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魚へんの漢字 (03/27) T.Hayashibara
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犬山城 (01/22)
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アメリカ軍掃海艇駆逐艦エモンズ(USS EMMONSS)関係論文 [2022年06月22日(Wed)]
片桐千亜紀理事らの研究チームが,長年研究を続けている
第二次世界大戦末期に沖縄県今帰仁村・古宇利島沖に沈んだアメリカ軍掃海艇駆逐艦エモンズ(USS EMMONSS)に関する論文を「International Journal of Nautical Archaeology」に発表しました.

オープアクセスとなっていますので,以下のアドレスからダウンロードできます.
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/10572414.2021.2018870?needAccess=true

戦跡水中文化遺産を徹底的に研究し、戦闘状況の復元を試みています.

関心のある方は,ぜひ読んでみてください.

沖縄県恩納村の「水中文化遺産」にたいする取り組み [2022年05月07日(Sat)]
沖縄県恩納村博物館から『恩納村博物館紀要』第12号が刊行された.
論文8編のうち,「水中」に関するものが3編.
恩納村博物館の「水中」にたいする力の入れようがみえてくる.


このうち,崎原恒寿さんの「恩納村の水中遺跡・沿岸遺跡−調査成果の検討・新発見と活用について−」は,
2006年から村主体事業として取り組んできた「水中」の調査・研究,保護・公開・活用について,
現状や課題がよくわかる報告だ.

博物館では,地域に根ざし,地道に「水中」に関する調査・研究・周知・活用を継続しておこなってきた.
調査・研究成果を活かした遺跡見学会・展覧会・村内学校への出前講座の実施は,その一例だ.

継続して事業をおこなってこられたのは,限られた予算やマンパワーのもと,できる範囲で,できることをおこない,
調査成果を広く周知・活用することで,社会に還元するというスタンスを貫いた結果であり,
行政事業のあり方としては,理想的ともいえる.
とくに周知で「何がわかる」「何がわかったのか」を丁寧に伝える姿勢には,
より多くのひとに「知ってもおう」とする担当者の熱意も伝わってくる.

近年では,予算やマンパワーを補うためのひとつの方策として,
他機関(研究団体・大学・地元ダイビングサービス等)との連携や協働調査もおこなうなど,
「水中」調査方法の工夫や模索する姿勢もうかがえる.

ただし注意したいのは,「水中」の調査はそれに特化したものではなく,
あくまでも陸上もふくめた文化財保護行政のもとにおこなわれたものであることだ.
その結果,保護の対象として特定された遺跡数は,水中のみならず,陸上も増えている.
この点も事業が継続できていることとの理由のひとつだろう.

加えて事業が継続しておこなわれてきた背景には,
沖縄という土地柄や約27kmにわたる海岸線の存在もあろうが,担当者の地道な活動による行政・住民が協力できる体制構築を無視できない.

恩納村は,沖縄本島中央部の西海岸に面した,人口11,000人ほどの村.
このような行政的規模の小さな村の「水中」にたいする取り組みだが,
その内容は,他の自治体にも大いに参考になる事例だと思う.
それとともに,ぜひ多くのひとにこの取り組み方を知ってもらい,「水中」へ関心を持ってもらうためのヒントを得てもらいたい.
NHK-Eテレで、 古代エジプトの海没都市・カノープスの特集番組 [2021年11月06日(Sat)]

今晩(11月6日)、NHK-Eテレで、

古代エジプトの海没都市・カノープスの特集番組があります。


カノープスは、8世紀ごろの地震で、アクキサンドリア、ヘラクレイオンとともに海中に沈んだ古代エジプトの都市です。

1992年から調査がおこなわれ、

成果は、2009年に横浜で開催された『海のエジプト展』でも引き揚げ遺物とともに紹介されました。

番組では、海中での調査映像や再現映像が紹介されます。


再放送もあるようです。


【番組情報】

番組名: 地球ドラマチック『海に消えた古代都市カノープス』

放送局:NHK-Eテレ

日 時:202111月6日( 19:0019:44

https://www.google.co.jp/amp/s/www.nhk.jp/p/dramatic/ts/QJ6V6KJ3VZ/episode/te/89MNWNNQYP/

Posted by T.Hayashibara at 18:07 | 水中文化遺産 | この記事のURL | コメント(0)
「美保関沖事件回想大展示会」および記念講演会が開催されます [2021年07月04日(Sun)]
1927(昭和2)年88月24日に,島根県美保関沖で大日本帝国海軍で夜間演習中に起こった艦艇の多重衝突事故,
「美保関事件」関連の事件に関連する歴史資料や駆逐艦「蕨」水中調査の記録の展示会および,
講演会が,美保関沖事件慰霊の会が主催で開催されます.

展示会は,昨年開催される予定でしたが,コロナ禍のために延期されたものです.

今月には,駆逐艦「蕨」の水中調査も予定されているとのことです.

