跡」(埋蔵文化財)は保護をされるのです. 例えば「周知の埋蔵文化財包蔵地」内で開発事業などがあるばあいには, 「遺跡」に影響があるのか,否か,あるいはどのくらい影響があるのかなどを担当行政と事業者が協議をして,影響があるばあいには,しかるべき行政指導がなされます. 「周知化」がなされなければ,「遺跡台帳」に登載されることはありませんので, 開発事業が計画されて,その場所に「遺跡」が存在する可能性があったとしても スムーズな行政指導ができないばあいもあります. 「周知化」がなされてないために, 存在したはずの「遺跡」が記録も残されず(調査をされずに)に壊されるてしまうこともあります. このように,遺跡を保護するためには,その存在を示す「遺跡台帳」, そして,その前提にある「周知の埋蔵文化財包蔵地」の把握(遺跡の周知化)は重要なのです. |




