お詫び,記事情報の訂正 [2020年11月25日(Wed)]
11月22日(日)に発信した「エルトゥールル号遭難事件遺跡が国史跡指定へ」の記事情報に誤りがありましたので,
ここでお詫びして,訂正をさせていただきます. 国史跡への指定が文化審議会で答申されたエルトゥールル号遭難事件遺跡について, 「指定が決まれば,国内の水中遺跡としては2例目の国史跡が誕生します」 と記載しましたが, 指定対象となった「樫野崎灯台」「船甲羅」「上陸地」「遭難者墓地」の4域のうち, エルトゥールル号が衝突・沈没した「船甲羅」は海面上にでている箇所のみの指定との教示を受けました. トルコの研究機関により調査がされている海底に残る遺構・遺物は指定の対象となっていませんでした. したがって,指定が決まっても「水中遺跡としては2例目」にはなりません. 確認不足でした. ただし,今後は地元の串本町での対象史跡の保存管理計画のなかで海底に残る文化遺産(関連水中文化遺産)の取り扱いも議論される可能性はあります. ぜひ,議論していただきたいと思っています. 今回の国史跡指定(答申)では、「海底に残る文化遺産」は史跡指定対象外となりましたが. 国内の文化財保護行政においてイレギュラーなかたちではじめられたエルトゥールル号関関連水中文化遺産の調査・研究をあらためて検証する良い機会で、 検証をとおして、国内の水中文化遺産(水中遺跡)調査・研究の在り方(とくに行政のかかわり方)や法的な問題提起ができるのではないかとも思っています。 とくに,学術調査がなされているにもかかわらず「海底に残る文化遺産」が史跡対象とならなかったことは, 調査にいたる経緯・背景とともに,水中文化遺産の評価や保護行政を皆で考える好機だとも思っています. このような議論,情報整理・共有を経て,「海底に残る文化遺産」が史跡として追加指定されれば, 国内の水中文化遺産およびその研究・保護にたいして非常に意義のあることと思っています. ぜひ,実現してほしいですね. |