美保関沖事件回想大展示会
〇期 間:2021年9月4日(月)〜20日(月
〇会 場:海とくらしの史料館 [〒684-0016 鳥取県境港市花町8−1]
〇入場料:無料

「美保関沖事件」記念講演会
〇日 時:2021年9月20日 13:00〜15:00(変更あり)
〇場 所:米子市公会堂 大ホール
〇講 師:高橋 一清氏(元文芸春誌編集長、元松江市観光プロデューサー)
〇講演テーマ:「歴史を語り継ぐ 〜美保関沖事件の記憶を新たに〜
〇入場料:無料

詳細については,美保関沖事件慰霊の会のH.P.で確認してください.
https://gojikai1927.wixsite.com/mihonoseki
学生による初島沖海底遺跡の報告 [2021年04月02日(Fri)]
東京海洋大学大学院生(2名・ARIUA会員)による初島沖海底遺跡(静岡県熱海市)の調査短報が,
アメリカ水中考古学諮問委員会ニュースレター『ACUA学生』Vol.9(1)号(2021年春)
Advisory Council for Underwater Archaeology ‘ACUA Student’, vol. 9(1), Spring 2021
に掲載されました.

ぜひご覧になってください.
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2593870717403883&id=299782973479347
『キャンプ・シュワブ海域文化財分布調査』 [2021年01月29日(Fri)]
在沖米軍海兵隊基地キャンプ・シュワブ海域の文化財分布調査成果報告書
『キャンプ・シュワブ海域文化財分布調査』が刊行されました。

沖縄県名護市の普天間飛行場代替施設建設予定地である在沖米軍海兵隊基地キャンプ・シュワブ海域において平成26〜30年度(2015年2月〜2018年11月)に実施された飛行場建設にともなう文化財分布調査の報告で、調査面積は163haと広域におよんでいます。

調査は、文化庁国庫補助事業として担当行政の名護市(教育委員会)水中文化財(水中文化遺産)調査実績のある沖縄県立埋蔵文化財センター(沖縄県教育委員会)が共同で実施したものです。

単なる成果報告ではなく、海域分布調査の計画・方法の詳細を記録し、調査方法の問題点(反省点)と課題についてもまとめています

調査原因の特殊性や沖縄県ならではの環境という面で実施できた部分もあるかとは思いますが、その取り組み方は、研究者のみならず海域調査にのぞむ行政にも大いに参考になる内容です。

報告書は、奈良文化財研究所H.P.の「全国遺跡報告総覧」からダウンロードできますので、関心がある方はご一読ください。
https://www.nabunken.go.jp/

書誌情報
書 名:『キャンプ・シュワブ海域文化財分布調査』
    沖縄県立埋蔵文化財センター調査報告書 第104集
    名護市文化財調査報告書 第26集
刊行年月:2020年3月31日
編 集:沖縄県立埋蔵文化財センター
発 行:沖縄県立埋蔵文化財センター・名護市教育委員会
体 裁:A4版・143ページ(本文)
お詫び,記事情報の訂正 [2020年11月25日(Wed)]
11月22日(日)に発信した「エルトゥールル号遭難事件遺跡が国史跡指定へ」の記事情報に誤りがありましたので,
ここでお詫びして,訂正をさせていただきます.


国史跡への指定が文化審議会で答申されたエルトゥールル号遭難事件遺跡について,
「指定が決まれば,国内の水中遺跡としては2例目の国史跡が誕生します」
と記載しましたが,

指定対象となった「樫野崎灯台」「船甲羅」「上陸地」「遭難者墓地」の4域のうち,
エルトゥールル号が衝突・沈没した「船甲羅」は海面上にでている箇所のみの指定との教示を受けました.
トルコの研究機関により調査がされている海底に残る遺構・遺物は指定の対象となっていませんでした.
したがって,指定が決まっても「水中遺跡としては2例目」にはなりません.
確認不足でした.


ただし,今後は地元の串本町での対象史跡の保存管理計画のなかで海底に残る文化遺産(関連水中文化遺産)の取り扱いも議論される可能性はあります.
ぜひ,議論していただきたい
と思っています.

今回の国史跡指定(答申)では、「海底に残る文化遺産」は史跡指定対象外となりましたが.
国内の文化財保護行政においてイレギュラーなかたちではじめられたエルトゥールル号関関連水中文化遺産の調査・研究をあらためて検証する良い機会で、
検証をとおして、国内の水中文化遺産(水中遺跡)調査・研究の在り方(とくに行政のかかわり方)や法的な問題提起ができるのではないかとも思っています。
とくに,学術調査がなされているにもかかわらず「海底に残る文化遺産」が史跡対象とならなかったことは,
調査にいたる経緯・背景とともに,水中文化遺産の評価や保護行政を皆で考える好機だとも思っています.

このような議論,情報整理・共有を経て,「海底に残る文化遺産」が史跡として追加指定されれば,
国内の水中文化遺産およびその研究・保護にたいして非常に意義のあることと思っています.

ぜひ,実現してほしいですね.
JR高輪ゲートウェイ駅周辺再開発事業地区から鉄道開業当時の線路敷設用に構築された築堤跡を発見 [2020年11月24日(Tue)]
JR高輪ゲートウェイ駅周辺再開発事業地区(東京都港区)から鉄道開業当時の遠浅の海上に線路敷設用に築かれたされた築堤跡が埋蔵文化財発掘調査で確認されました.
https://www.tokyo-np.co.jp/article/69843

築堤は,当時周辺陸地に海軍施設などがあることから海上ルートを取らざるを得なかったことから築かれたもので,
現田町駅から品川駅付近までの約2.7km,幅約6.4mの規模,両側面には護岸用として石垣が葺かれていたとのことです.
その状況は,開業時の写真や絵で見ることができます.
なお、現横浜駅付近でも同様の海上築堤が構築されて
いました。
その後,明治末から昭和初期にかけての周辺埋め立てにともないその姿は見られなくなりました.
品川駅開業初期_Wikipedia.jpg
開業初期の品川駅(駅の右側(南方)には遠浅の海が広がっている)

東京八ツ山下海岸蒸気車鉄道之図-歌川広重-三代_M4.jpg
三代広重筆浮世絵『東京八ツ山下海岸蒸気車鉄道之図』1871年

三代広重筆浮世絵『横浜海上蒸気車鉄道之図』1871年.jpg
三代広重筆浮世絵『横浜海上蒸気車鉄道之図』1871年

調査の詳細確認はしていませんが,新聞等の情報によれば,
築堤跡は品川駅と高輪ゲートウェイ駅の2箇所で,工事中に発見され,
今年の8月から埋蔵文化財調査をおこなっているとのことです.
調査では,四角い石を積んだ法面や船で築堤を通り抜けるための水路跡等が検出されています.

なお調査地区は,今年3月時点での港区埋蔵文化財包蔵地分布図では「遺跡」として登録はされていませんが,
最新版の東京都遺跡地図では,「港区No.208遺跡(高輪築堤跡)」[種別:鉄道築堤]として登録がなされていることから,
工事発見にともない,遺跡登録を経て調査をおこなったことがわかります.
https://www.city.minato.tokyo.jp/bunkazai/documents/minato_bunkazai_map_202003.pdf
https://tokyo-iseki.metro.tokyo.lg.jp/map.html#main

このような状況で埋蔵文化財調査をおこなったことは,行政の真摯な対応による結果だと思います.

高輪築堤跡は「海上」に築かれたもので,基礎は「海中」に構築されています.
現在は陸上にありますが,かつては海上(海中)にあった「水中文化遺産」です.


同様の例としては,高輪築堤跡の前面の東京湾に構築された海上台場としての品川台場(6基が完成し,第四・第七は未完成.現存する第三・第六台場は国史跡)があります.
築堤跡と同じく水深数メートルの海底に基礎が構築されています.
品川台場は,高輪築堤跡構築に先立つ幕末につくられたものですので,
その技術は高輪築堤跡にも生かされたことと考えられます.
さらにその技術は.明治〜大正期に築かれた東京湾海堡(第一〜三・海中砲台)にも受け継がられたことでしょう.
とくに,水深30mを超える地区につくられた第三海堡築造にともなう土木技術は,
当時世界からも注目され,日本の海洋土木技術力の高さをしめすものでした.
明治13年品川駅周辺と高輪築堤跡2_40000のコピー.jpg
品川駅周辺と高輪築堤跡・品川台場 1880年

このように高輪築堤跡からは,近代日本の土木技術力(とくに海洋土木技術力)がどのように発展していくのかを再検討できるデーターが得られる可能性があり,
今後の調査の進展・成果分析が期待されます.


また,新聞記事には「遺構の保存や工事の遅れなど,再開発への影響は避けられそうにない」ともあります.
先人の技術を次世代に語り継ぐためにも保存と開発が上手いかたちで,進むことを希望したいと思います.

海底に眠る歴史!元寇のタイムカプセル引き揚げプロジェクト 〜過去を現代に!そして未来へ残せ!〜 [2020年11月23日(Mon)]
ガバメントクラウドファンティングによる
海底に眠る歴史!
 元寇のタイムカプセル引き揚げプロジェクト
   〜過去を現代に!そして未来へ残せ!〜

が,11月20日に開始されました.

ふるさと納税を利用した松浦市がおこなうクラウドファンティグです.

この機に,皆さんも調査開始40周年を迎えた鷹島海底遺跡調査を応援してみませんか

詳細については,
https://www.furusato-tax.jp/gcf/1129
https://www.facebook.com/893212710694498/photos/a.894237120592057/4139070252775378/
を参照してください.
126203679_4139070256108711_8917544620163702528_o.jpg
エルトゥールル号遭難事件遺跡が国史跡指定へ [2020年11月22日(Sun)]
1890(明治23)年に日本からの帰路で台風に遭い,
和歌山県串本町大島沖に座礁・沈没したオスマン帝国軍艦エルトゥールル号の遭難地区をふくむ事件関係遺跡の国史跡への指定
文化審議会の審議・議決を経て文部科学大臣へ11月20日に答申されました.

指定が決まれば,国内の水中遺跡としては2例目の国史跡が誕生します.
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92657301.html
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